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そこはかとなく

そこはかとない記録
2024
08,08
 教皇宮に入った二人は教皇座に座るサガの前まで揃って出た。堂々と、これが番となった俺たちだという事を見せ付けてから静かに首を垂れてデスマスクが自ら番を得たことを報告する。
「発情期にαたちを惑わすこと無く聖闘士を全うできるようになるのは私も望んだ事である。本領を発揮して励んでほしい」
 仮面の奥のサガの表情は窺えないが、落ち着いたコスモと声色で返ってきた。邪悪な方は息を潜めているようだ。
「しかし教皇、俺の発情期が無くなったわけではありません。今まで通りその時期はシュラと休みを頂きますよ。聖域で」
「理解している。首輪ももう、必要無いな?」
 そう告げたサガは袖口から金の首輪を取り出して見せた。今までずっとあれを着けていたという感覚もすでに薄れて、自分の首元を彩るのは黒革の首輪しか考えられない。
「必要ありません。買っていただきありがとうございました。売るなり溶かすなりして聖域の財源に充ててください」
 二人が教皇宮から退室しようとした時、サガはシュラの方にも視線を送ったが二人は言葉を交わすことなく宮を出た。

「キリっとした顔で"話をつける!"って言っといてよ、結局お前何も喋らねぇし!」
 宮を出てすぐデスマスクは、ただの添え物と化していたシュラに不満をぶつける。つい先程まで強気でアフロディーテとピリピリていたというのにどうしたというのか。
「サガが落ち着いていたから余計な事を言う必要も無いかと思って」
「あー…余計なことばかり言う自覚はあるんだな。初めて知ったわ」
 嫌味を言ってもシュラは黙ったままでいる。多分、先程アフロディーテと張り合ってしまったからこそ、αの気をコントロールできなくなる事を怖れたのだろう。
「はぁ〜…サガも今のお前も情緒不安定な人って読めねぇなぁ〜」
 デスマスクは階段を降りながら長い溜め息を吐いてシュラに寄り添った。何となく、触れ合う手に緩く指を絡ませるとシュラの方から握り返してくる。
「突然発情期に聖域へ戻って騒動起こしたお前が言うことか。サガを見れば俺の苦労も少しはわかるだろ」
「そうだけど、あの時はお前の気を引きたいっていうか甘えがあったというか…」
「それで俺は黄金と争って負傷した」
「…ごめんって…」
 番になれて、もう落ち着いたからさ…とシュラの頬にキスをする。シュラも握っていた手を解くとデスマスクの腰を寄せて頬に返した。擦れ合う聖衣がカツ、カツ、と音を立てる。

 仲良く双魚宮を抜け宝瓶宮に入れば、行きには見掛けなかったカミュとミロが話をしていた。ミロはシュラとデスマスクの気配に振り向くなり「本当に番になってやがる…」と呟いた。
「うるせぇ、聞こえてるぞ」
 宮の真ん中を歩きながらデスマスクが吐き捨てる。
「番になったということは、お前たちヤったって事だよな?デスマスクを抱くとか信じられ…」
 言い終わる前に控えめな聖剣が宙を裂き、ミロとカミュをかすめてその奥の柱に鋭い傷を付けた。またもシュラに傷付けられ、宝瓶宮はいつか斬り崩されてしまうかもしれない。
「おいシュラ!危ねぇだろ!」
「お前みたいなガキには理解されなくて結構だ!」
 シュラは黙ったままで、ミロに答えたのはデスマスクだった。そう言われるなりミロは腕を組み顔を歪める。
「ふん、どうせお得意のフェロモンで無理矢理抱かせたのだろう」
「そんな考え方しかできねぇなんて、黄金αのくせに情けないな」
「ハァ?「おいミロ!止めろ!」
 レベルの低い喧嘩を眺めていたカミュが遂にミロを止めに入った。それを見て、いつでも繰り出せるとデスマスクの隣で聖剣を構えていたシュラも腕を解く。
「すまない、私たちαには恋愛事など無縁の事なのでな…お前たちの関係に羨ましさがあるのだと思う」
「ハァァ?!俺は羨ましくねぇよ!」
「止めてくれ、私から見てもみっともないぞ」
 デスマスクたちからはよく見えなかったが、カミュの冷めた視線を受けてミロは口をつぐみ顔を逸らした。
「シュラがαになったと聞いた時、驚きは無かった。αに匹敵する力は持っていたからな、それが当然とも思えた。番の事はよくわからないが、これからも二人の活躍に期待している」
 そう告げたカミュにデスマスクは手を振り、二人は磨羯宮へと向かった。

「くっそミロの奴、なめくさりやがって。未だにΩは美形とか女々しいとかいう幻想抱いてんじゃねぇよ!」
 シュラは私室へ入ってからも愚痴るデスマスクの髪を撫でて額にキスをした。二人とも聖衣を脱ぎ、上半身は裸のままでソファーに沈み込んでいる。
「俺はお前が好きだ。ただそれだけだが、それには肌も髪も瞳も内面も全てが含まれる。他人の気を引くほどの美貌など必要無い。俺がお前を好きでいるのだからそれでいいだろ?」
「俺だってそう思うけどよ、それが理解できてねぇミロに腹立つんだよ」
「クク…お前は賢くて可愛い。好きだよ、デス…」
 シュラの手のひらがデスマスクの胸を揉んで、親指が敏感な箇所を撫でていく。擽ったさに吐息を漏らしながら、するのか?と呟くと微笑み返された。聖域で抱かれるのは初めてだ。誰かに見られる事なんて無いのはわかっていても少し緊張する。シュラなりに、ミロの言葉に傷付いてないかとフォローしようとしているのだろう。発情期でなくても抱ける、お前が好きなのだと。一通り前戯を施されて蕩けたデスマスクはシュラに抱き上げられると寝室へ移動し、引き続きシュラの愛を存分に受け入れた。

ーーー

 翌日から二人は早速それぞれの仕事を与えられ、以前と同じく任務に励んだ。αに変異したシュラは自身の体力や技の技術に関してはβの頃との違いを感じなかったが、敵と対面した際に相手が怯むようになったのは実感した。その実感は日に日に増していき、αとしての力が着実に付いてきていることに満足した。得られる強さは全て取り込みたい。それがデスマスクを支える力となるのであれば喜んで受け入れる。早めに任務が終わった8月のある日、十二宮を上っていたシュラは巨蟹宮にデスマスクの気配を感じて会いに行くことにした。
 巨蟹宮の外にまで宮内を轟かす死面たちの声が漏れ出ている。番になる前はここまで聞こえていなかったが、最近また数を増やしたようだ。Ωが判明してからもデスマスクは粛清任務の手を緩める事はしなかった。時差があろうと時間を問わず任務に向かい、発情期の休暇分を取り戻すべく戦い続ける。シュラのように格闘を繰り広げるわけではないのだが、コスモの消費に関してはデスマスクの方が高いだろう。それが更に加速しているように感じる。私室の扉を開け、居間へ向かおうとしたシュラはデスマスクが浴室にいることに気付きそちらへ向かった。浴室の扉を開けてしまおうか考える間もなく、シャワーを終えたデスマスクがその扉を開けて現れた。
「ぅおいっ!ビビるじゃねぇか、来てたのかよ」
 シュラは洗面台の横に置かれていたタオルを手にして肩に掛けてやる。デスマスクを抱いた後にするのと同じように体を拭き始めれば、大人しく身を委ねてきた。
「今日は早帰りで来たのか?この後も暇ってこと?」
 久しぶりに会えたことが嬉しそうな声色が響く。
「あぁ、αになってから仕事が楽になった気がする。お前も少しは楽になったのか?」
「少しもなにも…」
 デスマスクは耐えられない笑みを溢しながらタオルをひるがえし、人差し指を立てた右腕を突き上げて見せた。
「見せてやれないのが残念で仕方ない程に、ヤバい」
 ヤバい、が良い意味でというのは一目瞭然だった。少しコスモを燃やしてみせたのだろうがそれだけではない。Ωであるのにαと同等の圧を感じる。
「これが番になる、という事なのかお前の精が凄いのかわからねぇけど、力の出方が全然違うんだよな。今の俺はお前より強いと思うぜ?エッチして中に出されても掻き出さなきゃ漏れてく感じあんま無ぇし、αの力をリアルに吸収してんのかな」
「仕様から考えると俺は与えることしかできないが、お前はαを受け入れたΩであるから…一体化したという意味で強化されてもおかしくない気はする」
「その辺のΩならば番との妊娠出産しか考えられなくなるだろうが俺は違うしな。俺は新しい世界を産んでやるぜ?」
 突然の壮大な言い草にシュラは笑ったが、デスマスクは何も言い返さなかった。真剣な瞳がシュラを見つめ続けていることに気付き、笑みを潜めて続きを促す。
「俺らが相手にする奴らは殆どがαだよな?まったく好都合だ、片っ端から葬っていける。そしてαの側にはΩがいる事も多い」
「…任務外の殺しもしているのか」
「そいつら番だったら片方だけ残すのは可哀想だろ?番じゃなかったら俺とお前の関係をぶち壊す"運命"が紛れ込んでいるかもしれん」
「運命?」
「知らねぇの?番関係ぶち壊してでも遺伝子レベルで惹かれ合ってしまうαとΩの存在」
「知ってはいるが、俺たちがソレではないのか?」
「正直わかんねぇじゃん。そう思いたくてもどんなんか知らないのだから。念には念を、だよ。お前を誰かに盗られるのだけは絶対に許せねぇし耐えられん。聖域の奴らは仕方ねぇから後回しだが、この世に存在するαとΩの全てを消したい。世界がβだけになったらどうなるんだろうな?どうせその中から優劣付けてくのだろうが、番はαとΩだけだとかフェロモンに惑わされて事件が起きるような世界が終わるならそれで良い」
 デスマスクは自身の願いが果たされた故に世の中の好き合うαとΩに対して友好的な考えを持っているとシュラは勝手に思い込んでいた。しかし現実はαへの嫌悪もΩに対する悔しさも何も変わっていなかった。突き詰めれば"怒りの根源は第二性を生んだ神にある"という事を思い返すと、何も変わらないのは当然の事だろう。
「なぁお前何でここに来た?オレサマの顔を見に来ただけか?」
 拭き終えた体を包むバスタオルの隙間から手が伸びて、シュラの服を小さく摘まむ。その様子を見て、最近デスマスクに服を与えていないなという事を思い出した。
「お前もこの後空いているのなら食事でもと」
「ふぅん…その前にさ、ヤる?お前って今でも一人の時は溜め込んでんの?それとも積極的にオレの事考えてくれちゃってる?」
「わざわざ一人で楽しむようなタイプではない。そこは変わらない」
「へー…ならば久しぶりにオレサマが色々頑張ってやろうかな。明日もデカい仕事入ってるからよ、たっぷり頂いておこうかなって」
 言い草からして"外食前に軽く"とはとてもいかなさそうだなと思いながらも、シュラはデスマスクの頬にキスをしてから自身も浴室へ汗を流しに入った。その場で脱いだ服をデスマスクに渡すと目を丸くして不思議そうに見ていたが、すぐに理解してニヤけ崩れていく顔が閉まる扉の向こうに見えた。

