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そこはかとなく

そこはかとない記録
2022
08,13
今更ながらの蟹誕2022、どうにか完成(゚∀゚)b
さて次はガサガサっとチマイ絵で色んなネタ消化します。
久々にカミュミロとかサガロスとかも混入しようかと。完全に脇役ですが。

遂に腰と背中の電動マッサージ機を購入してしまった…(・ゝ・)
効いているのかたまたまなのか、ここ3日は調子が良いです。痛いところとは違うところ揉んでるんですけどね…どの道、凝りは全身酷いので別の部位には効果がある事であろう。と期待!

今日から描き始めたいけど、若くないので健康のために寝ます(・ゝ・)ノシ

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2022
08,08
蟹誕漫画やっとベタ入れ終了!残りトーン!背景無いから寂しいけど!
あと1週間くらいあれば完成できると思います…
7月中余裕とか思ってたんですけどね…腰痛とか引っ越しとかでなかなか進まなかったなぁ。

コレ終わったら本用の原稿といきたいところですが、ハロウィンイラストの準備と、ネタがたまっているチマイ絵の山羊蟹を何頁かわからないけど適当に描きたいと思います。
その後、本の原稿に入る…から、多分年内の発行が無理なんじゃないかと…(・ゞ・)結局っ
年末エルシド誕頃にまたLCの山羊蟹も描きたいしなぁ…マニ誕無しだったし。

どうなるか不明ですが限られた時間で地道にやっていきますわ。



前回書いてたキャンサーカービィ話を絵にした版。

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2022
07,29
原稿のベタ入れは4頁半終了。
全然進んでないようですが、全然進みません(・ゝ・)
1コマのベタ入れで30分〜1時間かかるので1日1頁いけるかいけないかってところ。
仕上げベタを久々にやるので、ここまで時間がかかっていたかと絶望中(゚∀゚`)
シュラの毛、手抜きしているというのに!(・ゞ・)
プロって1コマに何時間かかるんでしょうね…背景描いたりとか。最近はたまにコレ描いてないな(素材貼り付け)ってのも見かけはしますが、めっちゃ描き込んでいる人は尊敬します。

その分トーンは早いと思うけど、来週完成が微妙になってきた。
しかし再来週だと実家帰省のためテザリングでアップせねばならん…9頁だからそこまで重くないと思うけど。悩ましい。

腰痛はレントゲン撮らなかったけど、まぁ病ではなく姿勢と筋肉ではないかってことで、筋肉つけてくださいな流れに…。痛いんだけど、仕方ない…フェイタスすら効かないんだが…(゚∀゚)
フェイタスが1番強いんですけどねーと言われながらロキソニンを処方してもうっていう。
更に1ヶ月後も痛ければリハビリやってもらう…
原稿中は横になって休憩できるからいいけど、運転中がヤバい。



例のカービィグッズに進展があったのですが、蟹が堂々と真ん中におる!(゚∀゚)
そして蟹が1番可愛い気がしてきた…公式もきっとそう思っているはず(笑)
蟹は買おう。魚もまぁまぁ可愛い。ぬいぐるみ単体なら山羊はいいや…(・ゞ・)

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2022
07,24
腰痛の影響もあり原稿はほぼ進まず…明日から…(もはや夏休みの課題を積む小学生の言い訳)

ネタ話は何か一気に終わりました。
これちゃんと話繋がってると言うか辻褄合ってるかな?毎回勢いだけで書いてたから。
トータル18,000字であります。会話だけの所とかわかりにくいけどご容赦ください。

さて蟹座期間も終わったのでネタ投稿は一先ず終わります(゚∀゚)ノ
ブログ投稿間隔も前みたいに週1くらいになるかな。
お付き合いいただきありがとうございました。
またたまに書いたら載せますね。

編集する時間があれば、今回のネタ話をまとめてpixivにも残しておこうと思います(・ゝ・)b

ーーー

法衣を着た男の姿はパッと見、シオン様と同じだった。
指摘されれば金の髪色が少し違うという程度で。
しかしよく見れば顔を覆い隠すマスクの辺りから黒い毛が見え隠れしていた。

「…叱責する事くらいあるだろうが、シオン様はデスマスクにこのような暴力はしないだろう…」

シュラも、気付いたのか。

「では、私は誰なのだろうな?」

…わからない、今まで聖域で感じた事のないコスモ。
まさか、本当に聖域外から…?!

「それよりシュラよ、その姿は逆賊を仕留めてくれたと思って良いのか?アテナが見当たらないが?」
「……シオン様でないのなら、答える必要がないだろ」

「今日からこの聖域を統べるのは私だ」
「勝手な事を」

「聖域だけではない、今にこの世界全てを支配する事になる!」

「いい加減にしろ!!」

シュラがエクスカリバーを放ったが、法衣の男は見切っているとばかりヒラリと避けてみせた。

「わざわざ手加減してくれたのか?」
「っ…!」

「な、なぁシュラ、俺は離してくれていいから、このままじゃ動き辛いだろ?」
「ダメだ、もしまた生身のお前が狙われたら守り切れない!」

「クク、お前たちは未だに聖衣の影響を受けているのか」

…こいつ、知っている…?!

