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そこはかとなく

そこはかとない記録
2024
04,24
毎年GW付近になると「旅行ネタを…」とか言うてる気がします。行楽させたいですねぇ。



昼間は蟹リード、夜は山羊リードでバランス良いと思います(・ゝ・)
ホテルや旅館に着くと動き出すシュラってまぁ、ただの変態かもしれませんが…(・ゞ・)

これがエルマニだと、昼も夜もマニゴルド主導で始まりエルシド様が仕上げてくれる(゚∀゚)b

ではオメガバ話に戻ります(゚∀゚)ノ

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2024
04,23
風邪のぶり返しっ!(゚Д゚)(私ではない)
次こそ完治で頼む!
自分も1回喉がやられましたが龍角散(薬の方)とビタミンのドーピング攻めにより咳にもならず3日くらいで治ったかな。でも油断できませんね。天気予報も当てにならないので服装に迷う。

というわけで、やっと落書き欲求を満たせました(・ゝ・)φ



文はタブレットで良いけど絵はPCで板タブが一番合う。タブレットに直接(液タブ的な)は何か合わない…慣れとは思いますが。直描きはアナログに近いようでそうでもないという。
アナログの時は首が垂れるから首をよく痛めたけど、板タブだと首は痛めなくなりました。腰はやられる…が、これはどっちもどっちか。外泊先で原稿やるとタブレットになるのですが、やっぱ首をすぐに痛めた(笑)元々骨が曲がってるのでどうしようもないね(゚∀゚`)

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2024
04,20
「今回で再検査は最後にしようかと思う」
「あぁ、もうお前の性が何でも俺には関係無ぇからそれで良いぞ」
 22歳を過ぎたシュラの再検査はやはりβに変わりなかった。元々はα化を懸念するデスマスクを納得させるために始めた再検査だが、シュラが何者であろうと好意を隠さなくなった今ではβにこだわる意味がもう無い。1月下旬、発情期に合わせて隠れ家へ来た二人は居間のソファーに座り昼食を摂っていた。
「万が一αになれるのならオレサマの番になれ、βなら一生俺の世話してろ。俺はお前以外、誰とも番にならねぇから。それなら世話してくれるのだろ?」
 デスマスクの言葉にシュラは小さく唸るだけで返事をしなかった。ハッキリしてくれないのは今更なのでデスマスクは気にしない。
「サガにはなるべく時間をくれって言ってあるからよ、それまでは逃がさねぇからな」
 サガがやっとデスマスクに直接番の話をしたということはシュラも聞いた。デスマスクは断ったから、と言うだけだが話の内容はそれだけだったのだろうかと引っかかっている。サガからの猶予が無くなった時、デスマスクはどうするつもりなのか。自分が想定する未来が選ばれるのか?それは二度目の、聖域に対する裏切り。それとも…
――俺を、裏切るのか――
 昔のデスマスクに対する印象のままであればそういう事も考えに入る。しかし側でずっと見ていれば自分に対してそんな事、絶対にしないだろうと思えるようになった。自分やアフロディーテの事は裏切らない、はずだが、最近シュラの中でデスマスクに対する執着が増してきているせいか後ろ向きな思考が邪魔をする。

「…なぁ、考え過ぎて歯の食いしばりヤバいぞ、血ぃ出てるって」
 心配というよりは呆れたように指摘されて、シュラは下唇からの出血に気付いた。
「結構前から気になってたんだけどよ、お前ってβの割に犬歯が尖ってるよな。だからαっぽく見えたんだろうな」
 自分ではあまり意識した事が無い。言われて親指で上顎犬歯のとがりを確認してみるものの、昔からこうだったと思えてよくわからない。確かに数年前から唇を噛みやすくなった気はしていたが、ストレスから変な癖でもついたのかと思っていた。
「ちょっと"イー"ってして見せろよ」
 言われるまま噛み合わせを見せると、向かいのソファーから身を乗り出したデスマスクがシュラの犬歯を人差し指でそっと撫でる。途端、ピクッ!っと驚いたように指先が引いたのでどうしたのかと顔を見ると、どこか困ったような表情を見せた。
「何か問題でもあるのか?」
「…いや、俺にはなにもわかんねぇけど…」
 低い声で呟きながら身を引き再びソファーに座り込む。それから落ち着かないようで何度も首を撫でていた。
「早めにここへ来ているがもう始まりそうか?」
「…わかんねぇ、けど部屋行くわ。始まらなければ夕飯よろしく」
 デスマスクは最後に両手で首を撫でてから勢いよく立ち上がり、歩いて自室へ戻って行った。予定日より四日前に移動をしても発情期の始まりが早まる時もある。毎回ではないので1年を通して見れば規則的な方だと思うが、1日遅ければ…とヒヤッとする。しかし聖域で始まった事はない。もしかすると早まる理由が"自分とここで二人きりになること"にあるのではと心の底で考えたりもする。βのくせにΩを振り回す自分。シュラはニヤ、と口元を歪ませてから舌で犬歯を探った。改めて歯列を順に触れていくと他の歯より高さがある気がする。こんなに出ていたか?αや他のβと比較しないとよくわからないが、アフロディーテに歯を見せてくれと言うのはハードルが高い。

 立ち上がったシュラは洗面台まで行き、鏡の前で噛み合わせて確認した。
――いや、αはもう少し出ているな…――
 そう納得するが、安心するよりもなぜか不満が残ってスッキリしない。
――この程度では駄目だ、綺麗に噛めない。ただ傷付けるだけになってしまう…――
 …今更何を思うのか。βの自分がどれだけ上手く噛んだ所でデスマスクにとっては傷にしかならない。それは例えαであっても、相手がΩでなければ意味がない。αがαを噛んだところで…
『噛んでほしい!噛んでくれ!』
『頼むよ、どうせ死ぬのなら』
『オメガバースにはムカついて仕方ないというのに、憧れてしまうんだ…』
「っ?!」
『噛んでくれ、噛んで、頼む、噛んでくれよぉ…』
 頭の中をこだまする声はなんだ?デスマスクのものではないのに、わかる。デスマスクで、あると。
『一つになれなくても俺はお前のものになりたい。死んでも、死体になっても俺はお前のものだから誰も触れるなって。動けなくなってもお守りになるからさ。そう思わないか?骨まで貫く勢いで頼むよ。肉が朽ちてからもわかるように…』

――夜、森、とても寒い、雪が降っている、誰かを抱いて、暗い闇の向こうへ歩き続けて…――

「…また、この景色か…」
 自分の内側を探るとよくイメージされた景色がこれだ。始めは夢のようなものと思っていたが、起きていてもこうして急に頭の中で広がる事がある。相当因縁深い何かを深淵から呼び覚ましてしまったようだ。しかし意味が見い出せない。これは過去なのか、現在なのか。それとも未来?最後まで辿り着けない。歩き続けた先に何がある?何があった?

 "今"に戻るつもりで再び鏡を見る。見ているのに、見られている気がする。深緑の瞳の奥から見つめ返す真っ暗な瞳の影。味方なのか?デスマスクを守る。力になるのか?デスマスクを守るための。βである自分がデスマスクの望みを叶える、唯一の…。
 いや、そんな考え方ができる間はβを抜け出せない。もっと自分の欲望を曝け出せるのなら俺は変われるかもしれない。たけどそれはデスマスクをどうしようもなく傷付けてしまいそうなんだ。あいつはβの俺しか知らない。あいつが好きなのはβの俺なのだろうと気付いてしまった。αを望まれても、それがあいつの理想通りでいられるとは限らない。αになれるものならデスマスクを手にしたい!しかしβのまま寄り添い合って終わりを迎える方が、良いのではないか…。

ーーー

 シュラの歯に触れてから部屋へ戻ったデスマスクは慌てて抑制剤を飲むと、首を押さえながらベッドの上に転がった。腹の奥が熱い、首筋が疼く。くすぐったいような弱いムズムズ感が不快で手で触れるだけでは解消されない。もっと強い刺激で消してほしい。噛んで…噛まれて悪い血が出ていけば治るかもしれない。噛んでほしい、噛まれたい、噛まれたい…!
「っふ…ぅ、ぅう…っ…」
 首筋に左手で爪を立てながら右手を下着の中へ差し込み、体の熱を癒やそうとする。傷になったらあいつまた気にするかな…。戦いで負傷しても気にしないくせに、個人的な負傷を見つけると直ぐ聞いてくる。鬱陶しいがちゃんと見てるんだなって、嬉しくなってしまう…。
「ぁあっ!つらいっ…!」
 シュラを想うほど熱くなる。邪魔な服を脱ぎ捨ててから体を仰け反らせ、いつもより大胆に乱れた。握り込む手よりも腰が揺れてしまう。いくら好きで抱いてほしいと思っていても、こんな姿はとても見せられない。発情期が始まった頃はもっと甘い妄想で満足できていたはずなのに。

 ふと、椅子に置いた鞄の口からずっと持っているシュラの鍛錬着が見えた。あれからもう一着貰っている。ずるりとベッドから床に転がり降りて、鞄の中から二着の鍛錬着を引き摺り出す。ベッドへ持ち帰り新しい方に顔を埋めた。こちらももう、匂いは残っていないけど…。腰が揺れる度、頬擦りをしているようだ。
――本当に抱いてくれたら、ここがシュラと触れ合って…――
 そこは頬だろうか、胸板だろうか。腕?髪の毛?なんでもいい!

 ムズムズする首筋に再び強く爪を立てる。もっと痛みが欲しい。シュラ、シュラがいい、しゅらがいい、だれでも良くない!ぜんぶ、しゅらにして欲しい。いたいのも、きもちいいのも、ぜんぶしゅらに…。オメガが、じゃなくて、オレが…。
「…しゅぅらぁぁっ…!」

 ――鋭い痛み、暗い夜に獣の瞳がハッキリ見える。口元に血が滲んで、ヴァンパイアかオニがいたらこんな感じなのだろう。あぁ…もしかしたらヴァンパイアのモデルって、報われない愛の果てにオニと化したαだったのかもな…。可哀想に、そんな顔できるお前のことは、怖くねぇから…。さぁ、連れて行ってくれ…――

「ハァ……ハァ……」
 首筋から手を離してみるが、血が出ている感じは無い。それでも強く指を食い込ませたため痛みが全く引かなかった。痣になりそうだ。快感が弾けた瞬間に見えた、妄想にしては鮮明なαの顔。嫌な気はしない、シュラがαであればあんな風だろうと考えなくてもわかった。嫌じゃない、嫌じゃないからもっと俺を噛んで貪ってほしい。深く傷付けて良いから…それは死んでも、お前を忘れない傷になるだろうからさ…。βなんか辞めて、奪いに来てくれよぉ…。

ーーー

 春、命を繋いだものたちが目覚め、芽吹く頃。
「デスマスクはまだ決められないのか…」
「蟹座は優柔不断とも聞きますので」
「フフッ…占いなど興味無さそうなお前がそう答えるとは。ならばそんな蟹座を山羊座として正してやってはくれないか」

 教皇宮にあるサガの私室へシュラは直接呼び出された。テーブルを挟んでソファーに腰掛ける。任務報告の後、再び来るよう告げられたため着替えをして聖衣は着ていない。私室は教皇座よりも気が抜けるのか邪悪なサガが顔を出しやすい場所だった。今さらだが空気が読めないフリをして聖衣を着たまま来た方が良かったかもしれないと悔やむ。