 寝室へ向かったシュラは先にベッドで待っていたデスマスクの首筋に触れ、噛み痕を確認する。番の証はしっかり残っている。デスマスクはシュラを咥えることに関してそこまで積極的ではなかったが、今日は違った。慣れない口使いながらも少しでもシュラから力を得ようと懸命に求め、吸い上げていく。飲み込む事が当然であるかのように躊躇なく体内へ取り込み、ニヤりと笑った。その唇にキスをして押し倒そうとすると、デスマスクは拒むように身を屈めて再びシュラを咥える。抜いてしまった熱をもう一度立派に、研ぎ澄ますように。そして自ら仰向けになれば「次はここ」と言わんばかりにシュラを下腹部まで導き、視線を合わせた。そこからはもうシュラの主導で、抱き揺すられるデスマスクの体は愛される悦びに熱を帯びていく。シュラのために絶え間なく濡れる体を差し出して、求める限りの愛情を体いっぱいに受け取った。

「…αってさ、どんだけシたら枯れるんだ?」
 当然、外食へ出掛けられる余裕など無い姿となったデスマスクがぼんやり呟いた。αに抱かれて力が漲るようになるのは直ぐではないようだ。
「さあな、Ωの発情期に耐えられる分はあるから生産回転が相当速いのだろう」
「貯めてる部分がデカいわけじゃねぇもんな…女αなんて特に。そこは意味不明だわ」
「男Ωの妊娠構造も昔に本を読んだが意味不明だった」
「理解するもんじゃねぇんだよ…番がどうとか説明読んでも、実際なってみないとわからんのと同じだ」
「まさに神の悪戯、か」
「ほんとムカつく」
 その言葉にシュラは眉を寄せて微笑んだ。デスマスクの髪を撫でてから指先で頬を擽る。第二性なんか関係なく普通に、平凡に愛し合って終われるのならばそれがいい。αの力がΩを補って殺戮の原動力に変わってしまうとは思ってもいなかった。デスマスクは強い。しかしどうあがいても神にはなれない。このまま突き進む先に何がある?
「考えても仕方ねぇんだ、やるしかない。俺は、やる…」
 シュラの心を読んだかのような呟きが低く響き、妙に胸を打った。迷いは、断たれる。

 翌朝、シュラはデスマスクを見送ってから昨日の報告をするために教皇宮へ向かった。しかし教皇座に姿は無く私室へ案内されたため、何となく状況を理解したシュラは溜め息を吐いてから扉を開けた。
「蟹座は番になってから絶好調のようだな、調子に乗っている様がよくわかる」
 ソファーに腰掛けているサガの髪は半分黒く染まっていた。話し方からも邪悪な方が出ているのは一目瞭然だ。
「アレでも抱き心地は良いものなのか?Ωであるのだからナカの具合は最高だろうがな」
「そのような話をする気はない。次の準備があるので失礼する」
 あからさまに呆れた顔をして見せたシュラは簡潔に報告を済ませ踵を返した。それでも背中から笑いを含んだ声が漏れ聞こえる。
「クク…お前も恐ろしいΩを番にしてしまったものだ。みるみるうちに巨蟹宮が死面で埋められていく。元からおかしい奴ではあったがあれで精神面は正常なのか?異常であってほしいともう一人の私が願う程だぞ?任務外で殺りすぎると私もフォローし切れないからな、お前がコントロールしてやれよ」
 Ωなのだからセックス漬けにでもしてやれば落ち着くだろう、という馬鹿な言葉を遮るように力強く扉を閉めた。パラパラと石埃が床へ落ちていく。

 暗殺はデスマスクだけがしている仕事ではない。巨蟹宮の怪異によりデスマスクだけがその行いを表面化させ周知されているが、シュラもアフロディーテも行っていることだ。指示をするのはもちろん教皇。聖域内の問題のみならず外交も絡み、聖域に仕事を頼む者は世界各国に散らばっている。
「異常だと思うのならなぜデスマスクに暗殺任務を与えるのだ…!」
 血を流さない積尸気冥界波は都合が良いのだろう。一人であればひっそりと病死扱いにもできる。シュラの暗殺は殺人事件にしかならない。だからこそ、時にデスマスクは従順さを放棄して気に入らない依頼の時には周りを巻き込み、わざと事件性を露見させているのではないかと思う時があった。理解できる者はほとんどいないのだろうが、それが彼なりの正義でもあるのだろうと。それとも本当に、ただαとΩの殲滅を遂行しているだけなのだろうか。
 自分はどうしたいかと言えば、決まっている。聖域よりも世界よりも番としてデスマスクの味方でいる。より強くなりたいと願うそれを叶えてやりたい。そのために人類が滅亡しても…構わない。二人きりになった世界を神に見せつけてやれるのならば、それはさぞ気分が良いものとなるだろう。

 磨羯宮へ戻ったシュラは昼食を食べてから次の任務へ向かった。暗殺を伴わない仕事であったが、偶然βに暴行を加えているαの二人組を見掛けて首を落とした。助けられたβはシュラを見るなり感謝も述べず逃げ去っていく。転がる首を眺めて、何も感じるものなどなくその場を立ち去った。

ーつづくー

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2024
08,02
 満足するまで抱いてもらっているというのにスッキリするのは数時間程度で、直ぐにシュラが恋しくなってしまう。発情期のピークが過ぎるまで二人は裸に上着やバスタオルを羽織るだけで生活した。さすがに居間で抱き合ったのはあの時だけで、それ以降はどちらかのベッドまで行くように努力している。
 6月24日、デスマスクが22歳を迎える朝。朝食を食べてからシュラに抱いてもらうと、体の疼きが一気に引いていくのを感じた。長年の経験からわかる、発情期が終わっていくサインだ。
「前まではピーク後もダラダラ続いていたが、今回一気に終わるかも…」
 シュラの愛情を体内に受け入れながらデスマスクは呟いた。αの精にはΩの心を落ち着かせる作用も含まれているのだろうか。狂ったように熱くなる体は精を与えられる度に癒されていき、やがて満たされる。好きで抱かれたい気持ちと、助けてほしくて精を求める気持ちが入り混じる。
「番を得た事で発情期の期間が短くなるのならそれに越した事はない。聖域でも暮らし易くなるだろう」
 キスをして、シュラがデスマスクの体から抜けようとした時、引き留めるように腕を掴んだ。
「なぁっ…発情期以外でも、普通に抱いて欲しいんだけど…」
 その訴えにシュラは顔をしかめる。何を言ってるんだ当たり前だろう、と思ってもデスマスクにはまだβだったシュラのイメージしかない。αになって数日しか経っていないのだ。
「これからはお前が抱かれたい時に言えばいいし、俺が抱きたい時もそうする。発情期だから抱いてやってるのではない。βのように拒否もしない。抱きたいから抱いているんだ、もう心配しなくていい」
 そう告げてデスマスクを抱き締め直し、心音が穏やかになるのを待つ。やがて「大丈夫」の合図にデスマスクがシュラの肩を押すと、ゆっくり体内から抜けて隣に寝転がった。銀髪を撫でれば幸せそうに目を細める。
「今日こそ調子が良ければ何か食べに行かないか?この前の続きでイタリアでも良いが」
「それは誕生日関係ある感じ?」
「ある」と即答するシュラの提案に、デスマスクは軽く微笑みながら「行きたい」と頷いた。