「聖衣を脱げばデスマスクを守る義理も無くなるだろう、そもそも私はお前たちを殺すつもりはない」

「シオン様は殺しただろう!」

「邪魔だったからな、さすがに聖闘士皆殺しにして手駒がいなくなるのは困る」
「黄金とは言え、まだ子どもであるお前たち2人がかりでも私を倒す事はできぬ」

法衣の男は教皇のマスクに手をかけ、そして素顔を現した。

「?!」
「!!」

「知っているだろう?私の強さを」

毛先は金髪のままだったが、根本から隠れていた部分までの髪が黒くなっていた。
ただ、それだけで。
目の前にいる男は双子座の黄金聖闘士、サガだった。

「なぜ…コスモが、違う…」

「なぜ?か。お前たちが知るサガとは違うだろう?どちらが本物だろうなぁ?」
「アイオロスに見つかり、アテナを誘拐していくとは思いもよらなかったが」

「アテナを誘拐?!…じゃあ、お前が討ってきた逆賊って…」
「……」

「シュラよ、アイオロスをどうした?その血はアイオロスのものか?」

ゆっくりとサガが俺たちに歩み寄り、目の前でしゃがみ込む。
シュラの聖衣に付いた血を指で拭い、舐めた。

「デスマスク、私の代わりに聞いてくれないか?アイオロスとアテナはどうなったかと」
「…は?…んなこと…」

「デスマスクよ、さぁ」

サガの手が伸びてきて、シュラから俺を引き剥がそうと胸ぐら掴まれ強く引っ張られる。

「っいってぇ!!」

「やめろ!触るな!」

引き摺り上げられそうになる俺を今度はシュラが抱き締めて胸の中に引き戻された。

「ぅうっ…」
「…すまない、痛かったか…」

正直、柱にぶつけたところがめっちゃ痛い。あまり動かさないでほしい…

ジワっと涙が浮かんだ俺の顔を見て、シュラが唇を噛んだ。
黄金聖闘士のくせに、こんな程度で涙が出るとか自分が嫌になる。それが今、シュラの負担になっている事も。
俺は素早いわけじゃない。12宮でなければテレポートでいくらでも避けられる。
12宮でなければ…


「アイオロスが死んだ所は見ていない、しかしそれだけの血を噴いていれば時間の問題ではないか」


突然響き渡る声、サガの問いに答えたのはシュラではなかった。

「お前も、無事だったんだな…」
俺は独り言のように呟いて、自然と口元が緩んだ。

「アフロディーテ…」

「ほう、アフロディーテよ、死を見ていないとはどういう事だ?」
「アテナ共々、崖下へと転落していった、生きている可能性は低いと思う」

「思う、か。」

「念のため今雑兵を向かわせている、時間はかかるだろう」

「シュラはちゃんと仕事をしている。…あなたがデスマスクを傷付けなければ、望み通り今からでも向かわせる事ができただろうに…」

「…俺を?」

「元々教皇…サガは君をアイオロス討伐に向かわせたかったんだ。君にアイオロスを殺させて、巨蟹宮に縛り付けるために」
「……」

「いなかったけどね。黄泉比良坂だろうとは思ったけど、誰も呼びに行ける者なんていないし」

「…俺の代わりに、お前が…?」
「……」

シュラは唇を噛んだままだった。
シュラがアイオロスを慕っていた事は聖域中の誰もが知っている。弟のアイオリアと親しかった事も。
だから、何でタイプの違う俺なんかを気にかけるようになったのかよくわからなかったし。

「アイオロスが…アテナを連れ去った事は事実だった…」
「…そっか…」

確かに、そこは事実だ。そこに至る経緯がどうであれ。

「"シオン様"の勅命ならば、やるしかないもんな…」

「……ごめんな、俺が肝心な時にいなくて……」

とんだ自惚れかもしれなが、でも俺がいたら、アイオロスを追う前に教皇の異変に気付けたかもしれない。
気付けば俺は自然にシュラを抱き返していた。

「お前を黄泉比良坂へ追いやったのは俺のせいだろ?だから、お前は悪くない…」

俺を抱くシュラの腕にも少し力がこもる。

「…ハァ、こんな時でも人前で何やってんだか、とんだ聖衣迷惑だな」

アフロディーテに言われても、シュラを突っぱねる気にはならなかった。
これが聖衣のせいで済むなら今はそれでいい。寧ろそれが好都合だ。

「それよりサガ…」

アフロディーテがサガに声をかけた瞬間、サガがドサっと倒れ込んだ。

「?」

見ると、先程まで黒かった頭頂部の毛が全て金髪に戻っている。

「……どういう、ことだ?」

アフロディーテがサガの元に寄ると、顔を上げたサガが涙を流して体を震わせ始めた。

「私は…ついに…何という事を!!」


「……は?」


ーーー

コスモはすっかりサガのものに戻っていた。
サガがひとしきり泣いて懺悔を繰り返した後、二重人格だという事情を聞いた。
色々ありすぎて埒があかない。
一先ずサガの事はアフロディーテに任せて、俺は蟹座の聖衣と共にシュラに連れられ磨羯宮に運ばれた。

