2023 |
12,22 |
酷いことをした…
デスマスクが去った居間でシュラは頭を抱えた。あんな八つ当たりをしてしまうなんて…まだ体も辛い時期だというのに…!聞きたいこともたくさんあったし、何よりもっと労ってやりたかった。ただ、αの名前が出て、その男を求めているんだと直感した瞬間にやはりΩはαを求めるのかと、どれだけそばで尽くしても「シュラしかいない」と言われても、βの事など何も残らないのかという苛立ちが抑えられなくなった。デスマスクはそういうつもりで言ったわけではない…そんなことわかっている。わかっていても「大変だから薬塗ってくれ」とか「お前がコスモで治せ」とか"真っ先に俺を頼ってくれれば…"など醜い自分が込み上げて抑えられない。βだからデスマスクは安心してくれる。βだからシュラを頼ってくれる。しかし、どれだけ「シュラしかいない」と直接縋られたとしても、いつかあいつはαの元へ行ってしまうのだ…!!
デスマスクが去った居間でシュラは頭を抱えた。あんな八つ当たりをしてしまうなんて…まだ体も辛い時期だというのに…!聞きたいこともたくさんあったし、何よりもっと労ってやりたかった。ただ、αの名前が出て、その男を求めているんだと直感した瞬間にやはりΩはαを求めるのかと、どれだけそばで尽くしても「シュラしかいない」と言われても、βの事など何も残らないのかという苛立ちが抑えられなくなった。デスマスクはそういうつもりで言ったわけではない…そんなことわかっている。わかっていても「大変だから薬塗ってくれ」とか「お前がコスモで治せ」とか"真っ先に俺を頼ってくれれば…"など醜い自分が込み上げて抑えられない。βだからデスマスクは安心してくれる。βだからシュラを頼ってくれる。しかし、どれだけ「シュラしかいない」と直接縋られたとしても、いつかあいつはαの元へ行ってしまうのだ…!!
後悔とデスマスクに対する抑えきれない強い想いに苛まれている最中、上から再びドン!と響いて揺れた。シュラが顔を上げる。Ωに苦しむデスマスクの悲鳴…それは早く目を覚ませと訴えかけてくるようでもあって…。
シュラの心の奥がザワザワと疼いて何かが深い底から手を伸ばし這い上がってくる。
あぁ…そうだ…もう気付いているだろ?
「オレは、デスマスクを…渡したくない…」
いや
「デスマスクを、渡さない…」
αに嫉妬など自分らしくない…その程度のことで揺らぐなど。βに居座って、息を潜めて捕えておくんだ。これは守るための檻。αたちから、そしてオレからも…。ずっとそうやってきたではないか。
なぜか?
オレは、デスマスクを…深く愛しているのだ…。
「今度こそ、間違えない…」
かつて、お前と交わした愛の深淵でその時を待ち続ける。必ず成し遂げてみせる、だからそれまでは…。
シュラはゆらりと立ち上がって家の外へ出た。星があまり見えない。振り返ると満月が夜を照らしている。その下、暗い二階の窓を見て愛おしいデスマスクを想った。
「なぁ、お前も覚えているのだろう?オレのことを…」
待ってほしい、今ではないんだ。それまでずっと守り続けるから、頑張って耐えてくれ。
「お前のαは、いつもそばにいる」
しばらく二階の窓を眺めていたシュラは、やがて何事も無かったかのように家の中へ戻って行った。
シュラの心の奥がザワザワと疼いて何かが深い底から手を伸ばし這い上がってくる。
あぁ…そうだ…もう気付いているだろ?
「オレは、デスマスクを…渡したくない…」
いや
「デスマスクを、渡さない…」
αに嫉妬など自分らしくない…その程度のことで揺らぐなど。βに居座って、息を潜めて捕えておくんだ。これは守るための檻。αたちから、そしてオレからも…。ずっとそうやってきたではないか。
なぜか?