「デスマスクは素直に言うことを聞く男ではない。時間がかかる」
「それは分かるが今に2年が経つ。急いだ方がいい。このまま聖戦が始まってしまうとデスマスクを守り切れないぞ。アフロディーテでは駄目なのか?」
「…そこは、双方その気が無いようです」
「友情が邪魔をして割り切れないのか、男が駄目なのか…白銀の女性αでも良いのだぞ」
「おそらく自分より力を持たない者には惹かれないと思います」
「…やはり、私が…」
 ため息と共に小さな声で吐き出されたサガの言葉をシュラは聞き逃さなかった。
「Ωには番が必要なのだ…お前には理解できないかもしれないが。デスマスクは耐え切れず自傷行為もするのだろう?」
「もう何年も薬が効いて落ち着いている。前回だけは首に痣を残していましたが、それきりです」
「あくまでお前が見れる範囲だろう?彼を裸にして確認しているわけでもあるまい」
 そう言われると何も言い返せない。前回、発情期のピークを終えて姿を現したデスマスクは真っ先に首筋の痣について説明を始めた。隠れ家では首輪を外しているとは言え冬であったし、タートルネックの服を選べば隠せる位置だ。それでもわざわざ首筋を晒して見せてきたのだから信頼されているものと思っていた。確かに胸や腹に傷ができたとして、それも見せてくれるのだろうか。
「いや、そう深刻に考えるな。デスマスクも今では私よりお前に気を許しているというのはよくわかる。だからこそ番の話にはあまり口を出さないようにしてきたのだ」
「俺に任されても一度失敗している。焦らせると自棄になって何をやらかすかわからない。だから時間が必要なのです」
「時間…か…」
 ソファーの背もたれに体を預け、宙を眺めて一息つく。
「デスマスクは積極的にαを探しているわけではないのだろう?この2年、彼は何をしていた?時間も限りがある。それともお前なりに何か考えているのか?私はβの考えだけは理解できないのだ…。αやΩの事を情報でしか知り得ないβが、我々の事を理解できていなのと同じように」
 サガがシュラの目を見る。αの圧がじわりと肌を押し始めた。
「デスマスクは逃げ続けているように見える。αに良い印象を抱いていないという事はわかっているが、それでも好いた相手がαであれば喜んで番になると思うのだが?」
「…それはデスマスクに限らず、誰でも同じように思えます。第二性で選ぶのではなく、人で選びたいという想いは…」
「βならではとも言える。思うのだ、彼はαではない誰かを好いているのではないかと」
 それがお前ではないのか、と言いたげな瞳。咎められるのではなく嫉妬じみたαが放つ、コスモの歪。
「…素直に言う男では、ないので…」
 視線を逸らさず、できる限り"無"を保つ。
「ククッ…言葉にされずとも何年も側にいればわからないものか?お前は本当にデスマスクに興味が無いのか鈍感なのか…」
 そこまで言うと、サガは身を乗り出し囁くように
「…もしくはβらしく、彼をかばっているのか…」
 柔らかな声をしているというのにαの圧力が重くのし掛かる。シュラは張り詰めた空気を切り替えるつもりでゆっくり瞬きをした。
「あなたはデスマスクが俺を好いているとお考えですか」
 わざわざ遠回しに告げられる言葉が嫌味でしかなく、煩わしく思ったシュラは正面から聞き返す。元々そういう性格なのだから下手な演技とは考えないだろう。濁したままの方が疑われかねない。狙い通り重い空気が少しだけ和らいだ。
「αではない、しかし同等の力を有している者と言えばお前しかいないからな。まぁ一つの可能性としてだ。あとは私の想像を絶する程の恋愛潔癖…くらいしか考えつかないがΩでそれは無理がある」
「…仮に、デスマスクが俺を好いているとしたらどうされるおつもりか」
 こんなこと絶対に聞けないと思っていたが意外なところで来た好機をシュラは逃さなかった。返事によっては今後について考えやすくなる。
「難しい問題だ。諦めが悪いそうだからな、例えお前に気持ちが無いと知っても素直にαと番うとは思えない。かと言って諦めがつくまで待つというのもあと何年かかることか…」
 サガは俯き、そっと握り締めた右手を眺めた。
「ただ、私の拳を上手く使えば…デスマスクにとっても無理を強いる事なくいけるのではと…」
――それは、つまり…――
「例えば相手がお前だと確定できるのであれば、私はその夢を見せてやれると思うのだ」
「…幻覚で、騙すと?!」
 サガが持つ技に"洗脳"を引き起こすものがある事は知っている。清らかなサガは使わないが、邪悪なサガは疑い深い従者たちにその拳を振るい効果を確認していた。ただ黄金クラスが簡単に拳を受けてしまうとは思えない。それでもαの力で押さえ付けられてしまえばデスマスクは…。思いもよらない外道なやり方に動揺した。
「一つの処方だ。無理に事を進めて反発されるよりもデスマスクの為になると思わないか?番を持たないΩのままでは危険なのだ」
 だからと言って、それはデスマスクを殺すと同意なのではないか…?ただ、デスマスクの力を残すためだけに夢を見せてまで…。
「…幻覚を見せて、相手は誰に…」
「そうなれば相手は誰でも良い。αであればな。恋愛にこだわる者たちは受け入れないだろうが、私のように誰も愛する気が無い者が好都合だろうか…いや、それが最善に思えてくるな…」
「サガよ、さすがにそれは…」
 じわり、じわりとサガの髪色が暗くなっていく。やはりお前が出てくるか。
「デスマスクが誰を想っているか教えてくれ。お前の仲間を悪いようにはしない。聖域と世界のために突き止めてほしい」
 笑いながら拳をこちらに向けて見せる。それを払い退けてソファーから立ち上がった。
「俺に使うのも止めろ!正気を保て!」
 睨み付けたサガの瞳がほの紅く輝き、笑うように揺れた。
「何をそう怒る?デスマスクに早く番ができた方がお前の荷も下りるだろう?デスマスクだぞ?そこまで情が湧くような相手か?」
「デスマスクであろうと何年も共に過ごしてきた仲間なのだ。情くらい湧く!」
「まさかお前、デスマスクに気があるとは言うまい?」
「何でも容易く欲に結び付けるな!βが理解できないというのはそういう所だろう!」
「ハハッ、とことん枯れた男だ」
 根本だけ黒く染めた邪悪なサガはソファーに深く腰掛けたままシュラを見上げる。その気になればβのシュラを洗脳させる事も可能なのだろうが…
「まぁ落ち着け、そこまで剥き出しの怒りを見せつけられると流石にゾッとする」
「サガの良心の為にも、お前の欲望でデスマスクに非道な事をするのは認められない」
「わかった、デスマスクが同意できれば良いのだろう。再び話をしてみよう。聖剣を構えるな、部屋を壊して気が晴れるのか?」
 逆に諭されたシュラは気を鎮め、話の終わりを聞いてから丁寧に退室して行った。

 残されたサガは紅い瞳を輝かせ扉を見つめる。毛先が一気に黒く染まっていく。
――もっと簡単にΩを手にできるかと思ったが――
 Ωに番を与えたいというのは"サガ"の意見として一致している。しかし清らかなサガは相手にこだわった。Ωの愛は底無しに深い。果たされないと悪鬼のように愛に飢え苦しみ続ける。納得のいくαの相手と結ばれてほしいと願うが邪悪なサガはΩを求めた。αでありΩである神の代わりとして君臨するにはΩと番う事が必要不可欠と考えていたのだ。そのΩが黄金の力を有していると言うのならばデスマスク以外に考えられない。愛は無いが究極の力と存在を示すためにデスマスクを手に入れようとしていた。黄金最強のαと称される自身であれば、他のαが出てこようと奪い取る事は簡単と考えていたのだが。
「βのくせに厄介なものを持っている。イレギュラーな黄金のβである故か」
 シュラが瞬発的に放った真っ暗な圧はコスモとは違った。深い悲しみと深い愛。そんなものを秘めているとは。

 "サガ"の記憶に二人の最期は残っていない。わからない。何があったのか。ただアフロディーテを含め三人の仲は現代と変わらず良好なものだった。初めはアフロディーテとデスマスクがシュラを揶揄う場面が多くて。やがてデスマスクはα抑制剤を飲み始め、副作用で髪や肌から色が落ちていくようになる。すると調子が出ず空元気なデスマスクをシュラが気遣うように変わっていった。デスマスクとシュラがアフロディーテを揶揄い、怒られるという場面も増えた。デスマスクは何を思って抑制剤を飲み始めた?第二性に否定的だったから…だけだろうか?

「…今も昔も、とことん掴めない二人だな」
 二人の中ではハッキリした関係なのかもしれないが、側から思うに二人の想いは捻れていそうだ。満たされていない。結ばれても何か悲劇的な終わり方を繰り返してきた事により真正面から素直になれない何か。まさにオポジションを形成する山羊座と蟹座のような。
「壊せるか?それとも悲劇が得体の知れぬ力を呼び覚ましてしまうのか…」
 愛を抜きにしても二人の間には強い因縁がありそうだ。それでも聖域を始め世界を支配するにはデスマスクとの番が必要。強行すれば"サガ"も悲嘆に暮れて表に出る頻度が減るだろう。東の果てでアテナが生存しているという噂にも備えられる。
 サガは立ち上がり、仕事机にあるカレンダーを手に取り二枚捲った。
――次は、この辺りか――
 6月を見て、薄く笑った。

ーつづくー

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2024
04,15
一番くじ、週末に景品が届いてシュラを見た子どもが「すっっごいイケメン!(゚Д゚)」と言って噴く(笑)
メットかぶってて良かったね…。かぶってないと「ボッサボサ!」って貶されるもんね…。その人がボサボサ男だよ…。

こんな手のひら返しされると、次のチマ漫画再録集は「髪ぼさ2」じゃなくて「すっっごいイケメン!」に決定やん…。表紙はもちろんイケメンシュラさん(23歳/黄金聖闘士/恋人あり)で…(・ゝ・)キリッ
デスマスクは最初からイケメン認定されている(∩゚∀゚)差がわからないですがデスマスクにはボサボサって言わない。毛が長めで滑らかだからか?

ちょっと話逸れて、シュラを初めて描く時に「シュラもオールバックなのか?」と迷いました。原作の十二宮戦、前髪無いですよね(笑)でも蟹のオールとも違う、真ん中は分かれてる。前髪こぼれ気味のオールなのかと…(結局ボサボサやん…)アレが生え際だとセンターだけ禿げみたいになるし(笑)
ヘッドパーツが外れた直後だから、と思っても冥界編は普通に前髪ありますもんね。死んでる間に肉体無いくせに伸びたのか?(・ゝ・)
結局今の状態に落ち着いたわけですが、未だにオール設定も捨てがたい。





こうなる。

話戻りまして、本当に届いたサガフィギュアのサガは見ても無視(笑)それよりも箱に貼られている東映シールのキャラ(ネコ)に反応していた。まだ未開封だけど、箱開けないと中身見えないのが残念。誰かに譲る時に見せてもらおうかな。
そしてアクスタは勝手に開封される(゚∀゚`)

と、言うのも、自分が二度寝している時に荷物が届いて開封されたのである…(・ゝ・)
サガ(ワ)さん、時間指定しないと大抵午後に来るから今回もそうかと思ったんだけどなぁ。

くじ引いたの2日目だったのでデスマスク色紙は遠慮なく2枚(゚∀゚)これで未来のデスマスクファンに差し上げる事も可能(笑)

よし、またオメガバ文に戻ろう。4月完結は無理そうですがシュラのα化まではいけるかな?いきたい!もう4月半分終わってるではないか!(´・ゝ・)
完結させてから修正してピクシブに…って思うと夏になってそうな気がします。何か結局漫画50頁本出すのと同じくらい時間かかってますね。
まぁなるべく満足いくもの作って長く頒布しよう。それが星矢ジャンルの強みであろう。

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2024
04,12

«丸焼き»

肉好きではないけどバーベキューやりたい(゚∀゚`)
焼きそばもマシュマロも別に好きではないがバーベキューはやりたい…
と思いつつコロナ以降ずっとやっていないので、まぁ気分だけでも。
準備だけで焼くに至ってませんが(笑)





復活設定という事でエルマニは手脚無し。みんなどこかでのんびり暮らしている。
予定を合わせているわけではないのにW山羊蟹は考えることがかぶるので、よく出先で遭遇する。
泊まるホテルもかぶれば部屋が隣同士になったりしてちょっと気まずいが、慣れた。
朝食ビュッフェの時間もかぶるが、どちらも蟹は着席して山羊が食事を運んで来てくれる。
朝の山羊は優しい(・ゝ・)(・ゝ・)

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2024
04,11
 時の流れを早く感じるようになってきた。季節は秋。目の前に迫る冬を迎えればシュラはまた一つ歳を重ねる。外での仕事を終え、その日は私服でもあったため珍しく聖域まで歩いて戻って来たシュラは十二宮から離れた岩場で修行中の師弟を見かけた。聖戦に備え聖闘士の育成を急いでいるがそう容易くなれるものではない。αであればなれるという保証も無く、運命である。黄金でも育成を任されている者はいるが自分はそうならなかった。代わりにΩの世話を任されているこれもまた、運命だろう。
 不意に、白銀の若い女聖闘士がシュラに気付き軽く頭を下げた。その場にいる弟子は生意気そうな顔で真っ直ぐシュラを見つめる。コスモを理解していないのか、聖闘士の階級など頭に無いのか、まだまだ未熟な候補生がβに向けるのは開花する前のαの視線。
 ――大物か、ただの意気がりか――
 実力があれば近く聖闘士として再会するだろう。Ωを狙うのであれば仲間とは思えないがな。目を細めたシュラはニヤ、と笑い二人の前を通り過ぎて行った。

「天気が良いからゆっくり散歩か?健康運動?暇そうでいいな」
 シュラが十二宮の階段を上り始めてすぐ、天から声が降り注いだ。
「お前こそのんびり浮かんで付いてくるのは暇だからだろ」
 一緒に散歩でもしていたつもりか?と、空を見上げてデスマスクを探す。軽く跳んで風船の糸を掴むように黄金の足首を捕らえたシュラは、デスマスクをそのまま地面に引き下ろした。マントがハタハタと音を立てる。
「お前はストーカー癖があるのか?黙ってないで声を掛ければいいだろ」
「だって仲良くするなって言うし、加減がわかんねぇんだよ」
「それだけなら良いが俺の行動を監視するのはやめろ」
「エロ本見てないかとかな」
 その言葉を無視して再び階段を上り始めると後ろからカツカツと歩いて付いて来る音が聞こえてきた。
「なぁ、さっきお前が見てたガキどう思う?」
 黄金未満の他人事などほとんど興味を示さないデスマスクがそんなことを聞いてくるとは。
「まだまだだな。αの図太さは秘めているようだが」
「アイツらニッポンジンなんだってよ」
「そんなことよく知ってるな、珍しい」
「賢いオレっぴは極東アジアに興味あるんで」
 確かにデスマスクが隠れ家へ持ってくる本には東アジアへの旅行雑誌や戦史に加え"カンエイジテン"やら"コトワザシュウ"やらよくわからない物が混ざっている。蟹座の必殺技が中国の星占い由来のものである事が興味を持った切っ掛けらしい。ごちゃごちゃした"カンジ"がカッコイイと言っていた。実際に読めているのかは知らない。
「キリストってさ、実は処刑されてなくてニッポンまで行ったとかいう説があるんだぜ?」
「ふっ…そんなの布教するための作り話だろ」
「死んだと思われたアテナが実は生きていてニッポンに行った可能性、どう思う?」
急に声を低くして響かせる。
「なぜニッポンなんだ、他にも可能性はいくらでもあるだろ」
「俺ら西洋人から見て東の果てにある島国ニッポンは終点なんだよ」
ピンとこない顔をするシュラにデスマスクは続けた。
「そういう目の届かない場所で何かが着々と進んでたりするんだよなぁ。大陸とは繋がっていない。囲まれてもいない。資源は豊富。ニッポンってのは国そのものが巨大な空母みたいなもんだ。平和ボケに隠れながらこちらを監視するにはちょうど良い」
「聖戦前にアテナがはるばるニッポンから攻めて来るとでも?」
「生き延びたアテナが大人しく帰還してサガに協力するとは思えないだろ。さっきのガキが聖域に来た同じ頃、ニッポンのグラード財団から候補生が大量に送られて来た。もうほとんど死んだが十人ばかりは生き残っている。カミュの所にいるのもその一人だ。アテナが生きていれば11歳。距離なんか何の障害にもならないだろう。ニッポンのガキどもが聖闘士になるかならないか注視しておくに越したことは無い」
そこまで一気に喋るとデスマスクは不意にシュラの腕を引いて囁く。
「例えそれが青銅であろうとアテナは反則だ。コレが当たりなら、俺たちの運命に大きく関わってくるからな…」
シュラより一段下から上目に見上げて、どこか急かすような顔。時間が無い?サガが動くが先か、アテナが生きているとして動くが先か。どちらも自分たちにとって無傷ではいられなさそうな事案だ。だからと言って…。
「なぁ…俺さ、報告行ったらフリーなんだ。お前は?飯でも行かないか?怪しまれないようにすんならアフロも呼ぼうぜ」
真剣な話をしていたかと思えば、狙いはコレか…とシュラは体から力が抜けた。情に訴えかけてその気にさせるセコさ。素直にOKは出したくなくなる。
「…暇ではない、今日は書き物が多いんだ」
「せっかく俺が暇なのに、そんなん一人になってからやればいいだろ?寝るの我慢しろ」
「明日に響く。生活習慣は崩したくない」
そこまで言うとデスマスクはシュラから手を離し、口を曲げてふわんと浮かび上がった。今回は意外と諦めるのが早い。マントを靡かせスーっと宙を滑りあっという間に視界から消える。見えなくなってシュラは軽くため息を吐いた。少し残念な気持ちと、まだ間に合うという考え。このまま歩いて行けば教皇宮から戻って来るデスマスクと再びすれ違えるだろう。あいつが変なルートで戻らない限りは。いや…自分が巨蟹宮で待っていてやれば良いのか…。ちょうど私服を着ている。財布もある。わざわざ着替えに戻る必要はない。
「……ダサいな」
笑って一言呟き階段を上り始めたシュラは、巨蟹宮に着くと迷わず私室の方へ向かった。
 それから数十分後、教皇宮から戻って来たデスマスクは居間のソファーに座っているシュラを見るなり満足そうな笑顔を溢れさせる。こちらを見たシュラに「アフロは来れないってよ」と言い放ち、シュラのため息を聞きながら出掛ける準備を整えた。