 初めて二人で誕生日を誕生日として過ごした。昼から少し贅沢なコース料理を食べて、デザートにティラミスを食べて、広場のベンチでぼんやりしてから海岸線を散歩する。聖闘士である事とか報われない不満だとかを忘れて、たまに街中で見掛ける幸せそうなαとΩの番として過ごせた気がした。
「お前の銀髪は目立つからかよく見られていたな」
「別に今更だし。でも多分俺よりお前の方を見てたんじゃねぇの?俺はそう感じた」
 丘の広場で夜景を眺めながら交わした言葉に「これって嫉妬か?」と二人で笑う。
「対抗心なんか残ってるもんなのか?こんなに好き合ってんのによぉ」
「ククッ…それとこれとは別なんだろう。俺の方が強いしな」
 サラッと言うシュラの言葉を聞き逃さなかった。
「αに昇格したからって自惚れんな!俺様が最強Ωだ、わかってんだろ!」
「可愛いは最強かもな」
「ヘンタイ!」
 番になって初めてシュラに拳を振ったが、やはり呆気なく手の平で受け止められてしまう。それどころか軽く足を払われて崩れた体を抱き止められた。どうだ?と見下ろしてニヤける顔はどんなに好きな奴でも腹立つ時は腹が立つ。デスマスクは瞬間移動を使いシュラの腕の中から消え、背後に立った。そして人差し指を背中に突き立てる。
「十二宮とかハンデ無ければ俺が最強なんだよ、巨蟹宮にある実績見てんだろ?」
「そうだな。ハンデも発情期も克服できたらな」
 降参、と両手を挙げるポーズをしているのがまた腹立つ。きっとシュラの顔は嫌な笑顔をしている。どうせΩはどれだけ足掻いても好いたαには敵わないのだ。体が、心が素直になってしまう。
 動きを止めたデスマスクが気になったシュラは振り向いて、何かを考え込んでしまっている姿を抱いた。
「…言い過ぎたか、すまない。番になったからには俺とお前は対立すべきではないだろう。これからは二人で一人の気持ちを持つ必要がある。お前の発情期は俺も背負う」
「やっぱ俺ってもう、一人で強くなるのは無理なんだな…」
「男と女は元々一つだったという考えがあるだろ?αとΩも同じだ。お前は俺を得て、欠けていたものを取り戻したと考える方が正しいと思うが。俺と共に、というのは抵抗あるか?」
 反射的に首を振った。シュラとの番関係はデスマスクが渇望したものであるから抵抗はない。それでも自分が持つ男の性が強さを求めてしまう。かつて黄金聖衣を勝ち取っても満たされなかった。上には上がいる。ここ数年はシュラと番になれれば他は何もいらないというくらい想っていたのに、手に入ったら別の欲望が湧き出てしまう。
「いつまでも枯れず向上心を持ち続けるのは良い事だと思うぞ。だからこそ黄金に相応しい。無理とか考えずαを超えようとする野心は持ち続ければ良い。お前は極上のΩなんだ、他の黄金αのフェロモンももう効かない。最強を諦める必要も無いと思う」
 シュラの言葉に無言で頷いた。番となった二人の力はきっと神に匹敵するはず。しばらく抱かれてから顔を上げたデスマスクは呟いた。
「クク…そうだな、今日という日に生まれ変わってやるぜ。俺たちは始まりであり終わりとなる」
「お前が望むように生きろ。αのくせに言うのもアレだが、俺はお前に従う」
 どちらからともなく顔を寄せてキスを交わした。シュラには…αには敵わないというのはもはや幻想で、自分はこうして手に入れたのだ。シュラと交わりαの力を注がれて番となった。それは愛だけではなく、もっと自分を、Ωを生まれ変わらせたはずだ。自分はのんびり暮らしていけるΩではない。選ばれし黄金聖闘士のΩであり、黄金のαと番った未知なる者。聖域を、世界を変える事もできるかもしれない。
「ふ、流石だな。頼もしい…」
 デスマスクから異様なコスモの高まりを感じたシュラは一言呟いて、もう一度頬にキスをした。

 誕生日から二日後の朝。二人は長年デスマスクの発情期を支えひっそりと過ごしてきた隠れ家の前に立ち眺めていた。
「なぁ…使いたい時にここ来ても良いんじゃねぇの?」
 シュラとの思い出が詰まる場所を手放すのが惜しくてデスマスクは訴えるが、シュラは最後まで首を縦に振らなかった。
「ケジメは必要だろう。ここは"教皇"の計らいで仕立て上げた場所だ。家が欲しいのならば金の首輪を捨てたように俺たちで新たに探すべきだな」
「それはわかるけどよぉ…」
 新しい家を手に入れてもそこに二人の思い出は無い。過去も手放したくないとするデスマスクの考えはシュラには理解し難かった。
「お前はβの俺に未練があるのか」
 シュラに見つめられ、視線の鋭さに一瞬息が止まる。違う、そういうわけではないのだが…。
「αになって数日だ。この家に残る思い出なんかβの俺しか居ない。どれだけお前に求められ、縋られても、応えることができなかった。苦しむお前を前に何もしてやれなかった。一線を超える度胸すら無かった。そんな俺しか居ない思い出を手放したくないというのは理解できないな」
「そんな事ばかりじゃ…」
「βだったからとは言え、俺はお前に酷いことばかりしてきたという事がαになってやっと解ってきたんだ。もっとお前の要求に応えてやるくらいできたはずなのに。大切にしてやりたいというのは言い訳でしかなかった。お前は俺のそういうところに惚れたのかもしれないが、同時に不満もあったからこそα性を求めたのだろう?それとも、今でもβに会いたいとか考えるのか?」
 デスマスクの首を横切る黒い首輪にシュラは人差し指を差し入れ、前から後ろへと撫でていく。返答によってはせっかく買ってくれた新しい首輪を斬ってしまいそうでデスマスクは焦った。首輪に手を当てて「βに会いたいんじゃない、やめてほしい」の意味で首を横に何度も振る。するりと指が抜かれると、その手はデスマスクを抱き寄せた。
「…すまない、意地悪をしたいわけではないのだが…多分、これがαなんだ。しばらくこういう事が続くかもしれない…」
「大丈夫、俺はお前が好きだから」
 デスマスクもシュラに腕を回して抱き返す。シュラも成人後にβからαへ変異した未知なる者なのだ。自分が理解してやらずに誰がシュラを理解できるというのか。
「悪いな!生まれ変わるってこの前宣言したんだしな。ここもスッパリ諦めるぜ!」
 気持ちを切り替え、そう笑うデスマスクにシュラも微笑み返した。結局αになってもデスマスクには無理をさせてばかりだなと感じたシュラは早く自身が完全なるαになれるよう気持ちを引き締め、デスマスクに手を引かれて聖域へテレポートした。

ーーー

 二人は並んで十二宮の階段を上っていく。巨蟹宮、磨羯宮へと続く道ですれ違う者たちが注目したのは、デスマスクではなくシュラの方だった。誰もがシュラを目にするなり萎縮し、通り過ぎるまで道の端で固まっている。そんなあからさまな態度の変化にデスマスクは噴き出した。
「お前のαオーラそんなヤべェのかよ?まぁ〜たアソコで二人縮んでやがる!」
「フン、あいつらもαだろうに情けない」
 笑いながら磨羯宮まで来ると二人とも黄金聖衣を装着して更に上を目指した。怖れなど無い。二人は教皇宮を目指して上り続けた。
「余裕そうで何よりだ」
 双魚宮へ入るなり薔薇が二輪足元に撃ち込まれ、足を止めた二人の前にアフロディーテが姿を現す。
「遂に番か…おかげで匂いは綺麗さっぱり感じなくなったな。薔薇の純粋な香りが楽しめて私も嬉しいぞ」
 デスマスクが答えようと少し踏み込むと、それを遮るようにシュラが前に出た。
「お前のおかげで誰も欠けること無くこいつの願いを叶えてやる事ができた。力になってくれたこと、感謝する」
「ふっ…だって、デスマスクは昔から君しか見てないのだもの。私が割り込む余地なんて最初から無かったさ」
 アフロディーテの言い草にデスマスクは声を上げようとするもシュラに被せられて止める。
「サガの様子は落ち着いているのか?」
「邪悪な方がやらかそうとした事に対して悔いているようだが、君たちの姿を見るとどうかな…負け惜しみくらい言いに出てくるかもね。でももうデスマスクに手出しをしても無駄だし、行けば良いのではないかな?」
「聖域へ戻るために話をつけておく必要はあるからな、行くことに迷いは無い」
「新婚報告だしね、君でさえ浮かれるのはわかるよ」
「茶化さないでくれ」
 デスマスクは二人が交互に話す様を眺めて自分も入り込むタイミングを伺っていたが、どうもシュラに阻まれる。何度かアフロディーテと視線は合ったがニヤりと笑われるだけだった。やっと番を得たのだから、また…
「昔のように私と…というわけにはいかなさそうだぞ?デスマスクよ」
 遂にアフロディーテがデスマスクの方へ言葉を掛けたが、途端に空気が張り詰めるのを感じる。
「…ほら、私に対してでさえこの緊張感だよ。感謝しているのか威嚇しているのかわからないよね。αの力がまだコントロールできていないのかな?」
 そう告げながらアフロディーテが一歩づつ下がっていく。シュラはその様子をじっと見つめてからデスマスクの手を取り側に引き寄せた。
「シュラ、お前…」
「…コントロールできていないのは認める。デスマスクに対してもそれは同じなのだ。もうしばらく二人には面倒をかけるかもしれないが、今に克服してみせる」
 張り詰めていた空気が次第に緩んでいくのを感じたアフロディーテは「君ならすぐに実現してくれるだろう」と笑い、二人を見送った。

「βからの変異とは言えαの力が弱いわけではない。純粋に聖戦への戦力となれば良いが…」
 デスマスクへの執着と愛の深さに自滅しかねない危うさもある。そうなれば聖域は二人の黄金を失ってしまう。
「せっかく結ばれたのだ、二人が思うように生きることを応援すべきかな」
 上へ向かう背中を眺めながら薔薇を一輪、宙へ放った。

ーつづくー

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2024
07,29
でっら眠いのですがどうしても祭りネタが描きたく、描いたっ!!