血を洗い流すために浴室へ連れ込まれたが、体は痛いし疲れ切っていて何も抵抗する気が起きない。
シュラも何も変な事はしない、って言ったし。聖衣も脱ぐし。
目を閉じて身を任せて綺麗にしてもらった。

新しい服を着せられて運ばれたのは寝室のベッドの上だった。

「…俺の宮じゃねぇの」
「いや…少しでも早く痛みを鎮めてやった方がいいかと…」
「…あぁ…」

シュラの手が患部にそっと触れる。じんわりとコスモが流れ込んできた。

「…始めておいて何だが、俺はコスモでの治癒は苦手なんだ」
「……て事は?」

「……時間がかかる……」
「……」

「でも、アフロディーテには…任せたくなかった…」
「…好きにすれば」

今までドロドロしてるのは俺の方だけって思ってたけど、シュラも俺に独占欲孕んでいるんじゃないか?と思うのは自然な事だよな?
これでも聖衣の影響を受けているだけなのか?

「…ハァ、何かとんでもない事になっちまったな…」
「…起きてしまった事は悔いても仕方ない…」
「前向きなんだ」
「なるべく…聖域は今まで通り動かさないと」
「サガがどうにかするだろ、お前が考える必要無ぇよ」

「…シオン様を失った」
「……そうだな」

「…デス」

「…デ、デスゥ?俺のこと?」
「デス、俺はシオン様の代わりにはなれないが、それでもできる限りお前を支えていくから」
「お前の迷惑にならないように努める、だから、黄泉比良坂にばかり行くのはもう控えてくれないか…」

「んー……」

「この世界のどこにもお前がいないというのは、不安が大きい…」

「目の届く範囲にいろってこと?」
「……上手く言えないが……」

まぁ、こいつも縋るものを失って不安なんだろう…
俺よりもたくさんの知り合いや仲間がいるはずなのに、俺を頼るってところが優越感あって気分がいい。
こいつにとって、同じ年っていうのはそんなに大きな存在なのだろうか。

「お前のソレってさ聖衣の影響受けてたりしねぇよな?」
「……正直、わからない。最初こそ聖衣が勝手に、と思ってはいたが」

「元々、聖衣の影響無しでお前と関係築いて行きたいと思っていたし…ただ…」
「ただ?」

「……お前といると、自分の嫉妬深さが嫌になる……」
「どういうこと?」

「…俺のものじゃないと、嫌だ…」
「……」

「いや、お前がこういうのを嫌っているのは知っている!だから、時々他の者に対してキツい事を言ってしまうかもしれないが…」

「ハハハッ!正直だな!」
「……」

「お前、だだ漏れだよ、アフロに対してとか酷ぇもん」
「…それは、自覚している」

「先代の山羊座と蟹座ってどんな関係だったんだろうな、お互いこんなドロドロした気持ち抱えてたんかな」
「さぁ…」

「責任取れるなら、俺を縛ってもいいけど」

「は?」

「俺もお前が聖域中の他の奴らと親しくしてんの、ムカついてたんだよ」
「……」

「お前って俺の事好きなんじゃねぇの?って」

「俺だけ構ってりゃいいじゃん。他の奴に愛想振り撒かなくても、俺がいればいいじゃん」

「俺だけを見てよ、シュラ様、って」

「引く?」

「……おあいこだ」
「だよな〜」

ーーー

シュラのコスモによって痛みが治まり、巨蟹宮へ戻る事にした。

「あー色々あったけど何かちょっとスッキリしたわ」
「完治はしていないが、痛みは大丈夫か?」
「大丈夫だよ、マジで数時間かかるとは思わなかったけど」
「かえって疲れさせてしまったか」
「いいよ、お前の方が疲れただろ?俺の宮まで付いて来なくていいのに」
「聖衣があるし、言っただろ?お前と一緒にいたいんだ」

「じゃあ今日は巨蟹宮で寝ていくか?」
「……」

「別に何もしねぇよ、一緒にお菓子食べたりするだけだって!」
「あぁ…」

「…なぁ、もしかしてお前って結構スケベなの?」
「そんなわけでは!」

「俺こう見えてもエロいこと詳しくないんだよ、アイオロスとかから聞いてねぇの?」
「特にこれと言って…体の成長についてくらいしか…」
「何だそれ?気になるじゃん、教えてよ」
「……」

ーーー

翌日、アイオロスとアテナの遺体は見つからなかったと報告が入った。
数日間、雑兵たちが辺りを探し回り血痕を辿ってもみたが解決には至らなかった。

アフロディーテ、シュラ、俺の3人で話し合いを繰り返して、俺たちはサガを隠し通すことに決めた。
シュラは相変わらず聖域の者たちと親しくしているが、監視も含めているという点で変わり、また以前よりも少し距離を取るようになった。