ーーー

「あいつがいれば、美味い店じゃなくても良いとか思えるなんてなぁ…」
 シュラと食事に行った翌日、余韻に浸るデスマスクの頭の中は平和で穏やかだ。不味い店に当たった事はないが、近さで選んだ昨夜の店は特別美味いわけではなかったと思う。地元民で繁盛している町料理屋で、忙しさからとにかく盛り付けが雑だった。それが逆に可笑しくて「これは酷い」「もう少しセンターに寄せれるだろ」「量に対して皿のデカさが無駄過ぎる」などと二人でツッコミ続けたのが楽しかった。帰り道もケラケラ笑いながら「また行こうぜ」と溢したデスマスクに「またな」とサラッと言う姿が自然で格好良いと思ってしまう。"本気で待っちゃうぞ"と心の中で呟いた。

「はぁー…」
 偶然休暇が重なって二人で過ごすとか、発情期を理由に二人で過ごすとか、いつ死ぬかわからない聖闘士にとっては十分な幸せなんだろうと頭では思う。それでもやはり、結ばれたところでまた引き裂かれると知っていても、あの腕に抱かれたい…。
 巨蟹宮の寝室で以前シュラから貰った鍛錬着を片手にぼんやり横になる。なんとなく感じるかも、と思っていたシュラの匂いはもうすっかり無くなって自分の匂いに変わってしまったようだ。そろそろ次の物をねだっても良いかなと考えた。
「発情期来たら貰お…」
 本人が手に入ればそれだけで良いというのに、なぜ焦らすんだ。第二性が邪魔をし過ぎる。未来の暗い不毛な恋愛だからこそ今に全力を注げば良いと考えないのか?死んだら終わりなんだよ。普通は。…なんかあいつは死んでも終わってくれないとかグチグチ言っていたが。
 そんな鬱憤を晴らすように発情期以外では任務をこなし続け、巨蟹宮もかなり煩くなってきた。強力な力を持たぬただのαくらい、Ωだろうと自分なら簡単に殺せてしまう。シュラの言う通り自分にとっても問題になるのは黄金のαくらいだ。
「そろそろ準備するかぁ…」
 手にしていた鍛錬着に軽く口付けてからベッドに戻す。夜の任務に備え早めの夕食を摂りデスマスクは聖衣を纏って教皇宮へ向かった。まだ仕事に出ているのか磨羯宮にシュラは不在のようだった。

 教皇宮入り口の重い扉の前。夜でも誰かが守っているものだが、外も中も人気を感じない。
――俺に、話か――
 手は下ろしたまま扉を見つめ、念力で少しだけ開けて中へ滑り込む。嫌な感じはしない。いつもの雰囲気のまま教皇座にサガは座っていた。
「何か特別なお話でも?」
 サガの元へ向かいながらデスマスクから投げ掛けた。マスクから覗く髪色も清らかなサガを示す金色だ。根元まではわからないがコスモからして邪悪な方は息を潜めているだろう。
「今更な話にはなるが、20歳を過ぎたお前に番を持たせたいと考えている。シュラから聞いているだろう?」
「ええ、その気が無い事もご存知かと思いますが。番を持たせる理由はフェロモンの抑制だけですか」
「それ以外の理由があるのなら何だと思う」
「こちらが聞いているんですけど。…まぁ、俺にαの子ども産ませたいとか?」
 サガの前まで来て跪くこともなく仁王立ちで言えば、清らかなサガにしては珍しくバカにするような笑いが溢れた。
「そんな事…"私は"考えていない」
 ならば邪悪な方はどうなんだよ、と喉まで出たが下手に刺激するのは止めようと飲み込む。
「α嫌いは昔から変わらないようだな。それは私も体験してみて理解できるようになった」
「……αは自分がαであるからこそそんな事を呑気に言える。αになれなかった者を見下しているようにしか受け取れませんよ」
「見下す、か。お前はαこそ力の頂点であると思うか?お前にも記憶が残っているだろう?」
「何の」
「かつての、記憶だ」
 マスクの奥でサガが目を細めた気がした。唐突な話にデスマスクが黙っているとサガはゆっくりマスクを外して顔を晒す。根元まで金色の清らかなサガで正解だった。
「かつても、我々は仲間だった。証拠など無いが思い当たる節が多すぎるのだ。霊感の強いお前はわかっているものと期待したが」
「はぁ」
「聞いてくれるか」
 聞かせようとして人を払いデスマスクを招いたのだろう。それに精神不安定なこの男を適当に扱う方が厄介な事になるのは身を持って知っている。内容がどうであれ断るという選択肢が無い。
「……どうぞ、続けてください」
 サガの側から一歩下がり、顔は上げたまま跪くように腰を下ろした。

「私も全てを覚えているわけではないが、かつてはΩだったと思う」
 だからデスマスクに対しての扱いが手厚いものだったと言うのであれば、わからないでもない。
「好いたαがいた。世界中を戦火に巻き込んでいく大戦の中で私たちは自国を守り抜くために戦っていた。…とは言え、既に国は占領下にあり滅亡は免れなかったがな。希望を、王女の亡命を託したんだ。アイオロスに」
 サガからは聞きたくない名前が飛び出してデスマスクは気を張った。話をさせるのは不味かったか…
「亡命は成功した。もちろんその時私は戦地で死んだため成功も知らなかったが、こうして現代に生まれ変わり歴史を学んだ時知ったのだ」
「そうですか…」
「私はΩで、αを好いたにもかかわらず結ばれることは叶わなかった。亡命を提案したのは私だったが、少しは期待していたのだよ。彼が、もう滅亡の見えている国ではなく今、目の前にいる私を選んでくれないかと」
 サガのアイオロスに対する執着は昔から感じていた。そのくせ瓜二つな弟のアイオリアには何の興味も示さない。アイオロスでなければならないという執着。
「期待が外れた悲しみは自分が思う以上に深かった。それはαである今生の私をも蝕んで亡命の成功を素直に喜べない自分がいた。好いた者の幸せよりも、私と同じように願い叶わず死んでしまえば良かったのにと思えてしまう醜さ。お前もよく苛まれるだろう?愛に飢えて飢えてたまらない苦しみに。番を持たないと解消されないΩの苦しみ。それから解放されたいとは思わないのか?」
「…思いますが、だからこそ好きな相手としか番いたくない気持ちもわかるのでは…」
「番えない苦しみの方が重いと思うのだ。Ωの性なのだよ」
 それは貴方が失敗したから、とは口が裂けても言えない。アイオロスはサガに強い信頼を持っていたことは感じられたが、サガだけに限らなかった。デスマスクのように他に対して好き嫌いが露骨なタイプではない。シュラとも違う、シュラは人を選んでいるがアイオロスは誰に対しても土足で踏み込んで来るタイプなのだ。しかしサガはそんな彼と相性が良いと感じ惹かれたのだろう。問題なのはサガもアテナもアイオリアも、アイオロスにとって"一番"であったこと…。
「フェロモン抑制だけではなく俺を気遣っての提案でしたか。聖域の事を考え、聖闘士のケアも怠らない。さすが教皇」
「我々αも醜い姿ばかり見せたいわけではないのだ。かつてお前が副作用に耐えながらもαの抑制剤を使用していた覚えがある」
「…それは何のために」
「自分の事ではないためそこまではわからないが、お前はαだった。シュラ、アフロディーテと共に」
 全員αの世界、今で言えば理想だった世界に於いても自分は満足できずαの抑制剤を服用していたのか。"かつて"がいつの話かわからないが、現代に於いてもαの抑制剤はリスクが高い。昔ならば早死にしておかしくない…いや、早死にしたのか。おそらく。
「私含め全員、戦災などの孤児で出身地はバラバラであった。かつての祖国はそういった難民を数多く受け入れていたのだろう。危機に瀕した時、ほとんどの者がパルチザンとして立ち上がったのだ。そこにお前たちもいた」
「はっきりと覚えているものなんだな」
「ハハッ、二重人格で頭のおかしい男の作り話と思うならばそれでもいい。某国王女の亡命とソ連国境でのゲリラ戦、発情させたΩ兵を投入してのα隊殱滅作戦…。大戦の中ではマイナーな戦記ではあるが、戦史を好んで学ぶお前なら気付いているのではと思っていた」
「勉強不足ですみませんね。で、俺たちはどうなったかも知っているのですか?この聖域の行く末と重ねるのであれば重要過ぎる話ですよ」
デスマスクの問いにサガは瞼を伏せ少し考える素振りを見せた。
「最後はわからない。発情させられたΩ兵が押し寄せて来た時、Ωの私と抑制剤を服用していたお前だけはフェロモンに惑わされなかった。シュラを引き摺ってアフロディーテと共に退避していく姿が私の記憶に残るお前たちの最後だ」
「へぇ、戦わず敗走して死ぬとは俺として最悪なものだ。貴方もそこで死んだのですか」
「私とアイオロスで鍛え上げたα隊は呆気なく離散し、一人ではどうにもならなかったな。戦争は有能なαが前線に立ちやり合うもの、という各国のプライドが崩壊した。とにかく勝てば良い。特攻させられるΩ兵に飛び付くαたちを、βどもが後方から味方のΩごと撃ち殺していくのだ。地獄を見る戦地で最もおぞましい光景だったよ。βの狡猾さ、やがてはこいつらが生き残り、数を増やして世界を握っていくのかと思うとそれこそが世界の終わりのように思えた!」
――その地獄の光景が、邪悪なサガの欲望にも結び付いたと…――
「デスマスクよ、αを嫌うのもわかるがβはより恐ろしいぞ。こちらの様子を伺い大人しくしている裏で爪を研いでいる。一人では何の力も持たないが数が増えると厄介だ。現に過去の戦争に於いて尽力したαは数を減らし、また利用されたΩはより希少な存在となっている。だからこそ
「そうですか、βは駄目ですね。ところで教皇、少し休憩しませんか」
 話に熱が入り始めサガのコスモに歪みが感じられるようになってきた。話の半分は邪悪なサガの意見が混ざっていると思われる。この話は良くない。別の話題に切り替えたいが…
「デスマスクよ、我々のフェロモンが通用しないβは裏切る。Ωが満たされるのはαだけなのだ」
「お気遣いありがとうございます。番についてはまた考えておきますから」
 気付いてなのか無意識なのか、シュラの事を言われているようで気分が悪くなった。結局はβもΩも支配してやりたいだけなのだろう。一言言ってやりたいがサガを刺激したくない。それがストレスになる。
「休憩されないようであればそろそろ出発したいのですが。話はもう良いでしょうか」
 一歩後退るデスマスクを見て、サガは引き留めるように身を乗り出した。

「どうしても番の相手が見つからなければ、私を頼りなさい」
 声を張ったわけでもないのに、宮内を響き渡っていく言葉。
――これが、本題か――
「再びアイオロスを亡くした私はもう誰かを愛することは無いが、お前を大切にしてやる事はできる」
 ちょっとそれは流石に失礼なのではないか。シュラと番になれない自分も重なり、まるで傷を舐め合おうという提案を出してくるなど。しかも本気で心配して親切心からの申し出っぽいところが厄介すぎる。
「…お気遣いありがとうございます。でも俺は好きな相手が良いので時間をください。意外と身持ちが堅くて一途なんですよ。例え相手に裏切られても足首掴んで離さないような。そういうタイプの蟹座ですので」
 口早に告げ、一礼してから素早く退室した。つい嫌味を込めてしまったが大丈夫か?教皇宮を出た後に扉の前で立ち止まり、中の様子を伺う。少し淀んだコスモのまま、しかし邪悪さが増す様子もなくサガはゆっくり私室へ戻って行ったようだった。一気にどっと疲れが出て大きなため息が漏れる。