そりゃあ漫画がいいけど、とりあえず落書きで消化!(゚Д゚)
昨年も祭り行って祭りネタできたからトルネードポテトとかの山羊蟹描きたかったのですが、原稿真っ只中で断念。で、今年も全然余裕は無いけどやっぱ祭り行くと描きたくなるのですよ!山羊蟹を!(笑)
「夏の山羊蟹」本はいつか出したい(こういうことばかり言ってる)

前にも語ったのですが、うちのシュラは浴衣とか基本的に着ません。動き難いとかで嫌がりそう(笑)それをデスマスクも知っていて「着て欲しい」とか言わないのだけど、言えば言ったで着てくれるっていう(・ゝ・)温泉旅館とか。
まぁ、うちのシュラは武士ではなく騎士イメージでやっているので…洋風です。
デスマスクは中国や日本に造詣が深いということでキモノやマツリも好きかなぁと。そこでまた2人の趣味が違うわけです。
お互いの好みは合わないけど、でも合わせてくれる。違うけど、居心地が悪いわけではない。そんな絶妙な感じ。

ネタとしては逆にシュラが日本マニアでデスマスクが弟子をとる際に日本語をシュラから教わる→教えているうちにシュラとデスマスクが両片思いになる→すれ違いのすえハピエン…という話もストックにはあります(笑)
妄想できるだけ妄想したいのですよ…山羊蟹のね…(・ゝ・(゚∀゚)

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2024
07,26
仁くん人形のポーズ聖剣やんか!(゚Д゚)
ということで、6/30のブログタイトルを回収する絵がやっと描けました(X参照)
パソコンが病人隔離部屋に置いてあったため、久々に絵を描いた気分です。
やはり文字より描きたいですね〜!何かスッキリ。でもまだ描きたいものが山ほどある(゚∀゚`)
とりあえず、シュラの番と化した黒革首輪デスマスクも。



前髪もあるし誰おま感強めになってしまった…。
抱いてもらって眠ってスッキリしている朝。
「メシにする?オレにする?」を朝っぱらからやっている。
ちょっと苦しいけど、結局首輪はずっと着けたまま。

今月もう1回くらいオメガバ話更新したいけどギリ8月になるかな?
あっという間に星祭りの準備期間になってしまう(笑)
あと少しがなかなか進まないですねぇ(゚∀゚`)

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2024
07,24
 夜遅くまで抱き合い続けた二人は食事を摂るためシャワーを浴びたが、結局何も食べずデスマスクの部屋で共に眠ることにした。シュラがベッドへ先に行くとデスマスクは冷蔵庫の前でパチパチ音を立てながら水を飲んでいる。
「…抑制剤、飲むのか?」
 発情期の症状は抑えられているはずと不思議に思ったが、問い掛けに「あ、うん…」と言葉に詰まってから何かを飲み終えたデスマスクはベッドまで来てシュラの隣に並んだ。仰向けになったまま、ポツリと呟く。
「まぁ…避妊薬だ。相手がお前でも妊娠だけは勘弁だからな」
 βの頃のシュラはデスマスクの妊娠に関して敏感だったが、そんなことすっかり抜け落ちて行為に没頭してしまった。フェロモンのせいと言えばそうでもあるが、Ωに与えるのが当たり前のようにデスマスクを抱き、愛するΩに与えられる悦びを自身も感じて歯止めが利くことなど何もなかった。αに支配されたシュラはβの頃に懸念していた理由すら霞が掛かって、そう思った事もあったなとぼんやり思い返す。
「お前さ…まだ、自分が避妊薬飲むとか思えるか?」
「……」
「いや、俺が飲むからお前は飲まなくて良いんだけどよ…」
「負担ばかりかけてしまうな」
「それがΩだから仕方ねぇよ。お前の元気な愛情貰える方が嬉しいから気にすんな」
 笑顔を見せたデスマスクはシュラに抱き寄せられ、二人はそのまま眠りに落ちた。

 明け方、まだ薄暗い中で目覚めたデスマスクは隣で眠るシュラを見た後、自身の首筋に手を這わせ噛み痕も確認した。夢や幻ではない。シュラの匂いもわかる。目の前の黒髪をそっと撫でて、頬にも触れてみた。
 (かっこいいし…)
 改めて間近で見てみると整った顔が格好良く見える。この長くて豊富な黒い睫毛が切長な目を縁取るおかげで目力が増し、顔がぼやけずハッキリするのだろう。自分だって負けないくらいの顔立ちをしていると思うが、白銀の毛はどんなに豊富でも肌に溶け込みぼんやりしてしまう。裸になってもどこか幼く見えてしまうのはΩ故の男性退化のせいだけではない。別にむさ苦しく毛むくじゃらになりたいわけではないが。
 聖域にいる黄金や白銀聖闘士には派手な顔立ちの者が多いため、口数も少なくβであった黒髪のシュラはイメージだけで地味であると思われ印象に残りにくい。特別背が高いわけではない。ムキムキにデカいわけでもない。一般人と比べれば格別だが聖闘士の中では平凡な方だ。自分だってシュラが同じ歳の黄金同士でなければ全く眼中に無かった気がする。デスマスクがシュラに惚れたのは顔ではなかった。どちらかと言えば面食いで恋人は見た目も良いに越したことはないと思っていたが、デスマスクはシュラが自分の事を知ったうえで大切にしようとしてくれた姿勢に惚れた。裏切られるのは嫌いだ。本性を知って手のひらを返されるのも鬱陶しい。だから広く浅い付き合いしかしないし、自分に対して深入りしてこようものなら拒否もする。ずっとそうしてきたというのに、シュラにはもっと自分を知ってほしいと思ってしまった。裏切られても縋りたいくらいに。もう嫌いになんかなれそうもない。シュラ以外を好きになるなど考えられない。
 (お前も、それくらい好きになってくれた…?)
 触れた頬に軽くキスをして、もう一度黒髪を撫でた。そのままデスマスクが再び瞼を閉じた時、シュラが動いてデスマスクの首筋を撫でる。
「んっ…」
 噛み痕に触れられて思わず声が漏れてしまう。
「痛むか?」
 寝起きの少し掠れた声が心配そうに響いた。瞼を上げれば、ぼんやりした黒い瞳がデスマスクを見つめている。万全ではない顔が既にカッコいい。
「痛くねぇけど…なんか、性感帯になった…みたいな?」
「あぁ…」
 理解したのかしていないのか、気の無い返事を返しながらまた撫でてくるので、再熱しそうな体をギュッと硬くしてシュラの胸に擦り寄った。そうすると首筋を撫でていた手はするする背中にまわり今度はデスマスクを抱き寄せる。
「すまん、あれだけ抱いて足りないわけではないのだが…触れたくて」
「いっ…いいって。好きにしろ」
 まだ眠そうな声の通り、シュラはデスマスクを純粋に抱き締めて瞼を閉じた。しかし眠るわけではないらしい。
「昨夜はフェロモンもあってお前のこと以外考える余裕など無かったが、サガがここまで殴り込みに来る事もなく二人きりで過ごせて本当に良かった。アフロディーテのおかげだな」
「あぁ…サガも本気出せばここくらい探し当てられただろうにな。また途中で素に戻ったか」
「クク…都合の良い二重人格だ。強いのか弱いのかわからん」
「両方なんだろう。確実に強いし、でも弱いんだよ。サガに限った事じゃねぇ。俺らだってそういうもんだ。絶望に突き落とされる弱さがあってこそ、そこから這い上がる強さが際立つんだよ。昨日の事のようにな」
 デスマスクもシュラの背中に手を回し、誘惑を仕掛けてこない自然なαの香りを吸い込んだ。シュラが覚醒してくれたから今がある。
「ふ…強さ、か。昨日の俺がか?」
「正直あまり覚えてねぇけど、サガに向かってた意識を無理矢理引き千切ったコスモ?フェロモン?あれ何だったんだろうな。あの一瞬は何か凄かったぞ。まぁ俺様をぶん投げたよな、お前」
「あぁ…自分が喰われるような感覚だった。投げてすまない」
 ぶつけた箇所など覚えていないので頭からお尻までをさする。それだけでも発情期が明けていないデスマスクの体は疼き、身を捩る。
「別にっ…良いけどさ、そう言えば金の首輪も置いてきたままだ」
「まだ必要なのか?」
「…もう要らねぇけど…お前、首輪着けてるの好きそうだったろ」
「そんなつもりは無いがまぁ…欲しければ、買えばいい。今度は俺が買ってやる」
「お前が?」
「…番、なのだから。他のαの贈り物より俺のが良いだろう?」
 少し照れ臭そうに言う言葉が嬉しかった。噛み痕を隠す必要も無いし首輪にこだわりはないが、大好きなパートナーが買ってくれるのなら絶対に着ける。金じゃなくていい。細い革紐でいい。シュラが買ってくれるなら何でもいい。
「…うん、そうだな…そうだわ。お前の番だしお前が買え」
 嬉しさを出し過ぎないよう、少し素っ気なく返した。
「…生きて、番になれた…」
 不意に、シュラが低い声で呟く。
「絶対に離さない、もう誰にも渡さない。邪魔をする奴は全て殺してやる…」
 ぼんやりした黒い瞳に見つめられる。寝起きの目と変わらないはずなのに、何かが少し違う。現実と夢の境界も曖昧に歪んで全て闇に引き摺り込まれそうに感じる。番になったからだろうか?それに恐怖など感じる事はなく、身を委ねてしまいたくなる。
「へへ…お前の好きにしていいぜ…」
 キスを交わして、触れ合って、微睡むうちに外は明るくなり夜は明けた。