俺たちは聖衣を着る機会が増え、やはり自然とお互い引き寄せられてしまうようだ。
ただ、周囲には「もう諦めがついた」と報告して、人前でキスをしてしまう事があっても喧嘩をおっ始める事はなく、ため息一つで済ませるようになった。周りも「またか」と思う程度だ。

俺たちがもう聖衣を脱いでもキスが交わせる関係になっているとは誰も知らず。

ーーー

「なぁシュラ〜俺ついにきちゃったかも」
「何がだ?」

「せいつう」
「……」

「これからどうしたらいいか教えてよ、先輩」
「……」

多分、このままいけば体の関係まで持ってしまうのは時間の問題だ。
聖衣が繋いだ関係なのか、聖衣に繋がされた関係なのか、悩んでいたあの頃は何だったのだろう、そんなことはもうどうでもいいくらい俺たちは我慢する事なく、崩壊が進む聖域の裏で欲望を曝け出して付き合っている。

ーおわりー

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2022
07,22
イラスト頁も描けた(゚∀゚)
ので明日から仕上げベタを頑張る。イラスト込みでも9頁。今回表紙無しっ。

さてネタ話はやっと終盤に向けて場面が変わりました。
もう少し途中の話を入れようかとも思いましたが、終わらないのですっ飛ばし。
ここからも長いかもしれないのでこれでいいのだ…

ーーー

聖衣無しで黄泉比良坂に滞在するのは正直キツい。
こまめに巨蟹宮に戻って休憩してはまたこもりに行く。
ただ巨蟹宮に引きこもるだけでもいいんだろうけど、俺がそこに居る痕跡(コスモ)をなるべく残したくなかった。

その日も特に仕事は無かったので黄泉比良坂で時間を潰して、疲れがきたため巨蟹宮へと戻ってきた。

現世に足を踏み入れた瞬間。

黄泉比良坂へ入り込む前とは違う緊迫した空気に聖域が包まれているのを感じた。

「……」

おかしい、そんなに滞在していなかったはずだが短い時間で何があったのか。
聖衣が無い事に不安は無かったが、状況によってはとても不利になる。

地に足を着けず、滑るように巨蟹宮を抜け教皇宮へと向かった。

獅子宮、処女宮、天秤宮、天蠍宮は主の不在により今は無人だ。
教皇宮まで続く道の途中でぽつり、ぽつりと血のようなものが滲んでいた。
ただの怪我人なのか、それとも…

上にいるシュラやアフロディーテはどうしているのだろう。
考えればサガがすぐ下にいるのだから一度話をしに行けば良かった。

人馬宮が目前に迫るが、アイオロスのコスモは感じない。不在なのだろうか。
中に入っても大声で呼び出す気にはなれず、そのまま磨羯宮へ向かった。

聖域はとても静かだった。

誰もいなくなってしまったんじゃないかと思うくらいに。
もしかして、俺が戻って来る世界間違えたとか?と、漫画みたいなことも考えた。

ーーー

磨羯宮が見えて、中に入ってもシュラの気配もコスモも感じない。
念のため私室の方も確認したが誰もいなかった。

……何だこれ…うそ、やだ、こわい……

恐怖なんて滅多に感じないのに、この状況でシュラがいない事が凄く怖く感じた。

聖衣を取りに、教皇宮にいるかも…

スピードを上げて教皇宮へ向かう。
宝瓶宮は不在、双魚宮にアフロディーテはいなかった。

どうなってるんだ?!

「……シオン様っ!!」

教皇宮へ続く最後の道にデモンローズが敷き詰められている。
という事は、やはり敵の侵入があったのか?
ローズが枯れていないからアフロディーテはどこかで生きている…はず。

薔薇を避ける道を辿り、ようやく教皇宮に辿り着いた。

扉を開けると教皇はそこにいた。

「…遅かったな、デスマスク」
「……シオン、様…」

教皇座の前に山羊座と蟹座の聖衣が置かれている。
山羊座の箱は開いていた。

「聖衣を取りに来たのか?…でももう遅いな」

直ぐにでも聖衣を着ないといけないと肌で感じた。しかし体がすくんでしまっている。
どう考えてもシオン様のコスモではなかった。

「シュラは真っ先に来て向かったぞ」
「……どこへ」
「逆賊の討伐とアテナの奪還だ」
「……アテナ……」

「お前は黄金聖闘士のくせに口が達者なだけで使えないな」
「……」
「勘が冴えている分、タチが悪い」

ゆっくり、法衣を着た男が近付いてくる。

「……シオン様は……」

「もう遅いと言っている!」

法衣の男が声を荒げた瞬間、俺は近くの柱まで吹き飛ばされた。

「ぎゃっ!」

「フッ、こんな状況でも間抜けな声を上げおって」
「ぅう…」

痛い…絶対に骨が折れた…聖衣…早く、聖衣を…

「あの老ぼれがここに居ない事が何を指すか、わかってるのだろう?」
「……」

シオン様、何でこんな事に…

「まぁ、正体が知れたところでお前を殺すつもりは」

「デスマスク‼︎」

突然、俺を呼ぶ声が響いた。

「……シュラ…ッ⁈」

振り向いた瞬間、血に塗れた聖衣を着たシュラが俺に駆け寄り、守るように抱き寄せる。
誰の血だろう…シュラが浴びた返り血が染みて、同じように血に塗れていった。

ーつづくー

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2022
07,21
漫画はどうにかペン入れ終了〜(゚∀゚)
次から仕上げベタに入ります。これが時間かかるんだ…
あ、1枚くらいイラストも描きたいな。