「お前、今から出発か?」
 突然正面から掛けられた声に勢い良く顔を上げると、聖衣を着た顔に汚れが残ったままのシュラがすぐ側に立っていた。その姿を見た途端、嬉しさと安心感が込み上げてきて顔面がデロンと溶けた気がする。シュラに近寄り肩へ腕を回した。
「報告なら明日にした方がいいぞ」
「何かあったのか」
「うん、まぁ、問題無ぇけど今は刺激を与えない方が良いな」
 そのまま不審がるシュラの背中を押して磨羯宮まで下りていく。デスマスクにとってシュラの登場は本当にタイミングが良く、胸に支える不安感が次第に和らいでいった。
「はぁ…お前タイミング良すぎだろ、わざとか?」
「偶然だ。お前が夜の仕事とは知っていたがとっくに出ているものと思っていた。それより本当に何もされていないな?」
 ――そんなに心配してくれるのなら、ちゃんと愛してくれって――
「ちょっと変な話聞かされただけで、手は出されてねぇよ」
「そうか」
 付かず離れず並んで歩き、磨羯宮に着くと私室への扉の前でシュラが足を止めた。それに合わせてデスマスクも立ち止まり、辺りが静まり返る。「じゃあな」と別れて進めば良いものを、なんだか離れがたい。女々しいのは嫌いだがそう思ってしまう。自分が思っている以上に不安が解消されてないというのか。気持ちを整えデスマスクが足を踏み出す前に、シュラの聖衣がカツンと響いた。
「下まで付き合おう。どうせ俺はもう食べて寝るだけだからな」
笑いながらそう言って今度はシュラがデスマスクの背中を押す。ハハっと軽く笑い返したデスマスクはシュラの顔を見て、目の下に残っている汚れを指で拭った。
「ここ汚れてっから寝る前にちゃんと洗えよ」
「あぁ…今日は雨上がりの場所でぬかるみまくっていたんだ」
「地を蹴らないと飛べない山羊は大変だな」
 他愛のない話を繰り返して心にシュラを補充する。十二宮の入り口に着く頃にはいつものデスマスクに戻れるだろう。貰った鍛錬着ではこうなれない。やはりシュラ本人が良い。なぜαにならなかったのか。なぜαになってくれない?諦めきれず何百回と思ってもどうしようもない事。愛に飢えようがシュラに捨てられようがサガの元へは行かない。シュラ以外の誰の元へも行かない。それを、自身が持つ力で証明してやる。
 別れ際、シュラはよくニヤりと笑う。昔は嫌だったがもう気にならなくなった。肉をよく食べるからか?今日も何だかβにしては鋭い歯が目につく。
ーーいつか…死ぬ時でもいい。ソレで、俺を、噛んでみて…くれないかな…ーー
 僅かにフェロモンを溢して、デスマスクは聖域から消えた。

ーつづくー

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2024
04,10

«SYO-WA»

4月、やっとフリータイム再開と思った矢先に家族の体調不良が到来(゚Д゚)
そういうものは春休みに済ませてくれたまえ…。
新しい環境は無意識に疲れると思いますので、皆さまも年度始めは無理なさらず山羊蟹を補給しながらいきましょう(´・ゝ・)つ(゚∀゚`)

星矢の一番くじ、うちの市と隣接市一帯は取り扱いが無く、まぁそこはカービィでさえ1、2件しかやらないレベルの田舎だし理解できるのですが、自分の地元が県内ぶっちぎりで14件もやってて噴く(笑)合併してデカくなったからねぇ。都市は区でバラけますしね。景気良いなぁ。

しかしせっかくやるのなら新しい絵とか用意できなかったのか?いや、あえての昭和なのか。フィギュアに全振りして燃え尽きた感が(笑)
もうシュラ、悪い顔しか無いやん…
✌︎(・ゝ・)✌︎ドヤ

でもここまで来るとシュラの良い顔って何だ?となってくる。エルシド様は良い顔ばかりだよね…。昭和のデスマスクも良い顔ばかりだというのに(゚∀゚)キリッ

(・ゝ・)ドヤァ  ←コレがいかんのか

(゚∀゚)キリッ  (・ゝ・)キリッ

落書き描きたいですが落ち着くまで我慢(゚皿゚´)ギギ…
オメガバ文も更新したいけど、ちょっと話逸れててキリの良い場面に辿り着けない(゚∀゚`)
もうちょい!
花見ももちろんできなかったので、葉桜でやるしかあるまい!(刺蛾の幼虫落ちてくるやつ)

↓マニゴルドとエルシド
(゚∀゚)「ハナミ?何だそれは」
(・ゝ・)「ニッポンの"エンカイ"パーティーだ」
(゚∀゚)「へー。幼馴染がニッポンジンなだけあるな」
(・ゝ・)つ●「猪を狩って焼いたから食べよう」
(゚∀゚)「さっすが山育ちぃ〜」

モグ((・ゝ・))    ((゚μ゚))モグ

↓シュラとデスマスク
(・ゝ・)(゚∀゚) …      ウマ〜♡>|桜|

(゚∀゚)「なぁ、オレっぴお腹空いたのだが」
(・ゝ・)つ⑩「金やるからテレポートして何か買ってこい」

グハァ(・ゝ(◯≡=(゚∀゚`)「ほんとわかってねぇ男!」

でも今夜、不器用に抱かれちゃう☆
キリッ(・ゝ・)´Д`; )ピィ…♡


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2024
04,03
 αとは番にならない、シュラはもうαにはならないだろうから。その先にある未来がどんなに暗いものであろうと、それだけは貫き通したい。それくらいの強さだけは、どれだけΩに歪められようとも最後まで手放さず持ち続けたい…。

 シュラの誕生日から半年が経ちデスマスクも21歳を迎えた。サガからは何か仕掛けられる事もなく、以前と同じ聖域と隠れ家を行き来する生活。今も変わりなく自分の面倒を見続けてくれるシュラ。昔はアフロディーテと比べて付き合い難く、警戒すらしていたというのに8年も時が経てばこうも関係が変わってしまうものなのだろうか。まさか自ら好きだと、抱いてほしいと懇願してしまうほどシュラに溺れてしまうとは。そこまで曝け出したというのに、シュラだって自分のことを好きでいるはずだろうのに、決定的な言葉だけは避けてβを理由に自分の役目を淡々とこなし続けるだけ。

 初夏、ニ人だけの隠れ家。デスマスク21歳最初の発情期も終わりが近付きシュラは聖域へ戻っている。今は誰もいない。シュラが用意していった昼食を食べた後、自室へは戻らずシュラの部屋へゆっくり踏み込んで行った。ほとんど物を置いてない狭い病室のような部屋。磨羯宮のシュラの部屋とは違う。あそこにはそれなりに物が溢れていて、隅に積み上げられた畳んでいない洗濯の山とか、テーブルの端に積み上がった雑誌とか間に挟まっている書類とか…本当は片付けが苦手なのだろうと思える。隠れ家ではやる事が無いからか、もしかしたら俺がいるからなのか洗濯もちゃんと畳むし、食器類だって乾いたら収納場所へ戻している。やれば出来るのに、自宮でのだらしなさには親近感がわいてシュラのそんなギャップにすらデスマスクの心は掴まれていた。

 部屋のほとんどを占めるベッドを見つめ、息を吐いてからそっと寝転ぶ。起きた時に捲られたままのタオルケットを掴み両手で抱いた。当然のことだが何の匂いも感じない。枕に顔を埋めても、何も匂わない。夜風は涼しいかもしれないが冷房のない部屋で寝て、フェロモンとかではなく少しは汗とかシュラ自身の匂いくらい感じてもいいと思うのに…嗅覚が奪われているのかというほど何も感じない。

 諦めて起き上がったデスマスクはクローゼットに目が行った。勝手に見るなんて最低だなという思いとは裏腹に足はクローゼットの前へ向かい、扉を開ける。中を覗いて思わず「フッ」と噴き出してしまった。ハンガーにはニ着のちょっとイイ外出着が掛かっているだけで、部屋着用の服や下着は下段に置かれた籠の中に畳まず放り込まれ積み上げられているだけ。いつもデスマスクの洗濯物はちゃんと畳んで渡されるのに。
「どうせやる事無ぇなら俺のついでに畳めばいいだろ」
見えていないだけでシュラの雑さは隠れ家でも健在だった。ニヤけながらクローゼットの前に座り込み、上から一枚シャツを掴んで、畳んでやるでもなく、匂いをかぐ。
――匂わない――
 そんな事わかりきっているのに、一枚、一枚と次々出しては繰り返し、籠が空になるとデスマスク自身がシュラの服に埋もれていた。そのまま服の中に寝そべってぼんやりしていると、ふと「Ωの巣作り」を思い出した。番持ちΩが発情期を癒すために行う行為の一つで、αの匂いを求めて私物をかき集め、番が外出中はその中に埋もれて過ごすというもの。
「諦めきれない、ってぇーのか…」
シュラはαにはならないというのに。どれだけそう言い聞かせて納得したフリをしても本能が求めてしまう。
「シュラ…」
 短くて呼びやすい名前。今更だがコレって本名なのか?お前も本当の名前持ってたりするのか?この名前しか知らないから、聖闘士ではないお前の名前を知っても呼ぶ気は無いが。なんだか凄く、俺の口に馴染むんだよな…

――ただ、お互い好き合って結ばれて、二人で穏やかに暮らしたいだけなのにいつもそれが許されなくて。想いは通じているはずなのに。想いが通じても、結ばれても、直ぐに引き裂かれてそれが何度も何度も…。次こそはと未練がましく生まれて来ては、繰り返すばかり。本当に、満たされない。一緒にいれるだけでいいなんて、それだけではもう満足できないんだ。こんな俺たちを、神は何が楽しくて眺めているというのか。愛と平和の神に使えさせて、それを裏切るシナリオで、きっとまた、俺たちを突き落とすのだ…――

――……
「……デスマスク」

 耳に馴染む声に名前を呼ばれ、体が揺れた。ふ、と瞼を持ち上げると涙が溜まっていて視界がぼやける。横を向いていた体を仰向けに倒されて、瞬きを繰り返しながら目の前の黒い影を眺めていると布で目元を優しく拭われた。
「デスマスク、調子が悪くなったのか?せめてベッドに上がれ」
 視界がハッキリして自分を覗き込む顔に手を伸ばした。シュラだ。
「…帰り早くねぇ?俺寝てた?もうそんな時間?」
 伸ばした手は頬へ届く前に掴まれて、仕方なくそのまま体を起こす。その体からタオルケットではない布がハラハラと落ちていった。体を起こして床に手を付いたはずなのに、布に触れて少し滑る。
「今日は早く終わってな。お前は何か探していたのか?それにしても散らかし過ぎだろ」
 ため息を吐きながらシュラはデスマスクの体に乗る衣類を集め始めた。それはシュラの服だ。デスマスクが全部、クローゼットから引き出した…
 その様子を見たデスマスクは突然何度も首を回してシュラの部屋を見渡した。狭い部屋に散らかる衣類、そこに埋もれてうずくまっていた自分。それは、まるで…

――あんなにαの荒らし行為が気持ち悪いと言ったくせに、Ωとして全く同じ事をしている――

 そう気付いた瞬間、デスマスクは動悸がして胸を押さえた。
「おい…本当に調子が悪いのか?」
 不審に思ったシュラは集めていた服を置いてデスマスクの背中に手を添える。
「一度部屋に戻れ、連れて行ってやるから…「違う」
 抱き上げようとしたシュラを制し、息を整えてから少し震える声が響いた。
「お前、この部屋見てどう思う…」
「どう?…まぁ、やってくれたな」
「気持ち悪くねぇ?気持ち悪いよな…?勝手に部屋荒らされて…αのように…」
 そこまで聞いてやっとシュラは"あぁ…"と何かに気付き納得した素振りを見せた。集めた服の中から適当にTシャツを1枚掴んでデスマスクの前に差し出す。
「コレ、が欲しかったのか」
差し出されたTシャツを一目見て、恥ずかしさからデスマスクは顔を背けた。
「βのものでも構わないのか?αのように癒しにはならんだろう。好きならばそんな事関係無いのか?」
 シュラはデスマスクに持たせるようにぐいぐいとTシャツを押し付けた。それを振り切るようにデスマスクが声を荒げる。
「コレはいらねぇっ…!何も匂わんし何の癒しにもならねぇよっ!」
「…だよな、所詮βではな」
「そうではなくて、お前の物持つとか気持ち悪いだろ…お前、が…」
 消え入るような語尾も聞き逃さず、真っ直ぐデスマスクを見続けるシュラから軽く笑う声が漏れた。
「別に、これはΩの巣作りみたいなものなのだろ?β相手にもこんな愛情表現、可愛いことしてくれる」
「だっ…?!うるせぇ!好きだから、仕方ねぇだろ!」
「あぁ、仕方ないな。コレも、αのアレも…」
 静かに呟いて、シュラは再び散らばった服を集め始めながら言葉を続けた。
「欲しければどれかお前にやるが?」
「いらねぇよ!さっき言っただろ!こんなん、貰っても…」
「だが気になるから出したのだろ?一つくらい持っておけ」
 そんなこと言われても、わかっているのか?コレを貰って、コレがどう使われるのか…。自分でさえわからない。抱いて寝るとかそんなかわいいコトだけで終われるなんて、思えない。それこそ最低なαの行為と同じで…。βの物だから、それでも癒されなくてとことん最低な行為の道具になるとか想像つかないのか?
「好きにすればいい。俺ができるのはこれくらいだからな…寧ろ役に立つなら持っていってほしい」
 言葉にしていないのに、さすがΩを調べ上げてただけある。いやαの行為を見ていれば分かり切った事なのか。
「…コレ、ぐしょぐしょになるとか考えねぇの?」
「だから好きにしろ。返さなくて良いぞ。使えなくなったらまた何かやる」
 シュラはククッ…と笑った。例えシュラが自分に好意があるのだとしても、そんなこと気持ち悪いとは思わないのか?心からの愛があれば、受け入れられるものなのだろうか。俺の信用を得るために無理しては…いない、と思う…。嫌な事であればこんな提案すらしてこないだろう。
「…だったら」
 デスマスクの声にシュラは動きを止めて顔を向ける。
「さ…、洗ったコレじゃなくてよ…」
 手が伸びてきて、袖をクイっと軽く引かれた。
「今着てる、コレがいいんだけど…」