オレは、デスマスクを…深く愛しているのだ…。
「今度こそ、間違えない…」
かつて、お前と交わした愛の深淵でその時を待ち続ける。必ず成し遂げてみせる、だからそれまでは…。
シュラはゆらりと立ち上がって家の外へ出た。星があまり見えない。振り返ると満月が夜を照らしている。その下、暗い二階の窓を見て愛おしいデスマスクを想った。
「なぁ、お前も覚えているのだろう?オレのことを…」
待ってほしい、今ではないんだ。それまでずっと守り続けるから、頑張って耐えてくれ。
「お前のαは、いつもそばにいる」
しばらく二階の窓を眺めていたシュラは、やがて何事も無かったかのように家の中へ戻って行った。
次の日の夕方、デスマスクが部屋を出て行こうか迷っているとシュラが階段を上ってくる音がして身構えた。トン、トン、トン、と扉が叩かれたが開く気配はない。「デスマスク」と声が掛かる。返事はしなかった。しかしシュラは聞いているともわからないデスマスクに対して話し始める。
「昨日は酷い態度をとって悪かった…すまない。あの後も辛かっただろう?体は大丈夫か?もし、お前が嫌でなければ食事の準備をする。部屋まで持って来てもいい。よければまた、声を掛けてくれ」
それだけ伝えて下りて行った。
「……」
シュラの態度が悪かったのだから向こうが来て当然とは思うものの、まさか本当に来るとは思わなかった。部屋に入らない約束を免罪符に有耶無耶にされるかと思っていた。
…傷付いたけど、シュラには会いたい…。
なぜそう思えるのだろう…。じわじわと体が火照ってきた。
「昨日は酷い態度をとって悪かった…すまない。あの後も辛かっただろう?体は大丈夫か?もし、お前が嫌でなければ食事の準備をする。部屋まで持って来てもいい。よければまた、声を掛けてくれ」
それだけ伝えて下りて行った。
「……」
シュラの態度が悪かったのだから向こうが来て当然とは思うものの、まさか本当に来るとは思わなかった。部屋に入らない約束を免罪符に有耶無耶にされるかと思っていた。
…傷付いたけど、シュラには会いたい…。
なぜそう思えるのだろう…。じわじわと体が火照ってきた。
ピークは終わっていて疼き方も落ち着いてきている。"少しだけ…"とベッドに横たわり、シャツの中に手を入れた。
「っ…」
傷が擦れて痛むので、シャツを捲り上げて口に咥える。近くに転がっている潤滑剤を胸に垂らし、傷に滲みたが構わず指を這わせた。瞼を閉じて、デスマスクに八つ当たりをした最低男を引き摺り出し、詫びろ、と言って胸を差し出してやる。あいつは指で触れるだろうか、唇を寄せてくれるだろうか…。
「イテッ…」
胸を引っ掻いた傷が痛んだ。リアルなあいつだときっと力加減も知らないだろうから、これくらい痛いのは覚悟しねぇとな…。するりと下着の中にも手を差し入れた。わざと手荒く刺激を与えてみる。
「イテ…ぜんっぜん、よくねぇよぉっ…」
文句を言えば、すまない、と言って今度はもどかしいくらい柔らかく触ってくる…そうに決まってる…
「ばか、そうじゃねぇっ…!」
もどかしさに腰が右へ左へ捩れてしまう。くそ、今日はいつもおれを満たす完璧なおまえじゃねぇのにっ…!すまない、すまないって、だんだん顔をニヤつかせてきて…
「もぉ、まじで、おまえのその顔、きらいっっ…っ!」
デスマスクの体がベッドの上で震えてて、沈んだ。
…だいきらいだ…。