 二人はサガが探しに来ないのならデスマスクの発情期が終わるまで隠れ家で過ごす事に決めた。番になったのだから聖域に戻ってもフェロモンの影響はもう無いはずだが、初めての事なのでデスマスクの様子を見るためにも残る事にした。…表向きはそうであるが、心では共に二人だけの時間を少しでも長く持ちたい気持ちが強かった。
「動けるのならば買い物にでも出掛けるか?」
 朝食の後デスマスクがソファーで横になっていると片付けを終えたシュラが声を掛ける。
「ここから二人で出掛けた事は一度も無かったな」
 そんな当たり前の言葉を聞いてデスマスクは眉を寄せた。
「…それをすればここが何処なのかバレるんじゃねぇの」
「どうせここで過ごすのも今回が最後だろう。そして二度と戻る事もない。既にある程度察しがついているのではないのか?」
「本気出せばわかるが遠慮してんだよ。謎なら謎のままなのも良いじゃんって。そういう思い出。お前とのさ」
 そうデスマスクが答えてもシュラは考えるように立ち尽くしている。急にどうしたのか。
「何だよ、ネタバレしたいのなら言えばいいけど」
「いや…別にそれはどうでも良いのだが」
「いいんかい!なら何が不満なのだ?」
 シュラはソファーの前で屈み、デスマスクの首筋に触れた。当たり前のようにデスマスクの体は小さく跳ねてしまう。
「っ…お前、ホントそこ好きだなぁっ…」
「明後日、お前の誕生日だから買いに行きたいと思って」
 細い目を緩ませ満足そうな顔をして、噛み痕を何度も親指でさする。
「…首輪のこと?なら、その明後日で良くないか」
「何が起こるかわからないだろ。サガが来ないと決まったわけでもない。行ける時に行っておきたい」
「ん〜…この近くに良い店でもあるのか?」
「それは知らない」
 行きたい、買ってやりたいと思うのならそれくらい調べろよ!と思ったが、間違いなくシュラも舞い上がっているのだ。冷静そうに見えても長い付き合いだからそれくらいわかる。突然αになって番になって、色々とバグっている。
「だったらイタリアに行きつけのΩ専門店あるからそこでもいいだろ?ここのネタバレにもならねぇし、番ならαも一緒に入店できるし」
 何の不満も無い顔を見せたシュラは軽く頷き、すぐに立ち上がった。

 支度を整えた二人は隠れ家の玄関からデスマスクのテレポートによりイタリアまで旅立ち、そこで初めてシュラはデスマスクに誕生日プレゼントを購入した。シュラにいくつか選ばせた中からデスマスクが決めたのは細めで柔らかい黒革のベルト。噛み痕を隠す効果などもちろん無く、この首輪はパートナーから贈られた自分を彩る装飾品となる。
「聖衣の時はもう着けねぇし、こうして出掛ける時用だなぁ」
 店内でシュラに装着してもらったデスマスクは新しい首輪を撫でながら鏡で確認した。後ろに映り込むシュラの顔はとても満足気で、ずっと顔が緩んでいる。次第に恥ずかしくなったデスマスクはシュラの手を引いて店を出た。外へ出るなりシュラは顔を寄せてデスマスクの耳に軽くキスをする。人前だというのに何かのスイッチが入ってしまったようだ。βの時からは考えられないことをどんどんしてくる。
「そ、そんなに似合ってるか?コレ」
「とても」
 短い答えが耳元で低く響いていつまでもこだましているようだ。抱き寄せられて歩いていると触れ合う腕が熱く感じてくる。シュラの香りが近くて濃い。番ができて癒してもらえたために症状は軽くなっているが、デスマスクはまだ発情期の真っ只中である。せっかく二人で外出してイタリアまで来たのだから、もっとお勧めの店をシュラと周ろうと考えていたのだが…
「悪い…ついでに昼飯もこの辺でって思ってたけどさ…」
 ポツリと呟かれた言葉に立ち止まったシュラは、デスマスクの首輪を撫でながら顎に手を添え、顔を上げさせた。目元が緩んで赤みを帯びている。爽やかな香りがシュラを包み、増していく。
「やっぱ…夜だけじゃ、足りねぇ…みたい…」
 上げさせられた顔は求めるようにシュラを見つめ続け、伸びた手がシャツを握って急かすように軽く引いた。
「直ぐテレポ、するから、抱いて…」
 デスマスクの言葉が終わる前にシュラは人気の無い路地裏へ連れ込み、二人は瞬く間に隠れ家へと舞い戻った。

 シュラの部屋なら1階にあるというのに、そこまで持たなかった二人は玄関から最も近い居間のソファーへ沈み込んだ。自ら脱いで下半身を晒したデスマスクは、我慢できないからと前戯を求めずシュラを迎え入れた。
「はっ…ぁ…ごめ…おれ、こんな、おめがで…っ…」
「謝るな、何も悪くないっ、お前は俺を、欲しがっていればいいっ」
「ぅんっ…もっと、してぇっ…!しゅら、しゅらぁっ…」
 買ったばかりの黒い首輪が赤らんだ肌に張り付く。少し苦しそうで首元に手を持っていこうとするのをシュラは引き剥がし、苦しさなんか感じさせないくらい存分に快感を与え続けた。この黒い首輪姿をしばらく見ていたい。自分のものとなったデスマスクに熱く求められるだけでシュラの熱は冷める気がしない。
「ピークはいつも三日くらい、だったな…明後日の誕生日まで、好きなだけ、してやるから」
 潰れるくらいに抱き締めてキスをすれば従順に応えてくれる。揺れるデスマスクの脚がバランスを失ってソファーから床に落ちても、昼食を食べ損ねた二人は夕方までバテることなく愛し合った。

ーつづくー

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2024
07,19
何かあると作業できなくなるリスクを見越してアンソロ原稿の提出がかなり早かったのですが、嬉しくない事に見事、家族がコロナになるわ、発熱して発疹出るわ(手足口病ではなかった)、手術決まって片道車で1時間以上の総合病院へ通院だわのトリプルパンチと言うかサンドバッグと言うか(笑)もう自分だけ無傷なのでリポDやら飲んだりのドーピングで乗り越えました(゚∀゚)b
今年と来年、運勢悪いんだなぁ。マニ誕関係も少し早めに仕上がっていたから良かった。

体質的に副作用リスクのが高くてコロナの予防接種打ったこと無いから、絶対にかからんぞ!という自己暗示を掛けてやり過ごしています(笑)でもいい加減、ヤバいかもしれない。
皆さまも夏の疫病にはお気をつけて。と言うても、どうしようもないけど(゚∀゚`)

DDSATが発売から20周年を迎え、ジェナのイラスト描きたいが厳し過ぎる(゚∀゚`)ゲームキャラでトップクラスに好きなので。年内に描けたらいいなぁ。
ゲイル→シュラ、ジェナ→デスのコス絵も誰得ですがそのうち。

さてバタバタはまだ続くものの今日からオメガバ話の続きを始める(・ゝ・)キリッ
但し明日から夏休みなので夜の数時間しか時間が取れなくなるっていう(゚∀゚`)でも今月1回だけでも続きを更新しておきたい!(゚皿゚´)