ーー

 デスマスクの申し出にシュラは直ぐその場で鍛錬着を脱いで渡した。受け取ったデスマスクは両手でそれを握り締めてから、何も言わず突然テレポートをして自室に戻ってきてしまった。
「…せめて、あの部屋片付けてやるべきだったな…」
 しかしまた戻るのも恥ずかしい。今のシュラなら怒ったりしないだろ。
 ベッドの上で、まだ温かい脱ぎたてのシュラの鍛錬着を抱いて横になる。さすがにこれは、ほんの少しシュラの匂いが残っているような気がする。フェロモンではない人間の匂い。
……やばい、むずむずする、かも……
 たった今の今で使ってしまうのは、あからさま過ぎて自分でも嫌だ。昔はそうだったが今、自分は欲を癒すためにシュラを利用しているのではなく本当に惚れてしまっているのだ。嬉しい。ただの鍛錬着一着だけなのに今腕の中にあることが嬉しすぎる。せっかく手にした物だから、汚さないように…。あぁ、そうか。汚さなければ…いっか…。

 上半身裸のまま部屋の片付けを終えたシュラは部屋着を掴んでシャワー室へ向かった。居間を出て階段の下で足を止める。特に上からの音は何も聞こえない。いや、耳を澄まして何か聴こえてきたら満足するというわけではないのだが。
 着ていた鍛錬着を渡した瞬間に見せた、デスマスクの蕩けた顔がずっと頭に残って離れなかった。嬉しそう、とは違う。発情期のピーク中に見せた情緒の激しい表情とも違う。キスをしなくてもただの服一着であんな顔を見せられると、もっと良い物をあげたらどうなるのだろう?そんな期待が沸いたが、普段から与えていないからこそだよなと考え階段下から足を動かしシャワー室へ入った。

 ――好きな男が自分に夢中になる姿がたまらない――
 どこまで我が儘をしても見捨てられないか試す男と、どこまで与えなくても追い続けるか試す男。ただ穏やかに愛し愛される事が叶わないゆえに歪んできた関係。βとΩとして生まれてきても切れそうにない二人の運命。何をしても切れそうにない関係は、何をすれば壊す事ができるのだろうという好奇心が少し出てしまう。デスマスクを無理矢理αに渡していたらどうなった、とか。…そんな事できるはずもないと知っているからあえて考えられるのだが。きっと、聖域が早くに崩壊するだけだろう。怒ったデスマスクがしおらしく自死するとは思えない。俺を困らせる全ての策を尽くし、聖域のみならず世界の平和を巻き込む最悪の結末だ。
「それも面白そうだが、俺の大切な男だからな…」
 好奇心はあっても本当に傷付け合うような事はしたくない。悲しい顔より先ほどのような蕩けた幸せそうな顔が見たい。いつになれば叶う?いつになれば…。早く…もう、そろそろ、良いのではないか…?オレは何を待っている?

 じわり、デスマスクを想うと疼く事が増えてきた。与えた鍛錬着をあいつはどうする?どうしている?今、抱いているのだろう?いや、抱かれているのか。αの遺物でもないアレを相手にして、フェロモンなんか無いというのに必死に縋って…。
「はぁ……デスマスク……」
 流れ続けるシャワーの中で吐息混じりに名前が溢れた。隠しても無駄だったな、お前の名前。巨蟹宮にデスマスクが現れるから、という理由だけで付けられた名前。お前自身を表すものではないと思って最初こそ呼び慣れなかったが、今はこれしか考えられない。死を覆い隠し、生まれ変わっても追い続ける姿。死を終止符として終着としない。死んだ事を隠し続けて終わりを見せない。だから俺がβであっても、あいつは諦める事など頭に無い。疲れてしまう前に一度、抱き締めてやらないと。それだけで、どんなに蕩けた顔を見せてくれるのか…。
「……ふっ……」
 沸き出た欲望は素早く流れ消えていった。目の前のタイル壁に腕を付いて、排水口を眺める。ずっと意識することなど無かったというのに、ただ吐き出すだけの行為でもデスマスクの事を考えるようになっていた。裸を考えるまでもなく果ててしまえる自分に可笑しくなる。以前、デスマスクから仕掛けられた些細な切っ掛けにこうも影響を受けてしまうとは。
 サガがデスマスクの様子を見続けるのはいつまでだろう。自分の中でずっと秘めていた愛おしさが、こうして欲となり溢れるようになってきている。それよりもっと強い執着が奥底で燻っているのを時おり感じる。知らない景色と知らない自我がデスマスクを渇望してくるようで。それはまるで、敵が自分の中にいるような…。αの、ような…。

ーつづくー

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2024
03,30
結局平日の夜はバテて創作進まず…。休日、無人になる隙を狙って一気に落書きです。描いてないと描きたくなりますねぇ。



オメガバ落書き。最初からシュラα、デスΩの世界。
まだお互い好きでもないのに反応してしまうのを耐えて、苛々するの図。

デスマスクはもうだめかも、と思うけどシュラが腕とか関係無いところ噛んで気合いで気を紛らわせてどうにかデスマスクを巨蟹宮にぶち込む。
それからシュラはデスマスクを本格的に避けるようになるが、デスマスクはシュラに噛まれた腕の痕を見る度に思い出してだんだん沼っていくパターン。ちゃんと我慢してくれた事もポイントが高い。
シュラはシュラで噛んだ時の快感が忘れられなくて苛々している(欲求不満)今まで他のΩに対して理性が飛んだ事など無いというのに何でコイツなんかに!という展開。

(`・ゝ・)「お前と番になる気は無い!」
(゚Д゚)「俺の何が嫌?どこが嫌なんだ?お前が気になること全部直すから教えてくれ!」

デスマスクに誘惑されまくって、もう殺しそうになるけど、殺されてもいいとか言うデスマスクにまた困惑して結局手がかけられない。シュラもだんだんコイツがダメな理由って何だ?とか頭がおかしくなっていく。そして他のαと話しているだけで許せなくなっていく。
トドメにデスマスクから改めて「番にして」と誘われ勢いでゴールイン…。ゴールインしてやっとシュラからデスマスクへのラブが解放され加熱。

(゚∀゚`)「結局お前、俺のどこが嫌だったんだ」
(・ゝ・)「…ワカラナイ」

カワイイ(・ゝ・)づ(゚∀゚`)カワイイ

♡ジ・エンド♡

オメガバ本の挿絵に向けて裸を描く練習しないとなぁと思い無駄に蟹を剥いてますが、昔からシュラの裸はあまり描く気がしない(笑)
元々、男性の裸に興味が無いのもありますがそれ以上にプレッシャーがあるのかもしれない…
蟹のためにいい体を描かねばならんという…☝︎(・ゝ・)☝︎ドヤ
聖闘士イチ鍛え抜いた自信ありそうだもんね…
自信はあるけど、それが当然っていう態度。ドヤ(・ゝ・)ドヤ
結局、デスマスクと大差ない体にしかならないと思います(゚∀゚`)

話変わりまして(・∀・)
子がいきなり「ミスターバナナになる」とか言い出し、その流れで突然ミスターポポ(オリエンタルカレーみたいなやつ)を思い出してからミスターポポが頭から離れない!
しかもオリエンタルカレーのキャラは別に顔面黒くなかった(笑)



確認したら耳がとんがっている以外だいたい合ってた…

鳥山明さんの訃報は本当に残念ですね。ファンでもない自分でさえそうなので。実家近くに鳥山さんの母校があるからわりと身近に感じる人ではありました。同人仲間でそこ通ってる人もいたし(笑)
美術の先生が赴任前に種村有菜さんを教えてたとかもあったなぁ。学生時代のポスターが美術室に掲示されていた(笑)少女漫画絵ではなく普通の絵。中学生であの画力はさすがというレベル。

自分自身が歳を取ったので、よく知っている有名人の訃報ばかりになってきました。自身が早死にでない限りこれはみんな経験する事だろうし仕方ないけど、改めて考えさせられることが多いですね。

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2024
03,28
近くの灯台にずっと刀剣乱舞のキャラとコラボしたカレーが売ってると思い込んでいて、ひょんな事から改めて調べてみたら刀剣乱舞関係無かった…

灯台擬人化だった(゚Д゚)

灯台擬人化って何(・ゝ・)
正直、刀剣乱舞もわかってないですが(笑)



そんな近所の灯台がこちら↑

しかも声優揃えて本格的な展開をしている。日本財団関わってるならお金は持ってそう(笑:勝手なイメージ)音声作品多いから声優ファン向けなのかな?灯台ファンは別にキャラクターとか求めないですしねぇ。

声優の名前わからん自分でも置鮎さんとグリーンリバーライト氏はわかる!
シュラ声優さんもいた(・ゝ・)三重県の灯台(笑)近いから行きやすそう。
青二プロが担当してるようなのでキャラ名でならわかる人多いですね。まだ擬人化されてるのは半分くらいであと40人くらいは追加される模様(笑)伊良湖岬もまだっぽい。

何コレ状態ですが、灯台は好きなので地味に追ってみようと思います(笑)
昔、潮岬に行った時はとんでもない暴風雨で灯台どころではなかった…(゚∀゚`)あそこは再訪したい。
潮岬灯台の声優は瞬だったけど、まさかネビュラストームから選ばれたとか関係無いよな…。

ここ数十年で擬人化とか偉人・神話のキャラ化がめちゃ増えましたね。もう飽和状態と言うか。
刀剣乱舞も知らないなりに、五月雨ってキャラがいる事は知っている(笑)艦隊これくしょんも。
ゲームやる余裕が無いので手を出す事は無いだろうけど、そういうキャラは贔屓目で見てしまいますねー。

ーーー
話変わってあれから異母兄弟について考えてみました(・ゝ・)
アフロディーテも加えて。

ξ゚、ゝ゚・ξ へー、シュラが兄さんになるのか
ξ゚、ゝ゚・ξ よろしく☆兄さん♡

(゚Д゚)…
(゚Д゚)ケッ!オレサマ絶対に呼ばねー。シュラはシュラだ。クソシュラ!

兄さん♡ξ゚、ゝ゚・ξつ(・ゞ・)…ヤメロ

(゚Д゚)…ケッ!

(゚Д゚)…
(゚Д゚)…
(゚Д゚`)…

ニッ…ニィサン…(゚Д゚`)ボソッ…   Σ(・ゞ・)

早速兄弟ごっこを始めるアフロディーテを見て、キモ、と思っていたデスマスク。でも何かだんだん2人の関係が本当に兄弟みたいに見えてきて、無意識に嫉妬し始める。2人の前では兄弟ぶらず今まで通り突っ張り続けたデスマスクだが、うらやましさのあまりシュラを「兄」と呼ぶ練習を始めてしまう(流されやすい蟹)
兄さん、兄貴、兄、兄ちゃん…どれも恥ずかし過ぎると一人で悶える夜…。

ξ゚、ゝ゚・ξ      (゚Д゚)シュラはお前だけの兄じゃねぇ!

知ってるけど…ξ゚、ゝ゚・ξ      (゚Д゚)

ξ゚、ゝ゚・ξ    どうした(・ゝ・)    Σ(゚Д゚)

オレのシュラ兄さんを独り占めするな!だって♡
ξ゚、ゝ゚・ξ    (・ゝ・)    Σ(゚Д゚)

逃がさんぞ(・ゝ・)つ<`Д´;))ピィー!

やっぱオチがね…全く思いつかないのだ…。
モダモダが続きすぎて山羊蟹に辿り着けん…。

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2024
03,24
とある、頬が赤らむ描き方が見たことある表現多くて流行かと思っていたら、アレ多分そもそもペンで描いてるのではなくカケアミペン?か何か使ってるから別人でも同じ照れ頬になってんだなと今更気付く(笑)そうか…もう頬の斜線すら描く時代じゃないのか(笑)あの雰囲気をアナログで出そうとするとトーンになるから手間とお金かかるけど、デジタルなら手間じゃないもんなぁ。ぼちぼち商業作品とか見てますが、自分アナログ描きから全然アップデートできん(゚∀゚`)
で、この絵で試してみれば良かったと今思う(笑)またの機会にでも(∩゚∀゚)



一応オメガバ落書きですが首がよく見えないので、ただの痴漢に(笑)とにかくシュラと体の関係持ちたいΩ蟹(オメガニ)。お手伝いを申し出ては断られる(゚∀゚`)
デスマスクは体も同じくらい大きいし、手も同じくらい大きいし、何より口がデカい(と私は思っている)ただ喉までデカいかはわからん(笑)
お尻に手をつけるよりは圧倒的に負担が軽いだろうと思うけど、一つ許したら際限無くなりそうなので性的な事はお断りしているβシュラ。今は行為に進むことよりも、デスマスクが擦り寄って来ることの方が内心興奮する時期、みたいな。
(゚Д゚)「オマエもオレの事好きなくせにぃぃいい!」
と自信満々なデスマスクは見てるだけで可愛い(・ゝ・)

それとは関係無い話ですが、復活後設定でシュラが長生きする中で自分の髪がどんどん白髪に変わっていく…というのは何となく、デスマスクと一つになっていくのを感じて最後の救いみたいだなとは思います。
自分設定のデスマスクは復活後でも早めに亡くなり、シュラもそんなに長生きではなくアフロディーテが全てを折り畳んで終わるイメージでいるのですが(おそらく描く事はない)、シュラの髪が総白髪になるまで生きて終わる方が山羊蟹の復活設定の終わり方としては一番綺麗かなとは思う。
多分シュラは禿げない(笑)髪の毛、太くて硬そうだから(・ゝ・)白くなるタイプだと思う。
そう思うと、山羊蟹というのはそこまで完成されたカップリングなのか…と感心しかない(笑:全て妄想)

あと、星矢ならではのネタで多くの人が一度は頭を過ぎるであろうネタ…「シュラとデスマスクが実は異母兄弟だった」
スペイン出身でもスペイン人とは限らない…
イタリア出身でもイタリア人とは限らない…
ただ、この2人に関しては正直ガチ兄弟だったとしても恋愛感情に関して「だから何?」の一言で終わりそうだなぁと思って、自分の中ではそこまで話が広がらなかった(笑)
何というか「こう来たか!」というネタがあればぜひ読んでみたい。現代社会や学生パロではなくて、聖闘士のままで異母兄弟判明してからの展開。

(゚∀゚`)「え?何?お前オレっぴのオニーチャンになんの?同じ血ィ流れてんのキモ」
(・ゞ・)「お前みたいなクズが弟の方がキモい。全身の血を変えたい」
(#・ゞ・)(゚皿゚´)ギギギギギ…

でも、妙にテレパシーが通じやすかったような…と思うのは俺らが兄弟だったから?とお互い意識し始める…。そして急にデスマスクに対しての過保護が発動するシュラ。この「気になる」から始まった膨れ上がる想いは、家族愛なのか恋愛なのか…

多分、クライマックスはデスマスクのオニーチャン呼び。でもシュラからそう呼ぶなって怒られる。1歳も離れてない、って。
(゚Д゚)双子だってそうじゃん、半年も離れてたらニーチャンじゃん。
(#・ゞ・)言うな、やめろ。
(゚Д゚)…オレがクズだから?
(・ゞ・)…それもあったが、今は違う。
(゚Д゚)じゃあ何だよ
(・ゞ・)…言えるか、クソ!