それにしてもシブのコメ欄のスタンプだけってのは通知来ないんですね。最新作以外にスタンプ付くと気付かないわ。滅多にコメント付かないけどたまにチェックしないといかんなぁ。

さて本日も頭痛と腰痛のダブルパンチですが、今回は割と薬が効いているのでネタ話少し書けました。相変わらず話進んでいませんが。でも先は見えてきた。しかし辿り着くのは長そう…(・ゝ・)

ーーー

友達付き合い、とはどうやればいいのだろう。
改めて考えようとするとよくわからなかった。
アフロディーテみたいに付き合えばいいのか…
アフロディーテとはいつも何をしていたっけ?

双魚宮を通過するついでに喋っていったり、休憩したり、アイツが欲しいもの見つけたら買ってやったり…特別2人で出掛けるとかそういう事はない。ただ聖域内で収まる関係。半年ちょっと、年下なだけ。

…ふと気付いたが、俺がアフロディーテにしてる事ってシュラが俺にやろうとしてる事と同じ?

「……」

だとしたらやっぱりアイツも特別俺を意識しているわけじゃなくて、ごく自然な対応をしているだけ…
それは良い事であるはずなのに、なぜかモヤっとする。

もしかして、俺だけ聖衣の影響が強く出てるんじゃないか…
自分に素直になりたいのに、どうしてもそう思えてしまう。

最初から、アフロディーテに接するような普通の気持ちではいられなかった。
だからもう何が本当なのかわからない。

考えるほど、もう聖衣を着て俺じゃなくなってしまった方が楽になれるんじゃないかとか思えてしまう。

「……そういう、死に方もあるのか……」

俺が聖衣の動きを否定しなければどうなるのだろう。
アイツが聖衣を脱がなければ際限なく俺を求めてくるのだろうか…

お互い嫌だ止めろの一点張りで、先の事を想像した事なんて無かった。

…ゾクゾクする…この感情は何?

シュラは純粋な気持ちで俺と向き合いたいだけなのに、俺はいつの間にかぬかるみにハマっているようで…
自分がとんでもない事をしでかしそうで、それだけは避けたいと再び黄泉比良坂に引きこもる生活が始まった。

ーつづくー

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2022
07,20
原稿は今日少し進歩。下書き1頁とペン入れ1コマ(・ゞ・)
腰がやられると座ってられないからいかん…もうちょいしたら病院行く。

で、ネタの続き、ほんの少しだけですが。そしてやはり話が進まない!

ーーー

聖衣着けてねぇのに何度も俺の手を引きやがって…
もしかして、着てなくても山羊座蟹座ってだけで先代の影響を受け始めてるんじゃ…
そんな事を考えている間に、シュラは淡々と教皇に報告し終えた。

「デスマスク、おい」

「んぁ?」
「終わったから、帰るぞ」
「あぁ、帰っていいぞ」
「お前もだ」
「何で?俺ちょっとシオン様と話たいことあるし」
「…疲れてるんじゃないのか」
「直ぐに降りるより休憩したいじゃん、さっきもアフロんとこで休憩し損ねたし」

「……」

「お前は帰れ、シオン様と2人で話したい」
なんだかシュラが居残りそうだったから釘を刺した。

ーーー

シュラがちゃんと磨羯宮まで戻ったかはわからないが、教皇宮は出て行った。

「…シオン様、聖衣を着けていなくても先代の影響を受ける可能性はありますか」
「どうだろうな、お前たちが生まれ変わりでは無いのならそう影響しないと思うが…何か気になる事でもあったか?」
「……」

無いわけではないが、上手く言葉にできない。

「デスマスクよ、お前は少し気にし過ぎるところがあるからな」
「…気のせいと?」
「聖衣や先代の影響を受ける、という暗示にかかっているかもしれん」
「でも実際にそうでしょう」
「もちろんそれはあるが…純粋に、お前たちがどう思っているか考えられなくなっていないか?」
「……」

「シュラはマニゴルドではなくデスマスクとちゃんと向き合いたい、と言っていたぞ」
「自身もエルシドとしてではなく、シュラとしてな」
「聖衣を着ていないのなら、シュラがお前に向ける好意は本心からだと受け止められないか?」
「……それは、まぁ……」

どうせシュラにとって俺は聖域にいる仲間の1人だ。
たまたま同じ歳で向こうがちょっと気にしているだけ。
あいつがここまで面倒見が良くて世話焼きなのはそういう性格で、誰に対してもそう。それは色んな奴から声がかかるような人間関係の豊かさに現れている。