一体、どれくらいあいつに傷付けられたら本当に嫌いになれるのだろう…。なんとなく、離れることはできても心からシュラを嫌いになることは想像できないな、とぼんやり思った。口から外れたシャツの裾はグショっと濡れてしまったので、ベッドからぬるりと滑り降りてチェストへ向かった。
「っ…」
傷が擦れて痛むので、シャツを捲り上げて口に咥える。近くに転がっている潤滑剤を胸に垂らし、傷に滲みたが構わず指を這わせた。瞼を閉じて、デスマスクに八つ当たりをした最低男を引き摺り出し、詫びろ、と言って胸を差し出してやる。あいつは指で触れるだろうか、唇を寄せてくれるだろうか…。
「イテッ…」
胸を引っ掻いた傷が痛んだ。リアルなあいつだときっと力加減も知らないだろうから、これくらい痛いのは覚悟しねぇとな…。するりと下着の中にも手を差し入れた。わざと手荒く刺激を与えてみる。
「イテ…ぜんっぜん、よくねぇよぉっ…」
文句を言えば、すまない、と言って今度はもどかしいくらい柔らかく触ってくる…そうに決まってる…
「ばか、そうじゃねぇっ…!」
もどかしさに腰が右へ左へ捩れてしまう。くそ、今日はいつもおれを満たす完璧なおまえじゃねぇのにっ…!すまない、すまないって、だんだん顔をニヤつかせてきて…
「もぉ、まじで、おまえのその顔、きらいっっ…っ!」
デスマスクの体がベッドの上で震えてて、沈んだ。
…だいきらいだ…。
一体、どれくらいあいつに傷付けられたら本当に嫌いになれるのだろう…。なんとなく、離れることはできても心からシュラを嫌いになることは想像できないな、とぼんやり思った。口から外れたシャツの裾はグショっと濡れてしまったので、ベッドからぬるりと滑り降りてチェストへ向かった。
結局あの後デスマスクはシャワーに下りて、痴情の跡を洗い流してからシュラの前に姿を現した。シュラの顔を見て不貞腐れた表情を作り、ソファーにドカッと座って「メシ作れ」と言い放つ。横になろうとした時、机に置かれたままの傷薬が目に入った。デスマスクは少し考えてから「待て」とシュラの手を止めさせた。こちらを見るシュラに向けて傷薬を突きつける。
「ちょうど今、綺麗にしたところだからよ、お前が塗れ」
その言葉にシュラは驚いた。
「お前のコスモは治癒に不向きだろ?塗らせてやるから、やれ」
そう言いながらデスマスクは前開きのシャツを脱いで見せる。
「……まだ、完全に発情期は治ってないだろ…触れるのはよくない…」
「俺が良いって言ってんだよ!…ヤってきたばっかだし…」
シュラは明らかに困惑した表情でデスマスクを見るばかりで動かない。
「早くしろよ…俺の言うこと聞いてりゃ良いんだよっ…不安にさせんな!」
その訴えにシュラはやっとデスマスクの元へ来て屈んだ。指を解いて薬を受け取る。デスマスクはゆっくりとソファーの上で横になった。天井を見ているとシュラが手首を掴んで腕に薬を塗り始める。
「っ……!」
「痛むか…」
「ま、普通に滲みるぜ」
やはりこの男、力加減がわからないのか薬を塗り込む指が震えている気がする。思っていた以上に優しく触れられて、さっきのアレではないが…ちょっともどかしいと言うか、何か恥ずかしくなってきた。
「下はどうする」
「……して」
「脱いでくれないか」
クロップドパンツをするりと脱ぎ捨てて下着姿を晒した。太腿の内側やふくらはぎにも優しく触れられ、でも薬はピリピリ刺激してきて…。
「…ごめ、ちょっと…」
デスマスクは股を右手で覆い恥ずかしそうに下唇を噛んだ。あぁ…とシュラは頷いて
「素直な体だな、気にするな」
と作業を続けている。
…くっそ!余計に恥ずかしくなること言いやがって!