シュラからいきなりキスされる蟹。

(゚Д゚)…何だよぉぉぉおおおお!

揺れる、複雑な想い…

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2024
03,20
 フェロモンを出したままデスマスクが聖域に戻った騒動の後、シュラはサガとの面会に強い意志を持って挑んだが、デスマスクに対して咎められたり強硬手段を取られる事は無く肩透かしを食らった。むしろ清らかなサガはどこか後ろめたい雰囲気でデスマスクの様子を気遣うほどであった。ただ「デスマスクはαと番う気は無いと言っている」とハッキリ伝えたシュラの言葉に「今は焦らず模索していこう」と、控えめに考えを改める気は無さそうな言葉を返してきた。

 巻き込んでしまったアルデバランや対決した聖闘士たちにはシュラが出向き詫びて回った。そしてサガよりもアフロディーテが最も恐ろしく、顔を合わせた瞬間にデスマスクから目を離した事をこっ酷く叱られた。本心からデスマスクを心配しての怒りという事が感じ取れたためシュラは何も言い返せなかった。説教をされる中でアフロディーテがデスマスクを傷付けてしまうかもしれない恐怖に震えていた事に気付き、シュラが来た事で心置きなく荒ぶりをぶつける事ができたという点だけは感謝された。何も嬉しくないが、自分の存在がデスマスクとアフロディーテの関係を守ったらしいという事は良かったと思う。デスマスクはαという存在を嫌うものの、アフロディーテ個人を嫌っているわけではないのだから。

 発情期が終わりデスマスクも聖域に戻ると、デスマスクは自分に対する周りの雰囲気が変わったように思えた。どこかΩが馬鹿にされていたような空気を感じていたものから、Ωを怖れるものへと。それを鼻で笑い、シュラと共に巨蟹宮まで向かったが私室への扉の前で足を止めた。
「どうした?」
「…ちょっと、嫌だな」
中へ入ろうとしないデスマスクの代わりにシュラが扉を開け、先に進んだ。
「誰もいないから大丈夫だ。…部屋も全て戻してある」
だから来い、と軽く両手を広げて部屋の中へ誘う。きっと、ここで見てしまったものがトラウマにでもなっているのだろう。デスマスクはシュラを見てその場所までゆっくり歩いて行くと隣に寄り添った。
「…なぁ、お前の宮に俺も住むことできねぇの?」
ぼそりと呟かれた提案にシュラは顔をしかめる。
「それはちょっと…理由が無いな…」
「Ωは狙われて危険ですから、で良いだろ。むしろ何で今までそうしてこなかったんだってレベル」
「基本的に黄金は自らの宮を守護しなくてはいけない。確かに外泊やら何やらで、あって無いような規則だが。それより俺たちが必要以上に近付く事は避けておいた方が良いと思う。お前は絶対にボロを出しそうだからな」
あくまでもここではβとΩを超えないように。そう言われたデスマスクは唇を尖らせると、シュラの腕を掴み居間の方へ向かった。
「だったらせめて、戻った初日だけお前もここに泊まってくれ」
「だから…「何か気持ち悪くて落ち着かねぇもん。お前の匂いでお清めしてくれよ。匂いわかんねぇけど」
ぎゅう、と腕を握って軽くもたれ掛かってくる。デスマスクの甘えた姿にため息が漏れた。
「…今夜だけだぞ、明日の朝は勝手に出て行くからな…」
んふっ…と満足そうに笑うデスマスクの体がポッと熱を帯びた気がして、シュラは慌てて開けたままの扉を固く閉めに戻った。

ーー

 年が明けシュラは21歳を迎えた。1月の終わり頃にはまたデスマスクの発情期がやってくる。聖域を経つ前に再検査を受けておこうと貴重な休日に検査機関を訪ね採血を終えたシュラは、帰りにロドリオ村へ寄り久しぶりに本屋の前で立ち止まった。
 デスマスクがΩかもしれないと知った頃、とにかくΩについて知りたくてたくさんの本を漁り読みふけっていた。あの頃の自分はデスマスクにどんな期待を抱いていたのだろう。Ωという希少な存在を見てみたい…それだけではなく、そのΩがデスマスクであれば良いのにと。その願いは呆気なく叶い、首輪を着けたデスマスクの姿を見た瞬間には芯から震えるものを感じた。
 似合ってる、かわいい、守ってやりたい、手にしたい、離したくない、俺のものになればいいのに…。
 自分の中に渦巻くαのような欲望を感じては振り切ってきたつもりだった。しかしβには手に入らないはずのΩはその欲望を次々と叶えていく。
 守られたい、離れたくない、愛してほしい、お前が好きだから…。
 それは、自分がαではなかったから選ばれたのだろうか?βだから、フェロモンに左右されない愛に憧れたΩに。ただ、どう足掻いてもβはαに敵わない。愛するΩを守り切れるのはα。βとΩがαの脅威から逃れる道は、今生に別れを告げることのみ。俺たちが愛を選ぶのは、無責任に聖域と世界の平和を投げ出すことにも繋がるだろう。この愛は平和を願うものではない。俺たちの、欲にまみれたもの…。

 店頭に並べられた生活雑誌を眺めてから、ふらっと店の中へ立ち入る。第二の性についてまとめられた本棚。何度ここに立ったことか。手に取りやすい平積みの雑誌を手にしてパラパラと眺める。雑誌のデザインや読者への訴え方はおそらく今風に書き換えられているが、中身としては知っている事がほとんだ。数百年前から知られていて長年研究され続けている第二の性は、そこまで頻繁に新しい情報が更新されたり新発見があるものでもない。何より自分はもう何年も本物のΩに寄り添って生活をしている。今なら自分が記事を書いた方が斬新な物に仕上げられそうな自信もあった。

 本を戻して店を出ようかと視線を動かした時、視界に「Ω」の文字が映った気がして無意識にそれを探した。いつもの場所とは違う、もう少し奥へ進んだところ…

――あぁ…こんなものまであったのか…
 踏み込んだ先は成人向けの雑誌コーナーで、その1冊が「Ω特集」の写真集だった。左開きの表紙には女Ω、裏を返して右開きの表紙には男Ω。首輪だけ着けた柔らかそうな裸は草花やレース、リボンなどで上手く芸術的に隠されている。
 絶対にやってくれないだろうが、こういう装飾は白い肌のデスマスクにも映えるだろうな…。
 そんな事を何気無しに思いながら雑誌を手に取ってみたが。

「……」
 中身を開いて騙されたと思った。Ω単体で写っている写真はおそらく発情期中のものかαに発情させられているあられも無い姿がほとんどで、更にはαと思われるモデルとの愛情よりも支配されているかのような品の無い絡みの写真も含まれていた。少しでも表紙のように芸術的なものかと期待した自分が馬鹿だった。
「…所詮、ただの性欲雑誌か…」
 何の魅力も感じない。こんなもので無理に発散するより、デスマスクの単なる寝顔でも見ている方がずっと満たされる。
 シュラは手に取った雑誌を静かに戻し、何も買わずに店を出た。

 …その様子を、店内で気配を消して伺っていた男がいた。その男はシュラが去った後、成人コーナーに立ち入り同じ雑誌を手に取った。パラパラめくる手が、震えている。
――あいつ、何でこんなものぉ…!
 下唇を噛んで、手にしていた雑誌を雑に投げ戻した。店を出るとシュラの姿は見当たらない。男は辺りを見渡し少し歩いてから、静かに姿を消した。

ーー

 再検査の結果は、何も期待していなかった通りβのままだった。むしろ数値が下がっている項目すらあった。シュラ自身それによって自分が弱くなったと感じるわけでもなかったので、特に気にする事は無かった。

 デスマスクの発情期が近付き聖域から連れ出す日、巨蟹宮でシュラは再検査の結果をデスマスクに見せた。チラ、とβの記号だけ確認したデスマスクは「もう検査しなくていいんじゃねぇの」と低く呟いた。
 十二宮の入り口まで二人で下りて行く中、デスマスクはどこか機嫌が悪そうで静かにしている。少し久しぶりに会うので嬉しさが隠しきれないような素振りをされるかと思っていたが、また早めに発情期が始まってしまうのではと考え、辺りの気配を探り、デスマスクを庇うようにすぐ側を並んで歩いた。

 今回隠れ家に向かったのは夕方。着くなり自分の部屋へ向かったデスマスクは夕食まで下りて来なかった。シュラはデスマスクの様子を見ていたが、熱っぽさは無く逆に冷めたような雰囲気を感じていた。普通に体調が悪いのかもしれない。リゾットでも温めるか…とレトルトを箱から取り出して準備をした。

 夜、階段から下りて来る音が聞こえる。シュラは扉が開く音を聞きながら、温めておいたリゾットを皿に盛り付けテーブルへ持って行こうとした。

「……」
 振り向いてデスマスクの姿を見たシュラは、違和感に立ち止まる。デスマスクもそんなシュラを見てソファーへ向かわず、手に持っていたリゾットの皿をわざわざ自分で受け取りに来た。
「……そんな衝撃かよ」
 シュラの目の前で首を傾げてみせる。いつもより、しなやかに曲がる首。
「お前、調子悪いのか…?」
 呟いたシュラは空いた右手を思わずデスマスクの首に伸ばして、触れた。柔らかく、温かい。いつも首をすっぽり覆っている保護首輪を着けていない。いや、それくらいはシャワー前後などでたまにあった。ただ黄金の首輪だけは何があっても外す事はなかったのに、それすら身に着けていない。7年前に見たきりの、何も着けていない無防備なデスマスクの首元。
「首が苦しい、とか…」
「何も無ぇよ。だってお前βだろ?二人きりなら守る必要無ぇし。それと、こんな状態のままどっかに消えて行きませんっていう意思表示」
 そう言ってデスマスクは首に触れる手を払い、テーブルにリゾットを置いてソファーに座り込んだ。シュラは寂しくなった右手でスプーンを二人分掴み、後に続く。
「お前ってβのくせに首輪ある方が好きとか?」
 スプーンを手渡すとデスマスクに問い掛けられた。「別に…」と答えてから考える。首輪は首輪で似合っているとは思っていたが、好きかと聞かれればそこまでこだわりも無い、はず。
「そりゃあアレは窮屈だからよ、これからここに居る間だけ外すことに決めた。βに噛まれても問題無ぇし。成人過ぎてαに変異ももう無理だろ…」
「わかった。好きにすればいい」

 そこから食事の間は言葉を交わさず、時おりスプーンが皿を打つ音が響いて終わった。
 シュラが洗い物をしていてもデスマスクはソファーに座ったままで部屋に戻る気配が無い。片付けを終えてデスマスクの元へ行くと、声をかける前に直ぐ隣の席を手でパタパタ叩かれた。
――普段は向かい合って座るが何か企んでいるのか…
 怪しく思いながらゆっくりと隣に腰を下ろす。
「何か話があるのか?」
「ちょっと気になってる事がある」
 デスマスクはシュラの問い掛けに答えながら、スル…と手のひらでシュラの太腿を撫ぜて。
「お前ってさ、今までどうやってコレ発散してきた?」
 ぐぐ、と体を寄せ、シュラにもたれて軽く股に触れた。その手は呆気なく払い退けられる。
「…どうも何も…普通に、だ…」
「普通に、何を考えてしていた?」
「わざわざ何かを考えるとかは無い」
 無い?とデスマスクは明らかに不満気な声をあげた。
「お前エロ本見てただろ」
 冷めた低い声で問われる指摘に今度はシュラが「はぁ?」と不満気な声を漏らす。そんなもの持っていないし興味も無い。

「この前、本屋で見てたのオレ知ってるからな!」
 …そう言えばそんな事もあった。下心で見たわけでは…と思ったが、デスマスクの裸がこんな風に装飾されたら、という妄想は下心で間違いないのか。
「しかもΩのな!俺の前では健全ぶってるくせに、そんな趣味あったのかよ!」
「アレはたまたま…「良い相手になりそうな子でもいましたか?!」
 すぐ真横に迫るデスマスクに押され、シュラはソファーの肘掛けを跨いで床に片手を付いた。まったく何を怒りだしたんだ。
「待て、ちょっと落ち着け。また発情期が早まるぞ…」
「早まってもお前に関係無ぇし。可愛くねぇΩの淫乱な格好なんて見ても萎えるだけだろ?!」
 その言葉を聞いて、あぁ…と納得したシュラは反らしている体を戻しデスマスクを押し返した。

「お前、勘違いして嫉妬したのか」
 よくある漫画みたいなこと本当にあるんだな、と続けると拳が飛んできたので避けた。怒っているのか恥ずかしいのか、眉間に皺を寄せたまま目が少し潤んでいる。そうか…急に怒りだしたのではなく、コイツは最初からずっと怒って不貞腐れていたのか。