寝る前も山羊蟹妄想する余地無く爆睡、のわりに3時位に目が覚めるという。でもまた妄想する余地無く爆睡(笑)1週間くらい誰もいない場所でダラっと創作したいですわ〜。

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2024
07,15
マニ誕モノは昨日pixivに投稿しておきました(゚∀゚)ノ
で、他に何か無いかとネタ帳のエルマニ文をあさり、既に書いた記憶の無い話が会話だけだったので色々と肉付けしてみました。ちょっと意味わかりにくい気もしますが、記念に。

最初は落書きでも追加で描こうかと思ったのですが、シュラデスと同じUSJネタか指輪物語のエルロンド卿ならぬエルシド卿…とか考え始めたら頭の中がエルシド卿で一杯になってしまったので断念(笑)
まぁ、機会があれば…裂け谷のエルフ王・エルシド卿(・ゝ・)

以下エルマニ文は毎度捏造の「教皇が教皇離れさせるためにエルシドにマニゴルドを引き取って欲しいと頼んだ」前提設定です。お見合いとか許嫁みたいなもの。
この設定も自分の中では「死ぬまでには成就しない(復活後に惹かれ合う)」と「タナトス戦直前に好意は確認できている」のパターンに分かれています。
今回は死ぬ前にそこそこ関係が進んでいるバージョンです。
ではどうぞー(゚∀゚)

ーーー

キスなどした事がない。したいと思った事もない。今、自分でも理解できない衝動のままマニゴルドの頬に触れている。
「……」
「……」
頬に触れて、様子を伺い静かなマニゴルドとしばらく見つめ合うと、何をするでもなく手を離した。離した途端、マニゴルドの顔が不満気に歪む。
「なんだぁ?お前いつも何なんだよ急に触るだけ触って」
「……すまない」
「何に謝ってんだよ、そういう訳わかんねぇのオレ嫌だから」
言葉を待つマニゴルドからそっと視線を外し、エルシドはその場から立ち去った。
「……ったく…全然先に進みゃしねぇ……」

〜双魚宮〜
「ハハッ、エルシドらしいな。そのまま目に浮かぶ」

エルシドとマニゴルドの仲についてはアルバフィカもよく知っていた。アルバフィカにも教皇から「マニゴルドと共に歩んでくれないか?」という話はあったのだ。しかし自身の体質や、恋愛対象としては見れそうも無いと早々に断っている。ユズリハにも勿論断られた教皇は可愛い弟子のため手堅くハスガードかエルシドに頼む事にした。悩んだ末に歳の近いエルシドに頼んでみたところ、エルシドはそれを勅命と受け止めてしまったのか断らなかったらしい。

「しかし意外なのはお前の方だ、もっとこうしろ!と捲し立てず、しおらしくエルシドのペースに合わせているとは」
「別にそんなつもりはねぇ!あいつがどうしたいかわかんねぇから…」
「お前はどうされたかったのだ?引き留めてエル様キスして欲しい〜とでも言ってみろ」
「んなっ…俺から言えるか!」
「おや、そういうキャラでは無かったか。うぶだな」
「うるせぇ!お前にはアルバちゃんキスしてぇ〜って言えてもだな、エルシドだぞ?!冗談通じないだろ!」
「冗談ではないからいいではないか」
「じょっ…!」
勢い付いていた言葉が喉に詰まりマニゴルドの顔が真っ赤になっていく。
「まぁまぁ…私はな、真面目にエルシドに向き合っているのが嬉しいのだ。若干面白いが」
マニゴルドというのは歳上であるはずなのに、どこか子どもっぽいせいか揶揄いがいがあると言うか何かこう、面白い。
「お前、自分からするのではなくエルシドの方からされたいのだろう?」
「!!」
窒息するのではないかというくらい顔が赤くなってからだんだん紫に変色していく。…本当に窒息するかもしれない。
「エルシドが誰かにキスをするなんて前代未聞だろう。された者の優越感は半端ないだろうな…」
「しょっ…ゴホッ!それ以上何も言うなぁ!言うんじゃねぇ!!」
「想像してしまうか?」
「だから言うなぁ!殺すぞ!!」
「……」
想像しただけでここまで取り乱すとは、文句を言う割に本当にエルシドにキスされた時には心肺停止してしまいそうで心配になってくる。

――その時、不意に2人がいる居間の扉が開かれ、背の高い影が現れた。

「へっ…?」
「おや…エルシドとは珍しい。何か用だろうか?」
アルバフィカが声を掛けるとエルシドはマニゴルドを見る。マニゴルドは目が合った瞬間に逸らしてしまった。
「…マニゴルドに用があって来た。連れて行っても良いか?」
「私は構わないが」
目を逸らしたままのマニゴルドからは同意を得ず、エルシドがグッと腕を掴んで引くとフラつきながらもマニゴルドは大人しく引き摺られて出て行った。部屋を出る間際、アルバフィカに戸惑う表情を向けたが何の助けも出してやれなかった。
「…強引さはあるのだけどな…マニゴルドも嫌ではないだろうし」

2人が双魚宮を出た頃、やっとマニゴルドは威勢を取り戻してエルシドに噛み付いた。
「用って何だよ、どこまで行くんだよ」
「どこでも良いのだが、磨羯宮まで来い」
「何しに」
「……もう一度」
「ん?」
「もう一度、やり直したい」
「……何を?」

何をするのか答えてもらえないまま磨羯宮に到着した2人は殺風景なエルシドの私室へ入った。
「……なぁ、何を…すんだよ…」
部屋の扉が閉まって、静かになっただけで急に胸が高鳴ってしまう。わからない素振りをしても何となくエルシドがやろうとしている事が伝わってきて、どうしよう?また不発に終わるのか?終わってほしい?進んで欲しい?わからない、恥ずかしい、早く何かしてくれ!
「っ?!」
エルシドの大きくて傷だらけの手がマニゴルドの頬に触れる。何度目だろう、こうして触れられるのは。
「…もう、謝らない」
エルシドの鋭い瞳がマニゴルドを貫く。逃げられない。心臓に聖剣を突き立てられたかのよう。
「お前が俺を変えた、こんな感情の揺れ…俺には必要の無いものであったというのに」

「必要など…無いと思っていた。この激情を知ってしまったからには、乗り越えねば道は開けない」
「なに…すんの…」
やっと絞り出した声に、エルシドは殺気を解いて微笑んで見せた。ほんの少し目元が緩んだだけだろうに、それだけでも自分への好意が強く伝わってくる。自分自身がそれを望んでいるから、そう感じるのだろうか。
頬を包む親指が唇をなぞって一瞬。
急に寄せられたエルシドの顔。唇が軽く触れ合って、多分、初めてだからエルシドも距離感がわからなくて、本当に一瞬の事で、何が起きたんだろう?キス、した?
「……した?」
心の声が思わず出てしまった俺を見て、エルシドははにかみながら「した」と答えた。
「?…マニゴルド?!」
不意にエルシドの手からマニゴルドの頬がすり抜けて、床にぺたんと座り込んでしまった。エルシドも屈み込んでマニゴルドの肩を抱く。
「まだ…嫌だったか?」
その問い掛けに首を振った。軽い、ほんの触れるだけのキスだったというのに問題はそこではなくて、エルシドにそうさせた高揚感が沸いてきて顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。エルシドはそんなマニゴルドの頬に再びキスをした。
「へ?ぇえっ?!」
「…そう、いちいち驚かないでくれ。俺もこんな感情…愛おしさを抱くのは初めてなんだ」
触れたい、ぎゅってしたい、可愛い、手放したくない。マニゴルドに愛おしさを感じるのは教皇も同じであろうに、それでも自ら手放し自立を望むのは愛おしさの質が違うのだろう。知ってしまった自分はもうマニゴルドを手放すなんて考えられない。幸せになって欲しいと願うよりも、自分の手で幸せにしてやりたい。
「教皇の願いを叶えてやるふりでも良い、お前が俺を心から受け入れられるようこれからも努力する」
「…何で、そんな真面目なんだよぉ…」
始まりは恋ではなかった。お互いに興味も無かった。進展なんか見込めない2人だったのに、エルシドは真面目にマニゴルドと向き合おうとした。話し合って教皇の提案など解消するつもりだったのに、惹かれてしまった。
「俺なんかに本気になって、馬鹿かよ」
「俺を本気にさせたのはお前の魅力だ」
いつ死ぬともわからない2人の関係はどこまで辿り着けるのだろう?今すぐ素直になればそんな不安も無くなるだろうに、できるくらいならとっくにしている。わかっていても限界はある。だから人は後悔するのだ。
「やっと、ここまでこれた。それだけでも俺は嬉しい。愛おしさを知るのは悪い事ではないな。守るために生きる糧となる」

エルシドの言葉を聞いたマニゴルドは自ら少しだけ体を寄せた。
それに気付いたエルシドは微笑んで、もう一度頬にキスをした。

ーおわりー

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2024
07,08
聖衣のホワイトだけで午前が終了(笑)
聖衣はやはり時間かかるね(゚∀゚`)でもエルマニ絵は完成しました。多分。
ついでに昨年描いてて、漫画と関係無い扉絵になったからどうしようと言っていた絵もトーン付けておきました。



何も考えずに描いただけあって、今見ても状況がわからん。
ので、今から絞り出します(・ゝ・)φ

2人は宿屋にいる。与えられた仕事が終わり、一晩泊まって帰るだけ。
何となく関係は出来上がっているが、マニゴルドはまだエルシドに素直になれていない。体の関係もまだ無い。エルシドが自分にどこまで本気なのかも読めていない。

なぜか明らかに元気の無いマニゴルドに何かできないか?と考えたエルシドはスキンシップを取ってみようと頑張ってみた結果、無駄に色気だけが出てしまい、別に手を出すつもりは無かったけれどマニゴルドに勘違いされてしまう。
しかしエルシドは訂正することも無く、まぁそれでも良いかと続行している状況…。

マニゴルドは元気が無かったわけではなく、エルシドと1泊する事にとてつもなく緊張していた(゚∀゚`)何も無ければ良いと思う一方で、何かして欲しいという期待もあって気持ち悪くなるレベルで緊張していた。

実際にエルシドがマニゴルドを抱くまではしないけど、好きじゃないと出来ないだろうなという愛し方まではしてくれる。それでもマニゴルドは教皇に「マニゴルドよろしく」言われているから優しくしてくれるだけとか疑っている。

デスマスクと同レベルの面倒くささである(マニゴルドが)

こんなところかなぁ?