「お前がもしシュラに好意を抱くのであれば、それは聖衣のせいではなく自分の想いだと思うぞ。聖衣を理由にすれば気は楽かもしれないがな」

それは正解だった。自分でもわかってはいる…

話を終えて教皇宮を出れば当然だがシュラはいなくて、でももしかしたら俺を待っていたかも、なんて思っていた自分も心の奥底にいた。
ーつづくー

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2022
07,18
今日は3コマのペン入れだけ進むっ!(・ゞ・)すわっ
進歩してませんが残り2頁。明日もできるか微妙だけど少しは進めたいなぁ。

そしてやっぱり全然話が進まないコレ↓
もうこの後一気に教皇暗殺に進むしかないくらいのダラダラっぷりですが、よろしければどうぞ…

ーーー

アフロディーテは俺と喋ってからシュラとも喋ろうとしたが、何故か断られていた。

「教皇への報告がまだだしコイツ疲れてるようだから今度でいいか?」
「今は特に任務入ってないし、いつでもいいよ」

「デスマスク、早く済ませてしまおう」
「え?別に今喋ればいいじゃん、休憩にもなるし」
「行くぞ」

そう言ってグイッと手を引かれる。
コイツ早く終わって休みてぇのかなぁ…とか考えながら俺はアフロディーテに手を振った。

ーーー

「なぁ、おい、手ぇ離してくれよ、歩き難い」
「……あぁ、すまん」

「ここの階段は一番急だが大丈夫か?もっとゆっくり上った方がいいか?」
「へ?そんな気ぃ遣わなくていいぞ、黄金聖闘士だぞ」
「…そうだな、すまん」

「今まで悠長にしてたのに急にどうした?トイレでも行きたいのか?」
「いや、大丈夫だ」

何をいきなり焦り出したのか。
双魚宮を出てからシュラの様子が変わった。

「あ!!」

「どうした?!」

突然大声を上げた俺に驚いてシュラが振り返る。

「あぁ…いや、アフロにお土産買ってきてやるの忘れてたなぁって…」
「アフロディーテに?」
「まぁまた今度でいいや」
「……」

「お前は、いつもアフロディーテにはお土産を買ってくるのか?」
「前にアフロが欲しがってたやつ任務先で見かけてから、何となく続いているな。俺、聖域でちゃんと喋ったりするのアフロとシオン様くらいだし」

「お前はそういう事しねぇの?」
「貰えば返す事もあるが…」
「やってんじゃん」
「……」

「お前、アフロディーテとは仲良いんだな…」
「寧ろ俺にはあいつしかいねぇっつーの、お前みたいに人脈広くねぇもん」
「……」

「どうした?」
「もう少しで教皇宮だ」
「あぁ…」
「行くぞ」

「へ?ちょっ…!」

また黙ったかと思えば再び急に手を引かれて階段を一気に上らされる。

「おい、シュラ!いきなり何っ…離せよ!」

「嫌だ!」

「は…はぁ?!」

結局そのまま離してもらえず教皇宮に到着した。

ーつづくー

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2022
07,17
本日もやはり原稿できず(゚∀゚`)
引っ越しで荷物移動は終わり。明日から整理の日々…
腰の調子が良ければ子の昼寝中に少し進めたいなぁ。

ハイ、山羊蟹ネタ話はまだ終わらない!
こうついダラダラしてしまうので、短くまとめられない…
一気に聖域到着して別の日に吹っ飛ぼうとか思っていても結局まだ帰るまでが遠足です状態。
そろそろコレも1万字(・∀・)もう漫画にできる長さではない…

ーーー

帰りも依頼主の送迎で聖域近くの街まで送ってもらった。
飛行機や車やら乗り換えがある度に俺はシュラに起こされては手を引かれ、また爆睡を繰り返した。
その様子を微笑ましく見ている大人には「いつもと布団が違って眠れなかったかな?」とか言われたが、ムカつく元気も無かった。

「おい、もう聖域まで寝れないぞ、歩けるか?」
「うん……」

「ずっと寝てただろ?どんだけ眠いんだお前は!」
「んー……目は覚めてんだけど、体が怠いんだよぉ…」

俺は近くのベンチまでヨロヨロ歩いて寝転がった。

「俺さぁ、もう少し休んで行くからお前先に帰れよ」
「はぁ?報告とかあるだろ…」
「俺がやっておくからいーよ、お前先に帰って休んでいいぞ」
「……」

シュラが動く気配がしたので先に行くかと思ったら、ベンチ裏に広がっている芝生の上に荷物を置いて寝転がる音がした。
ベンチの背もたれから覗くと、やはりシュラは木陰でゴロンと寝そべっている。

「はぁ?どうしたんだよ」
「俺も疲れたから休んでいく」

「俺の真似すんな」
「そもそもお前の荷物も持ったり誘導してやったりしてたんだぞ?疲れないわけないだろ」

「……好きにしろ。黄金聖闘士のくせに」
「お前もな」

どうせシュラは疲れてなんかいない。俺が動かないからこいつも動かないんだ。
俺がもし、ここでテレポートして消えたらどう思うだろう?
休憩した後も一緒に歩いて帰る保証無ぇじゃん。