「はぁ…お前の可愛さは見た目ではなくて、そういうところだ」
 いや…自分に限っては見た目も好みなのかもしれない。完全に男顔のデスマスクは"世間的に可愛いという表現には当てはまらない"というだけで、誰しも美形を好きになるわけではないのだし。
 地上で最も美しいらしいアフロディーテは美貌を称賛されるもそれが恋愛に直結している雰囲気は、長年見てきたがあまり感じられない。憧れる者は多くとも、手にしたいと追い掛ける強者はいなさそうだ。白銀には対抗心を燃やす男さえいると聞いた事がある。デスマスクと同じくらいアフロディーテの事も側で見てきたが、よく考えればアフロディーテに対して可愛いと感じたことは無い気がする。怖い、はよくあるが。

「お前は股を開いてあられもない格好なんか見せなくて良い。それは気持ち悪いとかではなくて、お前はそんな事しなくても何気ない素振りや仕草が可愛いから十分満たされるんだ」
 先程とは逆にじわじわ押し倒されてシュラに覆い被さられたデスマスクはソファーの上で丸くなって不満気なまま顔を逸らしている。
「…じゃあ、俺の事も考えたこと無ぇんだな…」
 小さく絞り出すような声が聞こえた。それが一番聞きたかったことか、と愛しさが増す。
「ずっと大事に守ってきている仲間をそんな風に扱えるか?」
「そんな綺麗事、言わないでくれ…」
 デスマスクは顔を腕で覆って隠してしまった。デスマスクに何かをしたりされたり、という妄想で処理をする事は本当に無かったが、体が熱を持つ切っ掛けのほとんどはデスマスクで間違いない。だいたいは目覚めた時に終わっている。起きている時、生理現象に襲われても普段から自慰を楽しんでいるわけでは無いので処理自体は直ぐに終わる。ゆっくり妄想なんてするまでもないというのが真実だ。
「お前は俺に考えてほしかったのか?」
「もぉいい…」
 自分に都合が悪くなったのか殻にこもってしまった。そもそもデスマスクの事を考えてしていたとして、それを正直に言うと思うか?好きな相手からそれを言われると嬉しく思うものなのか?例えば、シュラの場合デスマスクが発情期を癒すために自分との行為を考えながらしていたら、嬉しいと思うか…?
「…お前は、発情期の時に俺とのことを考えたりした事はあるのか?」
「ンなモンあるわけねぇだろ!ヴァーカ!」
 思い至ったままの疑問を口にすると、デスマスクは急に声を張り上げてからそのままテレポートでシュラの下から消えてしまった。

「…まぁ、意識も朦朧とする程だし何か考える余裕は無いよな…」
 一人取り残されたソファーの上で座り直しながら"あったとしてもアイツこそ素直に言うわけがない"と思う。ならば、自分との行為を考えていたとしたら?そもそも自分がどうやってデスマスクを抱くのかも想像できない。キスはした。キスをして、多分あいつのことだから自分から要求してくるかもしれない。触れてほしいところを、自ら体を開いて見せて…ん?そこまで大胆か?発情期の最中は積極的過ぎたが、実際は恥じらうタイプではないか?

「……」
 そんな事、真剣に考えてどうするんだ。おそらく自分がデスマスクを実際に抱くという事には至らないだろう。何か事故が起きない限り。妄想したところで虚しいだけではないか?妄想だけでも満たされるものなのだろうか?それで満足できるくらいなら、デスマスクもわざわざ抱いてほしいなんて口にしないだろう。
 もし「お前の事を想ってした事がある」と言っていたらあいつはどんな反応をした?素直になって「俺も」と本当の事を言うのか、それとも馬鹿にされるか。その先にどんな展開があった?まさか「妄想じゃなくて俺を抱けば良い」とか結局言い出して…。

「…気を抜かないに越した事は無いな…」その必死さは可愛いだけだが。
 溜め息をつきながらシュラは立ち上がり、シャワーを浴びる事にした。

ーつづくー

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2024
03,17
「ンンッ…!ふ、はぁっ…!ァアッ…」
 しゅらとキスした、しゅらにキスされたぁっ…
 すき、すき、もっと触ってほしい、もっと触って、おれに触って、舐めて、なめてくれよぉっ…!

 シュラが部屋を去った直後、それまで効いていた抑制剤の効果は一瞬にして打ち消されデスマスクは強い幸福感と快感に乱れていく自分が止められなかった。聖域で体中を打ち付けた痛みは全く感じず、中途半端に服をはだけ脱いで、触れて欲しいところに手を這わせた。でも今回はそれだけでは足りない。ベッドからずり落ちて、這いながらΩを癒す道具を求めて引き出しを開けた。
 抱いてほしい、抱いてほしいけど、ダメだって…。注射するって…。
 ジワっと涙を滲ませながら道具と潤滑剤を取り出す。薬が変わってからずっと使っていなかった。
 今日は苦しくて使うんじゃない、もっと…もっとシュラを感じたくて、使う…。
床に寝そべりながら躊躇いなくパクっと口に含んで、先端が上顎を撫でるように動かした。ジンジンしてくすぐったい。
 あいつは多分、おれにこんなことしねぇだろうから、せめてここを舌で撫でてほしい…。でもおれがしたい、って言えばやらせてくれるか…?性欲くらい、βでもふつうにあるよな…。あいつ今までどうやって処理してたんだ?…なにも考えない、が一番いい。ただの処理だ。女なら…十分嫌だが普通に考えればそうだろうから仕方ない。他の男だけは、特にΩは絶対に嫌だ。おれだって男なんかあいつの事しか考えた事ない!
 ずるっと道具を口から引き抜いて、舌で小さく舐めた。
 おれのこと、考えたことあるのだろうか?おれにこんなことされて、とか…。
 ふやんと口元を弛ませたデスマスクは、シュラが自分のことを想いながら処理する妄想でいくことに決めた。こんな事を考えられているなんてドン引きだろうとは思うが、Ωの底なしの欲望に抗えない。自分だって被害者なんだと言い訳がましく体を開いていった。



 隠れ家に来て4日目の夕方、シュラが居間のソファーに腰掛けてスケジュール帳を眺めながら、そろそろ夕食の支度を始めようかもう少し待とうか考えていた時。デスマスクが下りてくる音が聞こえ、そのままシャワー室へ入ったようだった。普段ならまだピークの最中だろうが、今回は早めに来たため抜けるもの早いようだ。
――二人分だな。
ピークの終わりを記入してスケジュール帳を自室の引き出しに仕舞ってから、シュラは夕食の準備を始めた。

 シャワーの後デスマスクは当たり前のように居間のソファーで横たわり、夕食が完成するのを待つ。そして小皿に少しだけ盛られたペンネ料理が配膳されるとチマチマ食べて完食し、シュラの手が開くのを待った。
「ピークは予定通り過ぎたな、キツくなかったか?」
自分用の夕食を食べ始めるなり、待っていたデスマスクに話し掛ける。
「今はもう薬飲めば問題無ぇし」
ソファーで横たわったままシュラの食事風景を眺めて答えた。
「初日、体もボロボロなうえかなり熱が上がっていたようだったが」
「あれは…原因わかってっから…」
シュラにキスしてもらった事は思い出すだけで体がジンとする。一人の時意外はなるべく思い出さないようにしたい。

「…で、言いたい事はあるか」
発情期を挟んでしまって保留にしていた、初日にデスマスクが聖域へすっ飛んでしまった事だ。デスマスクは色々と自業自得だが、迎えに来たシュラに傷を負わせ体力も使わせた。Ωを避けていたであろう聖域のαたちを惑わせ、争わせてしまった。雑兵に至っては何人か死んだかもしれない。
「俺はまたお前の発情期が落ち着いたら先に聖域へ戻ってみるが…サガから何を言われるかわからんぞ」
「…番の話、とか?」
「あの惨状を経験して、即当てがわれるかもな」
確かに一刻も早くΩのフェロモンを抑制するには番を持たせる事だ。自分はシュラの態度に不満を感じて試すような事をやらかしてしまったが、αを巻き込んでしまい本気で首を絞める事態になりそうである。それでも…
「…その話が出ても、嫌だ、と伝えてくれ…」
「言うは言ってやるが、それが通ると思うなよ」
シュラに頼んでもどうしようもない事は分かっているものの言わずにはいられない。忘れていたαに対する嫌悪感がデスマスクの中で急に込み上げてきた。
「なぁ、お前は知っていたのか…」
「何をだ」
「俺が聖域に居ねぇ時、αが部屋に侵入してたこと」
食事をしていたシュラの手が止まる。デスマスクの方をチラリと見た。
「お前さ、たまに俺の部屋整理してただろ?あれってαに荒らされた部屋を片付けてたって事か?だとしたらかなり前からそうだったんだよな?」
「…気付いていたのか…」
「だからこっちが聞いてるだろ!」
シュラは目を伏せ、あぁ…と低く唸るような返事をしてから食事を再開した。それを見たデスマスクの体から力が抜ける。
「…現場目撃しちまったらよぉ…無理に決まってんだろ…。怖いとかじゃなくて、なんかもうスゲェ嫌。お前が言い出せなかった気持ちもわかるけどさぁ」でも、全く何も言わないは無いだろう…。
おかげで衝撃が倍増している気がする。整理された部屋に気付きつつ聞きそびれていたデスマスクにも非があるとは言え。
「αのフェロモン食らってそんな事どうでも良くなるくらいグッチャグチャにされてもよ、好きでもないαにされてもよ、Ωとして悦ぶだけなんだろうなとか考えると死にたくなるぜ…」
ぼそぼそ呟く言葉を俯き気味で聞いていたシュラは、そっとフォークを置くと静かに語りかけた。
「…αへのマイナスな感情を与えず説明することができなくて、結局お前に伝えられないでいた。まだ発情期の症状が不安定だったのもあって余計な不安感を抱かせたくなかったんだ…が、早く正直に話すべきだったな。すまない」
「もういいけどさぁ、そんなだからこれから俺にα薦めるのはやめろよ?」
仕方ない、という表情を見せてから食事を終えたシュラが立ち上がりシンクへ向かう。デスマスクは洗い物をする姿を横から眺め、水の音に負けないよう声を張って自分が気になっていた事を聞いてみた。

「お前ってさ、オレが消えたのいつ気付いた?」
「そもそもいつ消えたのか定かではないのだから、早いか遅いか俺にはわからん。気配が消えていることに気付いた時、隠れているだけかと森も見たがどこから入っていったのかもわからんし見当がつかなかった。探っても動物がやけに集まってる場所があったくらいでお前はいない。コスモを辿ってみれば聖域の方から僅かに感じて、まさかそんな馬鹿な事とは思ったがお前ならそれくらいの馬鹿やってもおかしくないもんな」
…シュラが一気に喋る時は多分、何かしら感情が溜まっている時だ。途中でこちらが返す隙もない。
「既にフェロモンが出ているかもわからないし、単に忘れ物を取りに行っただけかもしれない。それでも俺に一言も無いのはおかしいよな?万が一の事を考えて聖衣で向かったが正解だった。生身でα黄金の攻撃を食らうにも限界がある。実際、聖衣を着ていても未だに体が痛い。もう4日目だぞ?」
「…あぁ、ぅん…負傷させて悪かったって…」
「いや、悪いばかりではない。十二宮へ着くなりお前のフェロモンに酔っているらしいαの青銅と白銀がいたのだが、ちょうど戦ってみたいと思っていたからそれは好都合だった」
「…へ…そうなのか…試せてよかったな…」
入り口付近で倒れている青銅と白銀は見た。金牛宮と白羊宮の間辺りから十二宮の入り口までフェロモン飛ぶなんてほんとオレっぴ最強Ω♡…だなんて言ってられない。
「ならば、αの青銅と白銀はβのお前でも倒せたんだ?」
「雑兵に比べると安易ではなかった。だからお前が巨蟹宮辺りにいる時点で俺は聖域に来ていたが、かなり時間がかかってしまったな」
確かにそれならアフロやサガと対峙してるより時間がかかっている。まぁ二人からは逃げただけだが、アルデバランなんかほぼ一撃で吹っ飛ばして終わらせたと言うのに。シュラ自身、αだろうと青銅や白銀に対して高を括っていた感はあるが"ちゃんと倒す"にはそれなりの闘い方が必要だったのだろう。
「そうか…来てたのか。全然感じなかったぜ、お前のコスモ」
「感じない方が危機感あって自分で努力できたんじゃないのか?」
「そりゃあオレサマは自力で抜け出すつもりだったぞ!」
「フン、俺が出てきた途端へろへろに力が抜けていったくせに」
あとは任せた、ぐらいにな。と言われると否定はできない。シュラが来てくれた事を認識した瞬間は泣きたいほど安堵して、まだ危機を脱していないというのに抱き上げられただけで自分はもう助かった気分でいた。アフロが追いかけて来るまでは。
「アフロの言い草では俺の登場が余程嬉しかったようだな。体力は無くてもフェロモンは無限に出せるものなのか」
「…んな事、俺にわかるわけねぇだろ…」
 洗い物も終えたシュラは再びソファーに戻りデスマスクの向かえに座る。

「馬鹿な事をした自覚があるのなら答えろよ?お前はなぜ聖域へ向かった?αを弄ぶためか?」
「……それ、言っていいのか」
「聞いている、答えろ」
真っ直ぐ見てくるシュラの視線が、まるで答えを知っているのにわざと引き出そうとしているようで、自分の口から言えと命令されているようで、その圧力はちょっとαっぽくて息苦しくなる。
「…αはどうでも良くて、お前が、ちゃんと…どこまで俺に本気になって、追い掛けて来てくれるかって…」
モゴモゴと聞き取りにくい喋りで本音を明かすと、溜め息が聞こえてきた。
「…やはり。なんとなくパターンは見えてきた。お前、俺のことを考えるとフェロモンが出るんじゃないのか?」
そんな恥ずかしい事、ハッキリ言わないでくれ。
「知らねぇよ!自分でわかんねぇんだし、お前もわかんねぇんだし!」
「アフロはわかっていた。おそらく…わかっていて、お前との番にも消極的なんだ」
理性が切れるとあんな状態ではあったが、素のアフロディーテは昔から仲が良くても友人関係を超える事はなかった。デスマスク自身にその気は無かったし、アフロディーテも…。多分、きっと、そう…思っているだけなはず…。俺がシュラを好きとか、最近の事だし…。まさかバレてて遠慮とか…。