さて、昨日は七夕でしたが、とても晴れた空だというのに自分の視力が落ちたのか星が全然見えなかったです(゚Д゚)何だ?田舎だからめちゃ見えるはずなのですが、全然見えなかったぞ!霞んでいたのか?何か不思議な空でございました。
もう少しマニ誕用のもの整理したらオメガバいこう(・ゝ・)φ

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2024
07,04
星祭り用の原稿は提出済みですが、急に思い立ってマニ誕も用意するかとエルマニ絵を1枚描いています(゚∀゚)φ

昨年、エルマニ漫画を描こうとしたら家庭内体調不良ループでエル誕に間に合わず筆を止めたわけですが、代わりのオメガバも全然終わらず(゚Д゚)今年のエル誕まで延期される見込みです。
で、同時に投稿しようと思っていたイベントペーパーのエルマニ+部下漫画を毎度星祭りの時だけ公開していたのですが(エルマニ養分を増やすため)いい加減レギュラー投稿しておこうと思いまして、イラストなら…と描いております。聖衣にしてしまったので、えらい時間がかかっている(笑)やっと人物のベタ終了!

というわけで、この絵が終わってからオメガバの続きにいきます。
マニ誕は新規絵1枚のみで他は再録。10枚くらいかな?そんなに無いか?
そんな感じで引き続きこもります(・ゝ・)φ
描きたいものが多すぎる!

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2024
06,30
わかってはいたけど6月も秒で終了(゚∀゚`)
蟹誕に全集中するため日常の予定を25日以降に詰めたのですが、おかげで体がバキバキに(笑)
グダりつつも星祭り10アンソロ企画のチマ絵を描いております。完成サイズがB7になるという事で、小さすぎてよくわからないと思います(笑)サイズの事もあって漫画はやめました。山羊蟹の当たり障り無い(と思う)イラストです。
基本的にはイベントアンソロをネップリしていただきたいのですが、内容が雑多になるため地雷持ちの方用に単品でも閲覧できるようにする予定でいます(・ゝ・)ノ
詳細は近くなったらまた!

星祭り10関係が終わったら再びオメガバ話の続きいきます(∩゚∀゚)
12宮戦まではラブラブのターン!(・ゝ・(゚∀゚`)
ひたすらダラダラ書きたいところですが、毎日の山羊蟹模様を書く勢いになって来年も完結しないとか自分なら有り得る話のため、頑張ってハイライトに収めたいところです。
今回オメガバ話を書いていて、一気に数ヶ月飛んで良いのかなとか何度も思いました(笑)でも飛ばないと終われない!
そういう欲求?を満たすべく、一度「山羊蟹の1ヶ月」とかで30日分の話を書くというのも有りですね。恋の始まりからゴールインを書くのは30日では無理ですが(笑)

…いや、逆に30日で成就してしまう話を考えればいいのか…?
ダラダラとラブラブ日常を30日分書くよりは良いのかどうか。昔の知人に、出会って1ヶ月でプロポーズして結婚した人いるから無謀ではないけど、シュラとデスマスクで一目惚れパターンは出会いが10歳以下だからなぁ。好きになっても恋の自覚は無さそう。
復活後、2人が再会した時にデスマスクのビジュアルが変わっていてシュラが急に意識し始めるとか?生前はアニメ青紫髪の単なるイケカワだったのに、復活後は原作銀髪になっていて口調も変だし「誰おま」なデスマスク。明らかに聖闘士の威厳も無くバカっぽいし、実際青銅とかにバカにされている彼が気になってしまう。でもデスマスクのシュラに対する態度は昔と変わらない。それがわざと自分の前では格好つけてるようで可愛く思えてしまう。もうお前のキャラ崩壊してるの知ってるんだぞって思いつつ、デスマスクの間抜けな所を自分の前で曝け出させたい欲求がシュラに芽生える。
案外、呆気なくバカさを見せるかと思っていたが、意外とデスマスクは頑なだった。デスマスクも同じ年のシュラにはバカにされたくないらしいし、正直シュラがそんな事を仕掛けてくるような奴だとは思っていなかった。デスマスクはわざと戯けていたのではなく、本気で自分がバカにされている事とか笑われているのが理解できていなかった。ただ、ありのままでいるだけなのに。
そんなデスマスクの繊細さを知ったシュラは自分がしようとしていた事の申し訳無さと同時にデスマスクを庇いたい気持ちがわいてくる。お前はそのままで良いから、笑う奴がいるなら俺がどうにかしてやると態度が一変した。まるで子どものようなやり取りだが、幼くして子どもらしいこともできていなかった2人は純粋で、デスマスクはそれが嬉しかったしシュラはそうできる事を嬉しく感じた。
そんな2人が恋心を抱くに時間はかからなかった…

…みたいな…(・ゝ・(゚∀゚)
体は大人だけど、やってる事は2人揃って子ども、みたいな話ですね。機会があれば書いてみたいです。

で、あっという間に成就した2人はその後、お互い直ぐに飽きられてしまわないか?という想いを抱える事になる。勢いで成就したけど、良い人が現れたら呆気なく終わってしまうのではないかと。体の関係も急ごうとするデスマスクだが、大事にしている姿勢を見せたいシュラは早々に体の関係も持つ事を渋り(本当は直ぐに抱いてみたい)すれ違う。好意を伝えるため日常的にキスだけはめちゃしてくれるけど、人前ではしない。そこにデスマスクの不満は無いけれど、シュラにデスマスクは合わないだのの噂を聴いて内心気持ちが落ち込んでしまう。その話をシュラも聞き、恥ずかしさはあったが2人の気持ちを否定されるのは許せなかったので人前でも構わずデスマスクを愛するようになる。そしてついに抱く事も決めるのであった。

そんな感じで既に話が止まらないわけですが、内容はいつもの王道パターンですね(笑)仕方ない…王道話が好きなのだから…
(・ゝ・)bサイコー


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2024
06,24
デスマスクおめでとうございます!
(・ゝ・)人(゚∀゚)イエー

午前中は時間があったのでもう一枚落書きしました。Xの方が多分綺麗ですけども。



珍しくシュラのテンションが高め✌︎(・ゝ・)✌︎
USJがちゃんとユニバーサルスタジオだったのは開園から数年だけのイメージです。
洋画作品のアトラクションではE.T.が最初に無くなったのですが、あの時の「無くなる?!」という衝撃が忘れられない…しかも後にできたのが映画関係無いし(笑)
外国はハムナプトラとかあるのに結局日本には上陸しなさそう。ハムナプトラ好きなんだけどな。
BTTFもとっくにミニオン?に変わっていますが、個人的に好きだったのでコレで(゚∀゚`)
ニンテンドーワールドはガチプレイして色々物を壊しそうだなぁ。

私信になりますが、たまたま調べたところBTTFが全米で公開された日が自分の誕生日でした(笑)波の日です(゚∀゚)b
更に調べたら「スペインで同性婚が認められた日」とか出てきて、もう噴くしか…

君たちか?君たちなのか?
(・ゝ・)人(゚∀゚)イエー

黄金聖闘士、白銀聖闘士、青銅聖闘士、木材聖闘士、発泡スチロール聖闘士、スポンジ聖闘士、段ボール聖闘士、アルミホイル聖闘士、ライオンボード聖闘士、画用紙聖闘士、雑兵などなど…
全・蟹座の皆さんもまとめて、おめでとうございます!