「……」

そんな意地悪をする程、俺は別にこいつを本気で嫌っているわけじゃないのは自分でわかっていた。
喧嘩で始まったのは聖衣のせいだし。
ムカつくことも多いけど、俺が勝手に痛いところ突かれてムカついてるだけだし。
そんなの自分がカッコ悪いだけってのくらいわかってるし。

「……」

俺はシュラがずっと運んでくれてた鞄を開けて、中からお菓子を取り出した。

「おい、一緒に食べるか」

お菓子の袋を見せて声をかけると、あいつは驚いた顔をしてからフッと笑った。

「これは運んでくれたお返しだから」
「そういうとこ、やっぱしっかりしてるな」
「そうやってイチイチ褒めるのいらねぇんだよ」
「ハハッ、すまん」

俺もベンチから芝生で寝そべって一袋のスナック菓子を一緒につまむ。
こいつが同じ歳の俺に期待していたのって、こういう関係だったのかなぁとか考える。

食べ終わって、もう少しゴロゴロして、さぁ行くかと立ち上がった時に俺はシュラの手を取った。

「……どうした、お前」
「あー…、変な事はしねぇよ、ただお前だけ置いてくのアレだから」

「?」

「離すなよ」

「?!」

ギュッと強く手を握って、ぽかんとしているシュラの目を見て笑いかけた瞬間、俺たちは煙を巻くように消えた。

ーーー

「へへ、お前ずっと同じ顔のまま」

俺の声にハッとしたシュラは辺りを見回す。

「聖域…?テレポート、使ったのか?」
「そ、別の人間も連れてくなんて俺も初体験だったけど」

「どう?」

「凄いな、光速移動とは全く違う」
「アレ何か息が止まる感じが嫌なんだよ」

握っていた手をスッと離して12宮の入り口を見上げる。

「じゃぁあとは上るかぁ〜」

2人して他愛もない話をしながら階段を上っていった。
俺、やっとなんか吹っ切れて普通にしていられるかも。
そんな事を思いながら、順番に宮を通過して行く。

「シュラ!お帰り〜」
「任務終わったんだね、シュラ」

聖域の中を一緒に歩いていて気付いたが、シュラは色んな奴から声がかかる。
こいつ意外と人付き合い良いんだな…
逆に俺は誰からも声なんかかからないし、すれ違う奴らが誰なのかもよくわからない。

「お前って案外、顔が広いんだな」
「は?」
「顔見知りばっかりじゃん、俺全然知らねぇのに」
「そうか?毎日この聖域で暮らしてる仲間だぞ?」
「……」

聖衣騒動の影響も大きかったが、俺は黄泉比良坂にいる事が多くて聖域社会には馴染めていなかった。
隣で知らない奴とどんどん挨拶を交わしていく姿を見て、俺はだんだん無口になっていく。
2人だけになればシュラから話を振ってくるが、適当に返事を返すだけ。
上り始めた頃より静かになった俺を見て「疲れたのか?」とか聞いてくるけど、別にそうじゃない。

何か面白くない。

隣にいても、生きてる世界が全然違う気がする。昼と夜みたいな。
気のない返事を返す俺を気遣ってなのか、次第にシュラも俺に話を振らなくなっていた。

「あ、デスー!終わったのかー?!」

遠くから、初めて俺の名前が呼ばれた。
気付けばもう双魚宮。魚座の黄金聖闘士アフロディーテの声だった。

ーつづくー

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2022
07,17
今日は原稿進まず。
引っ越し作業があるので明日も無理かなぁ。まぁのんびりでも8月頭にはできるかな?

さて話の続きは今日も全然進みません(・ゝ・)
でも明日から場面は変わる!

ーーー

「お前は聖衣のせいかそれ抜きでも俺のこと嫌いかもしれないが、俺は別にお前のこと嫌いではない」
「……」
「面白い奴だなと思う」
「……馬鹿にしてんの?」
「そういうとこ、被害妄想強めだが」

「聖域はどこか捻くれた子どもが多いが、お前って子どもとして純粋だなって思うぞ」
「……」
こいつは俺のことを褒めてる?のかもしれないが、やっぱり俺は馬鹿にされているようにしか感じない。

シュラはスッと立ち上がってまた浴室へ向かった。

「もういつでも入れるぞ」

声をかけられても直ぐに入るのは「待ってました!」という感じがして何か嫌だった。頼んでないし。

「……もう少し後で」
「好きにしろ」

そう言ってシュラはまたテーブルで本を読み始めた。

ーーー

適当な頃合いを見計らって風呂を済ませると、シュラはまだ本を読んでいた。
以前の俺なら絶対に声かけないし興味も無いけど、逆にそれを意識し過ぎてるように思われるのも何だなぁと感じた。