「来年、俺が21になったらまた検査は受けてみるが…βで揺るぎなければ、お前もちゃんと考えろよ」
「…アフロにしとけ、って事言ってんのか…だからαとは
「誰とも番にならない覚悟が決めれるのなら、そうとは限らない」
どういうこと…とシュラの顔を見た。
「それは俺にとって、最善で最悪の結末だ」
囁くような、低く小さい声で告げられる。
もう、そういうのが狡い。とにかく狡い。そんな聖域や世界のこと何も考えて無ぇ発言。俺のためにそこまでできるって宣言と受け止めてしまうぞ。

「…βがΩを命がけで大事にするのって、やっぱ、そういう事だよな…?」
シュラからちゃんと引き出したい。自分をどう思っているのか。少し上目にジッと見つめて言葉を溢した。
「お前の場合、言うだけ無駄だろ。俺が使命感から大事にしてるだけ、とかグチグチ考えて結論は一生出ない」
もうそこまでお見通しでデスマスクの事を知り尽くしている。なんでわかるんだ。鈍感な時は演技なのか?ってくらい急に鋭くなるのは何なんだ。そしてシュラのように圧力を掛けたいと視線を送っても全く動じない。お前の眼力どうなってるんだ。
「俺がどれだけお前を追い掛けても、お前は満足しないだろう。一生、死ぬまで、ずっと、永遠に。それを望んでいる限り、お前の俺に対する願望は底無しだからな」
再びシュラがデスマスクを強く見返す。顔を逸らしていても視線を感じて合わせてしまう。そうなるともう、真っ暗な瞳に釘付けで…
「死を以って愛を知り、終わりを迎えるはずだった。なのにお前は死を終止符としない。死を迎えても満足できない欲望を抱え、俺を追い掛け続けている。やがて次の生へと繋ぎ、姿を変えても、性を変えても、俺を必ず見つけ出す」
「…なんの、話…」
「俺と、お前の話だ。死んでも終わらない。どれだけ愛を貪っても満足しない。それをずっと繰り返している」
「…俺は、知らねぇ…。じゃあ、俺に好きって言っても無駄だから言わねぇって事か?…俺の、せいになんの…?」
愛が足りない、いや愛され続けても満足できそうもない飢えには自覚がある。シュラから言葉を引き出したい今この瞬間のように。それはΩに人生を狂わされてから自分が変わってしまったのか、押し込めていた生まれ持った性がΩによって解放されたのかはわからない。でもそんな風に言われると自分が責められているようで、それが悪い事のようで、寂しさと苛立ちが同時に湧き上がってきて体がフルっと震えた。

「…いや、すまない…」
ハッと目覚めた表情を見せたシュラがソファーを立ち上がり、横になっているデスマスクの前に跪く。眉間に皺を寄せたデスマスクの頬に触れようと手を伸ばせば、片手で払われた。
「…俺は、お前が好き。お前は?俺のこと好きだと思ってんの?」
真剣な硬い声が響く。直ぐに答えないシュラの顔を見てデスマスクの口がへの字に曲がる。
「…αに渡したくないと思っている」
「それが限界?」
やっと答えたシュラの言葉には何も満足できなかった。そんな曖昧な事が聞きたいのではない。無駄と切り捨てないで、今だけでも満たしてほしい。
「…この前、キスをしただろう。お前はあれをどう思う?同情でしてやっただけと思っているのか?」
「なんでそんな頑ななんだよぉ!」
自分で考えても答えが出ないから聞いているというのに、言っても無駄だとか、わかってるだろう?とか、そんなことばかりで逃げないでくれ。発情期のピークは終わったはずなのに、抑制剤も飲んで効いているのに、体が熱ってくる。自然と涙目になって、多分、今、ものすごくフェロモンを出している気がする。
「ここは誰も居ねぇからいいだろ?!誰にもバレねぇじゃん!俺が好きなら言ってほしいし、キスして抱いてほしいんだよ!何でお前だけ…何で、こんな、好きになっちまったお前だけぇ!」
「俺と、お前の違いだろうな…。アフロならきっとお前が望むものを与えてやれただろう。だが俺はそれができない。だからずっと俺たちの間には一定の距離感があった。違うんだ。俺たちはどれだけ前に手を伸ばしても掴めない。見えない後ろに手を伸ばしてみて、初めてお互いを捕らえることができるのだと思う…最も離れている、山羊座と蟹座の位置関係のように」
「お前ほんっとめんどくせぇ!お前なんか好きになりたくなかった!もう一生βでいろ!一生βで一生俺の世話してサガにボコボコにされても死ぬまで俺をαから遠ざけてろ!」

 デスマスクは目の前のシュラを片手で何度も殴る。シュラはそれを避けず、体に受け止めて背後のテーブルがガタンと揺れた。シュラももうデスマスクを手放したくない事は自覚しているが、αのように正々堂々と表に出す事ができなかった。時々、自制できない気持ちの荒ぶりを感じ何かを口走っているというのに自分は殻を突き破れず、βの平凡さと弱さがこんなところでも感情を押し殺してしまうとは。
…いや、それなら、まだ良かった。
 本当は弱さとかそういうものではなく。ただ、デスマスクの意識を自分に向けさせ、わざと追い詰めさせているだけなのでは…?
 そう思い至ったシュラは無意識に奥歯を噛み締めた。心が、どこか落ち着かない。噛み合わせが悪くなっているのか犬歯が口内や下唇を傷付ける事が最近よくある。食事中など口の中を噛んでしまうことは昔からあったのに、なぜか最近それが気になる。αでもないのに、自分がデスマスクを傷付けてしまいそうな錯覚が…。

「ちょっ…やめろよ!」
 殴られていたシュラは不意にデスマスクの手を捕らえ、ソファーで寝ていた体をそのまま抱き上げた。
「責任を持って、世話はしてやる」
 そう告げて、デスマスクの顔を見る。怒っていたデスマスクはシュラを見上げた途端、強い視線に戸惑う表情を見せた。強気なデスマスクが息を潜める瞬間はゾクリとする。そっと顔を寄せて…キスくらい、してやろうと思えばできるが、しない。そう思うのはβの自制心なのか自身の駆け引きなのか。
「体が熱っぽいな。またフェロモンが溢れているのか…」
 かわいい体だな…と耳元で囁いて抱く腕に力を込める。その言葉にデスマスクはもう一撃シュラの肩を殴ってから胸元に赤くなった顔を埋め大人しくなった。より体が熱っぽくなった気がする。
 かわいい、なんだかんだ言って俺には敵わず必ず折れるデスマスクが。俺が、守ってやらなくては。
 シュラはゆっくり居間を出て階段を上り、まだ発情期中なので部屋の前でデスマスクを下ろした。

「望むものを与えてやれなくてすまない。上手く言えないが、お前の気持ちが無駄にならないよう努力はする。それを見ていてくれ」
「……」
「βとして、俺が死ぬまではお前が望むまま守ってやる。何を敵に回しても」
 その言葉にデスマスクは俯いたままシュラの体を引き寄せて抱き締めた。心を掴ませてもらえない代わりに、ギュッと抱き締めて心音を重ね合わせる。デスマスクの方が少し速い。しばらく無言で抱き合ってから、やがてするりと腕を外したデスマスクは静かに部屋の扉を開けた。

 扉が閉まるのを見届けたのち、シュラはゆっくり階段を下りて居間のソファーへ戻る。先程までデスマスクがいた場所に腰を下ろすと、なんとなくまだ温かいようで愛しさが込み上げてきた。
 デスマスクのΩ判定が出てから7年。聖域から言われるがまま従ってきたβとΩの関係に一つの区切りがついたと感じた。アテナが謳う愛と平和は同じ軸にあると思っていた。しかし、この選択は…。
「ハハッ…そう決めたからには、貫くしかあるまい」
 デカい口を叩くだけで果たせない間抜けな奴にはなりたくないからな。そう呟きながら、愛を選んだシュラはソファーに横たわって聖域の、世界の平和について考え始めた。

ーつづくー

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2024
03,16
突然フリータイムができたのでオメガバネタ絵を描こうと思ったのですが、一回思い付いたけどメモる暇が無かったネタが何なのか全く思い出せない…(゚Д゚)
外へ出掛ける直前に思い付いたんだよね…ストックしてあるネタよりいいやつ!と思ったけど全く思い出せん(笑)いや大したものではないけども。

なので、とりあえず半裸でも描きました(゚∀゚`)



全裸ではない…首輪してるから半裸だと思う…(・ゞ・)

Ωになると体より首を死守する感覚がわからん、とか思ってる初期のβシュラ。そりゃ首は生涯の傷になりかねないのはわかるけど、だったら体も守れよとか考えている。
シュラだから裸くらいいーの、という蟹心はわかってない。
若い頃からデスマスクの誘惑をかわしてきたシュラにはもはや一般女子の一般的な誘惑は全く効かないであろう(・ゝ・)

……「デスマスクの誘惑」ってだけで何か圧があるね…受け蟹思考のきゅるるん妄想ではなく、原作軸デスマスクで考えると(笑)このタイトルで本を出すと、ギャグ本なのかガチ本なのかわからないかもしれない(゚∀゚`)

表紙は"もしも「デスマスクの誘惑」という中世耽美主義絵画があったら"風で。描ける自信は全く無い(笑)表紙だけで1ヶ月かかるやつ。
中身は誘い受け&襲い受けデスマスクがとにかくひたすら塩対応のシュラを誘惑しようと頑張る本。最初はギャグでひたすら玉砕。デスマスクも別にシュラが好きというわけではなく悪戯感覚だったけどだんだんエスカレートしてR18に突入。
最後にはシュラに本気になってしまい、シュラに関わる他キャラ(アテナとか紫龍とかロスリアとかアフロとか)に嫉妬して嫌がらせを始めてしまう。そして、さすがに放っておけなくなったシュラからの問い詰めに、みんなの前で泣きながら告白させられる。
…いや、なんかだんだん可哀想なことに…(゚Д゚)
せめて、みんなの前で、は止めておこうか…。シュラに裏へ引っ張られて悪さを責められ、泣きながら「ごめんなしゃいオレっぴ本気の本気でお前がしゅきなのぉぉぉ〜!だからオレのことは嫌いでも他の誰とも付き合わなでくだしゃいぃぃ〜!」みたいな事を言いながら泣き縋ってるのが外まで丸聞こえだった…くらいの展開に…

正式にシュラに受け入れて貰えたデスマスクは心が満たされ豊かになり、悪さもしなくなった。シュラに愛してもらうほど、全く無かった色気も増してきた…。
「きれいなデスマスク」になったデスマスクを一目見たいと、聖域の色々な者がデスマスクに視線を向けるようになった。今やデスマスクはただ立っているだけでも人々を魅了してしまっている。
その「デスマスクの誘惑」を今度はシュラが許せなくなって、聖域を出て2人暮らしを始めて存分にデスマスクを独り占めしてラブラブめでたしめでたし♡

…という本…(・ゝ・)

描ける気はしないけど読んでみたいな。
復活後開始設定。基本ほのぼの?ギャグかな。
候補には入れておこう。(゚∀゚)φ

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2024
03,14

«円周率»

本日より3月中はほぼ夜しか創作時間が取れないのでペースが落ちる見込みです(゚∀゚`)
…と、言うほど普段も更新激しくないですけど(笑)4月から挽回できるか?

オメガバ文が更新できたら…と粘っていましたが、今の展開に難航中。スラスラ進む時との落差が激しい。数行に数日かかったり一気に数千字進んだり。〆切があるわけでもないのでじっくりいきます。

秋の大系、9月かと思っていたら10/27でした(・ゝ・)
祭りも終わってるので予定さえ無ければ出ようと思います(゚∀゚)ノ
なるべく出たい。特に他のジャンル買いたいとかもないですけど(笑)でも急にハマるかもしれないし!久々に会場ブラつくか?
新年度の年間予定表出てから夏まで様子見ではありますが、イベント直参は秋重視で考えております。6月は出れたら行くけど新作無いかもなので(゚∀゚`)

今までに、会場ブラついて何となく買ったら刺さって今でも残してる同人誌にルパン三世の「VS複製人間」本(要するに映画版)があります。カプ無し。完全に大手作家でもないごく普通の同人誌ですが、最後の峰不二子の台詞にやられてずっと残している。
実家帰省してたまに読むと、やっぱいい(笑)こういうの作れたらなぁとも思える一冊。
そんなファン作品を見つけると、あー同人って良いなぁと思いますね〜

そしてホワイトデー…今日まで頭から抜けてました(゚∀゚`)
バレンタインはネタを描くけどホワイトデーは描いた事無いかもしれないなぁ。だいたいバレンタインだけでネタが完結すると言うか、デスマスクが贈ると言うよりシュラが贈る(告る)パターンが多い。

リアルでもホワイトデーは忘れやすい(笑)友人の間でチョコをあげるにしても交換して完結してしまうもんね…あえてホワイトデーに…ってやらんもんね…。

昔3/14生まれの先輩のナンバープレートが「3.14」になっていて我々文系組は「そう言えば誕生日ホワイトデーですね」と言ったら、本人と理系組が揃って「いやこれは円周率でしょ」って返されたのは今でも忘れられない(笑)根本的に思考が違う(・ゝ・)

というわけでかれこれ15年くらいは会っていないであろう先輩、ハピバ!
そして過ぎ去りしアフロディーテ誕…おめでとうございます!ξ゚、ゝ゚・ξ
申し訳ない役回りばかりさせてしまってアレですが、なるべく今年もアフロ描こうと思ってはおります。
実現は未知数…。


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