と思ったが、こうなる事を危惧したシュラに薬を塗れと強要した手前何も言えず、なぜかしおらしく「うん…」とか頷いてしまった。
なんなんだ…リアルは妄想を飛び越えてきやがったぞ…。
これに懲りて次の日からは自分で塗る事にした。
「ちょうど今、綺麗にしたところだからよ、お前が塗れ」
その言葉にシュラは驚いた。
「お前のコスモは治癒に不向きだろ?塗らせてやるから、やれ」
そう言いながらデスマスクは前開きのシャツを脱いで見せる。
「……まだ、完全に発情期は治ってないだろ…触れるのはよくない…」
「俺が良いって言ってんだよ!…ヤってきたばっかだし…」
シュラは明らかに困惑した表情でデスマスクを見るばかりで動かない。
「早くしろよ…俺の言うこと聞いてりゃ良いんだよっ…不安にさせんな!」
その訴えにシュラはやっとデスマスクの元へ来て屈んだ。指を解いて薬を受け取る。デスマスクはゆっくりとソファーの上で横になった。天井を見ているとシュラが手首を掴んで腕に薬を塗り始める。
「っ……!」
「痛むか…」
「ま、普通に滲みるぜ」
やはりこの男、力加減がわからないのか薬を塗り込む指が震えている気がする。思っていた以上に優しく触れられて、さっきのアレではないが…ちょっともどかしいと言うか、何か恥ずかしくなってきた。
「下はどうする」
「……して」
「脱いでくれないか」
クロップドパンツをするりと脱ぎ捨てて下着姿を晒した。太腿の内側やふくらはぎにも優しく触れられ、でも薬はピリピリ刺激してきて…。
「…ごめ、ちょっと…」
デスマスクは股を右手で覆い恥ずかしそうに下唇を噛んだ。あぁ…とシュラは頷いて
「素直な体だな、気にするな」
と作業を続けている。
…くっそ!余計に恥ずかしくなること言いやがって!
と思ったが、こうなる事を危惧したシュラに薬を塗れと強要した手前何も言えず、なぜかしおらしく「うん…」とか頷いてしまった。
なんなんだ…リアルは妄想を飛び越えてきやがったぞ…。
これに懲りて次の日からは自分で塗る事にした。
散々だった発情期が終わり、聖域に帰る前夜。夕食の片付けも終わった頃デスマスクは今回自傷に至った事についてシュラに呼び止められた。デリケートな事なんですけど…とぼやきながらも納得してくれそうな上手い誤魔化し方が思いつかない。話したくない、と強く拒否すれば引き下がるだろうとは思うが、不満を抱えさせてまたいきなりキレられるのも嫌だ。
仕方ない…
とため息をつきながらシュラをソファーに座らせた。
「めちゃくちゃケツの穴に何か突っ込みたくなったが、絶対に突っ込みたくなかったから暴れ回った」
一発で伝わるようにどストレートに言ってやった。
「…嫌なのか?」
お前真剣に何を聞いていた?
「俺たった今"絶対に突っ込みたくなかった"つったよな?馬鹿か?」
「それは聞いたが、自傷する程の辛さに耐えてまでなぜしたくないのかと」
シュラは"そうか、そうだったんだな…"って繊細な部分をすんなり察してくれるような男ではなかった。まぁ概ね予想通りだ。
「初めての本番は好きな人と一緒に経験したいの…っていうピュアな心、お前に理解できるか?」
「そういうタイプだったのか」
悪気は無いのだろうがイラッとする。
「医師に相談して解決できそうならいいが、今後お前が傷付いていくのを見るのは辛いと思ってな…どうにかしてやりたいのだが」
そう真剣に俺を労る声と表情を見て、徐々に腹立たしさは消えていった。デスマスクもシュラの負担になるような事はしたくない。
「悪いな、俺ではお前にしてやれる事があまり無いんだ」
はにかんで笑ったシュラの顔がデスマスクの心に刺さった。
「そんな事ねぇよっ…。お前、この家準備して、家事や掃除して、俺のことずっと考えて…何か色々いっぱいやってるだろ?!」
「うん。それくらいしかできないな」
「そうではなくて!」