あ、また言い忘れた。8/25星祭り10(ピクスク)も申し込みました(゚∀゚)b
遊びに来てくださいませ〜

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2024
06,23
フライングでオメガバ文の書けてる分をピクシブに出しておきました。7/1までです。本番もそのままなのでピクブラ飛ばなくていいです(笑)
あといつものネタ集も公開に。
蟹誕チマ漫画は日付け変わったら投稿します。そして寝る!(゚Д゚)
新作は漫画18頁とイラスト1枚。あとはオメガバ・コスパロ以外の落書きまとめてます。

最初の予定では落書き漫画にペン入れする予定だったんですけども、またそれは星祭りに合わせてでも。オメガバ落書きは本にする時、ペン入れして載せる予定でいます。

何かほのぼの描いた影響なのか、今度は聖戦後にシュラ(手のひら返し)がデスとアフロを更生させる話がわいてきまして(・ゝ・)
コスモ封印させる手錠みたいなの(結構長い)でシュラの左腕とデス&アフロの右腕を繋いで生活するという話ですが、まぁ世渡り上手なアフロには甘く、反抗的なデスにはとことん厳しい。
お互い恋愛感情無しからのスタート。シュラは誰にも興味無し状態。デスは手のひら返してアテナに付いたシュラが嫌い。昔は疑問に思いつつも自分たちと同じ位置にいたシュラを認めていたけど、復活してアテナ側に戻ったと知り自分が思った以上にショックを受けて拒絶するようになった。そこまでショックを受けた自分も嫌だった。二度と関わりたくないと思っていたところ、シュラと更生生活を送る羽目になって参っている。シュラはなぜデスマスクが強く反抗するのかよくわかっていない。
先にアフロは更生生活から解放され、シュラとデスマスクの二人で続いた。デスマスクも素直に頭を下げていれば早くシュラから解放される事はわかっている。でもそれができなかった。シュラに反抗することがいつの間にか快感になっていった。

シュラ自身も手錠の影響でコスモは封印されていますが、デスマスクより力はあるのでちょっと暴力的なシーンが多め。デスマスクは「嫌い→シュラを嫌う事が気持ち良い」という歪んだ感情が芽生え、反抗的な態度が過激になっていくのに対してシュラはデスマスクに関して冷静になっていく。普通に生きられないのかもしれない、と寄り添おうとするのをデスマスクは嫌がった。

ある日シュラはデスマスクの更生途中に二人を繋ぐ鎖を斬り、生活をリセットさせようと試みる。デスマスクは逃げ去り二度と姿を現さない可能性もあったが、シュラは心の奥底でそれを期待していた。逃げてくれ、逃げてほしい。ずっと二人で生活する中でシュラはデスマスクに対して煩わしさを感じるどころか奇妙な感情を抱くようになっていた。自分の中の何かが目覚めてしまいそうで、それがデスマスクを傷つけてしまいそうで。

嫌い嫌い嫌い嫌い…大好き♡、系の話ですね(゚∀゚`)
恋してしまっているんだけど、デスマスクは一貫して「シュラ嫌い」
シュラは愛情ゼロからどんどんデスマスクを溺愛したくなっていく。キスとかしてしまうけど、とても嫌がられる。(デスは嫌がるのが快感)
とても嫌がられるけど、本気の抵抗じゃないのがわかっている。

…シリアスと思いきや、最終的にバカップルエンドになりそうですね…

さて明日は何をするかなぁ…
(・ゝ・(゚∀゚)今夜はお泊まり


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2024
06,19
蟹誕チマ漫画を描いていますが、4コマ4頁くらいの予定を変更してほのぼのストマン(チマ絵の)16頁ぐらいになる見込みです(・ゝ・)φ特に何の発展もない話(笑)
ネタ書き始めたら長くなり、でも今回なら描けるかも…と。
自分、わりと小学生低学年向けレベルのノリが好きっぽいので、そんな感じのくだらなさです。
チマ漫画をストマンにしたゆえ時間がいっぱいいっぱいになるため、当初予定していたDL版山羊蟹バースデーブック(pixiv投稿の山羊誕2024と蟹誕2024をまとめたもの)は星祭りか何かで出そうかなと思います。まだ申し込んでいませんが蟹誕終わったら申し込みます(∩゚∀゚)

オメガバもいい加減、余裕が無くなってきている…。6月ももう終わったようなものだ…。
14頁くらい描き終わり、今日トーン以外は描き切れるか?と思いましたが、急に家族の病院送迎が入ってきて待ち時間にブログ書いてます(笑)隙間時間全部費やしているな。6/24終わったら1日グデっていよう。

委託の計算ミスですが、結局「多めにぶっ込んだポイントそのまま貰ってくださーい」ということなので、まぁ遠慮なく頂きます(゚∀゚`)そのままYOUにリターンするだけですけども。

そして昨年作った紙コースターが唸り始めました(゚∀゚)b
やっぱ紙は結露った水滴吸ってくれるから良いですね〜。自作だから気軽に使い捨てできるし(笑)
ぼちぼち通販時のメッセージカード兼ねて入れたので残り1枚だった。また次、何かグッズ作る時に増産しておこう。

あー太陽の光で蒸されるー(゚Д゚)
みなさまも熱中症にはお気をつけて(・ゝ・)

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2024
06,12
パラ銀37お手に取っていただいた方、ありがとうございます(゚∀゚)ノ

今回はちゃんと即日返送で在庫が届いたものの…納品書の計算が間違っている(笑)
またユウに問い合わせする事になるとは。金額多めに書かれていると罪悪感あるじゃないですか(笑)
自分も昔は会計の仕事していたのでミスはわかります…仕方ない、そういう時もある。
しかし即行で問い合わせたものの、普通にミスした金額多めの方でポイント突っ込まれておる(゚∀゚`)
売れた部数とかとの再確認しないのかな。全然違うんだけども。
返事は遅いようなので今の所動き無し。
まぁ…言うだけ言ったのでこれ以上は何も言わんぞ。
くれるのなら次の参加費になるだけだ(・ゝ・)つ¥


そしてとりあえず蟹誕絵は完成?ごちゃごちゃしているのでよくわからん(゚∀゚`)
たまに眺めてチェックします。24日まではまだあるし!
次はチマ漫画に取り掛かる(・ゝ・)φ
boothのヘッダーもそろそろ変えようと思い、この絵を使いました。そのうち切り替えます(゚∀゚)ノ
これでもうboothのページ見る度に河村隆一さん思い出してしまうやん…

「ほんとのうたばん」流れで久々に野猿聴いたりとかしたのですが、とんねるずって身長あるし石橋さん体格良いしでやっぱ見た目が良いですよね。いいともに乱入した時とか、他のレギュラーと比べて明らかに2人がデカかった(笑)アイドル的人気が出たのもわからんでもない。
今やると即行でSNS炎上するネタが多いですけど、自分は子どもの頃に彼らでかなり笑ってきたので何も言えません(笑)改めて見てみてもやっぱ芸達者で面白い。

物凄くどうでもいい話ですが、自分がリアルに笑い殺されそうになったのはオール阪神・巨人(笑)
手術直後に病室で生活笑百科観たら笑い過ぎて、もう傷口が開くかと…(゚∀゚`)
仁鶴室長、上沼相談員、南光相談員、オール阪神・巨人が揃ってた時代の生活笑百科は永遠です。

まぁ、そんな流れでずーっとシリアス山羊蟹を描き続けている影響か、最近またバグった山羊蟹ベースの年中漫画を描きたい欲がわいてきているわけです(゚∀゚)
どうかなー。

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2024
06,09
最近のパラ銀ならまだ新幹線だな(・ゝ・)10:30現在。
TRCのパラ銀は宅急便が会場に着くのわりとギリギリなので、前回もそうでしたが落ち着かない(笑)
今書いても会場行かれる方がここ見るのはせいぜい夜だと思いますが、山羊蟹よろしくお願いします(∩゚∀゚)
…ブログまで見に来てくれるガチ勢様は既に手にしていただいている気もしますが…
改めて、ここまで見に来ていただき拍手や拍手コメとかありがとうございます!
次の本は公開済み小説になってしまいますが、入稿後〜イベント当日までの間に描けたらコピー本(漫画)もと思っております(゚∀゚)φ

そういえば、拍手後の画像を付けようか迷ってる的な事を以前言いましたが、どうやら拍手後に画像が表示できるのはブラウザ版のみらしいので結局画像無しでやっております。自分はブラウザで見ていますがスマホ版も表示できたら良いのになぁ。



で、蟹誕絵を描いている最中。ペン入れまでは終わりました。
蟹誕絵を描いてて拡大した時、コレ↑見て「ほんとのうたばん」の河村隆一さんパロ「BEAT」(最後エビフライになるやつ)を急に思い出して噴いてしまった(笑)
なんかもうこの絵の作業する度に思い出してしまう。パロ映像が年中+盟で再生されて、最後に蟹が蟹フライになるんだよ…(゚Д゚)それがぐるぐるして、真面目な絵なのにお笑いにしか見えなくなってきた。

まず「ほんとのうたばん」が通じますか?(笑)とんねるず(笑)
若い方だと「うたばん」がまずわからない可能性ありますよね。「うたばん」は普通に昔やってた歌番組。
「ほんとのうたばん」の「BEAT」を初めて見た時は笑い過ぎて泣いた。中学生くらいだったなぁ。
単純に隆一さんの「BEAT」公式MVでも、隆一さん→デスマスク、周りのお姉さんたち→シュラ、アフロ、盟って考えるだけで自分は面白い(笑)
機会がありましたら是非見てみてくださいませ。
もうパラ銀関係ないな…

あ、秋のパラ銀が大阪だったので直参できるか不明です(´・ゝ・)(゚∀゚`)
行けないことはない…が。冬に東京やるってこと?それとも東京年1になる?
うーん、とりあえず10/27大系に狙いを定める。


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