「デス、俺はお前の身の回りのことはしてやれるが、お前の体を癒してやる事はできない。そこだ」
「っ……」
Ωの発情期を癒す事はαにしかできない。βにはできない。どれだけそばでサポートをしても、βではΩの苦痛は取り除けない…。
「そんなことっ…」
発情期中、散々シュラを使って自身を癒してきた。辛い時、俺もずっとお前の事を考えてるんだよ。それが癒しなんだよ。でもお前の事すら考えさせてもらえなかった今回の発情期が辛くて、お前の事を思い出したくて…飛びそうになる意識を繋ごうとしていたらこんな事になって、しまった…。
「いや、悪い。そこまでは踏み込み過ぎだよな。気にしないでくれ。」
言葉が続かないデスマスクを気遣ってシュラが声を掛けた。少ししてシュラが立ち上がろうとした時、デスマスクが声を絞り出す。
「俺…は、発情期、二人で乗り越えてるつもりだから…」
「……」
「一人で耐えれるのは、お前がすぐ近くにいてくれるから…」
だから
「次も一緒に頑張って、ほしい…」
顔を上げてシュラに伝えた。デスマスクの真剣な顔に、シュラは優しく微笑んで応えてくれた。
ーつづくー
仕方ない…
とため息をつきながらシュラをソファーに座らせた。
「めちゃくちゃケツの穴に何か突っ込みたくなったが、絶対に突っ込みたくなかったから暴れ回った」
一発で伝わるようにどストレートに言ってやった。
「…嫌なのか?」
お前真剣に何を聞いていた?
「俺たった今"絶対に突っ込みたくなかった"つったよな?馬鹿か?」
「それは聞いたが、自傷する程の辛さに耐えてまでなぜしたくないのかと」
シュラは"そうか、そうだったんだな…"って繊細な部分をすんなり察してくれるような男ではなかった。まぁ概ね予想通りだ。
「初めての本番は好きな人と一緒に経験したいの…っていうピュアな心、お前に理解できるか?」
「そういうタイプだったのか」
悪気は無いのだろうがイラッとする。
「医師に相談して解決できそうならいいが、今後お前が傷付いていくのを見るのは辛いと思ってな…どうにかしてやりたいのだが」
そう真剣に俺を労る声と表情を見て、徐々に腹立たしさは消えていった。デスマスクもシュラの負担になるような事はしたくない。
「悪いな、俺ではお前にしてやれる事があまり無いんだ」
はにかんで笑ったシュラの顔がデスマスクの心に刺さった。
「そんな事ねぇよっ…。お前、この家準備して、家事や掃除して、俺のことずっと考えて…何か色々いっぱいやってるだろ?!」
「うん。それくらいしかできないな」
「そうではなくて!」
「デス、俺はお前の身の回りのことはしてやれるが、お前の体を癒してやる事はできない。そこだ」
「っ……」
Ωの発情期を癒す事はαにしかできない。βにはできない。どれだけそばでサポートをしても、βではΩの苦痛は取り除けない…。
「そんなことっ…」
発情期中、散々シュラを使って自身を癒してきた。辛い時、俺もずっとお前の事を考えてるんだよ。それが癒しなんだよ。でもお前の事すら考えさせてもらえなかった今回の発情期が辛くて、お前の事を思い出したくて…飛びそうになる意識を繋ごうとしていたらこんな事になって、しまった…。
「いや、悪い。そこまでは踏み込み過ぎだよな。気にしないでくれ。」
言葉が続かないデスマスクを気遣ってシュラが声を掛けた。少ししてシュラが立ち上がろうとした時、デスマスクが声を絞り出す。
「俺…は、発情期、二人で乗り越えてるつもりだから…」
「……」
「一人で耐えれるのは、お前がすぐ近くにいてくれるから…」
だから
「次も一緒に頑張って、ほしい…」
顔を上げてシュラに伝えた。デスマスクの真剣な顔に、シュラは優しく微笑んで応えてくれた。
ーつづくー
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