「……お前、ずっと何読んでんの」
「はぇ?」

いきなり俺が声をかけたのが余程意外だったのか、本に集中していたのか、あのシュラがとんでもなく気の抜けた声をあげたので笑えてきた。

「……いきなりニヤニヤし始めるな」
そう言ってちょっとムッとした顔をしているのがまた笑える。

「俺はギリシャ語がまだ苦手だから勉強しているんだ」
「へー、こんな時まで勉強ってすげぇ。俺もまだギリシャ語よくわかんねぇけど気にしてねぇよ」
「だろうな」
「おい、やっぱ俺を馬鹿にしてんだろ!」
「お前みたいな奴もサポートできるように勉強してるんだ」
「はぁ?お前の世話になんかならねーし!」

そう言いながら持ってきた旅行鞄の中身をあさった。

「なぁ、シュラって何で荷物少ねぇの?着替えと本だけ?」
「そうだが、お前こそ何をそんなに持って来てるんだ」
「俺だって着替えと本とお菓子くらいしか持ってねぇよ」

鞄から中身を出してベッドの上に並べていく。

「全然量が違う」
「パジャマも洗面道具も自分用じゃないと嫌だし、あと着替えの予備もあるし…薬に救急セットに…」

「余分な物いっぱい入ってるじゃないか」
「いざという時困るの嫌だろ!」

そう言ってシュラ睨むと、今度はあいつがニヤっと笑った。

「クク、そうだな…お前がいればいざという時助けてもらえそうだな」
「はぁ?お前の分なんか無ぇし!」

「ハハ、ガサツそうと思ったが、そういう細かいところしっかりしてる奴は好きだぞ」
「お前になんか好かれたくねーわ!」

喋りながら畳んだ着替えを順番に鞄に詰め直していくところをシュラがじっと見ている。
何がそんなに気になるのかわからないが、チラッと見えるシュラの鞄を見るとあいつは脱いだ服を適当に丸めて突っ込んであるだけだった。
服がシワになるとか言っておいて本人はコレか。まぁジャケットはまだハンガーにかかっているが。

「……お前さぁ、袋小さいくせに着替えちゃんと畳まねぇからパンパンになってんじゃん」
「でも入ってる」
「……それこそシワになるだろ!気になる!貸せ!」

と言えば、シュラはすんなりと鞄を俺に寄越した。

「どうせ洗濯するだろ」
「でも気になるんだよ!それに鞄がパンパンだと運が入って来ないんだぞ!」
「へぇ、そうなのか」

一つ一つ着替えを畳んで納めてやる。スッキリして行きと同じサイズに戻ったのを見てシュラが笑った。
こいつも子どもっぽいところちゃんとあるじゃん…

「俺、畳むのは苦手だからまたお前にやってもらおうかな」
「世話焼きならそれくらい自分でやれ!寧ろ俺のをやるくらいのキャラだろ」
「俺だって何でもできるわけじゃない。お前、やっぱ面白いし意外とできるな」
「どう考えても俺の事馬鹿にしてる!」

シュラが嫌味ではなく素で言っているのはわかってきた。でも反発しないと気が済まない。
シュラを見返してやれるのは嬉しいが、どうも向こうは俺に嫉妬する事など1ミリも無く、寧ろ気に入られてしまうようだ。
違う、俺はお前をギャフンと言わせたい!凄いなって言われて素直に笑われると調子が狂う!俺はお前の弟じゃない!
自分の中に渦巻き始めた複雑な感情のせいか、夕食後に少し眠ってしまったせいか、その後は寝たくてもなかなか寝付く事ができなかった。

ーつづくー

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2022
07,15
昨日今日と、頭痛&腰痛のダブルパンチで色々進まず…(゚∀゚`)
頭痛も薬の効きが鈍ってきた。ロキソニンやジソPは頭痛には効かないからイブ派だけど体が慣れちゃったのかね…別の薬試さないといかんかなぁ。
漫画は6頁半まで。今回は全頁通して顔アップばかりだなー。だから早いのもあるけど。

話の続きはほんの少しだけ〜。全然進んでない。
まぁ蟹座期間終わってもこの話終わるまでは更新多めでいきます(・∀・)b

ーーー

いつの間にか眠ってしまったようで、ふと起き上がると部屋は薄暗く灯りが抑えられていた。
テーブルに備え付けられた灯りでシュラは何かを読んでいる。
ハッとして自分の首元を触ると、ジャケットは着たままだったがネクタイとボタンが2つ外されていた。

「悪いが苦しそうだったからネクタイだけは外したぞ、他は触ってない」
「……」

「そのまま寝るか?風呂に入るなら準備くらいしてやる」
「それくらい自分でできる…」

そう言って再び布団に突っ伏した。
俺はこれでも血圧が低めで、寝起きは体が怠いのだ。

「……この部屋、浴槽も付いているが入るなら入れてやるぞ」
「……いい、自分でやる……」

そのまま布団に転がっていると、シュラが浴室の方へ向かう音が聞こえる。

「……いいって言った」
「湯を入れただけだ、あとは自分でやれ」

もう、なんなんだろう…同じ歳のガキのくせに世話焼きやがって。

「……シュラ、お前って長男?弟とか妹とかいた?」
「妹がいた」

あーやっぱそんな感じか。

「…お前には兄弟いたのか?」
「……ねーちゃんがいた」
「あぁ…」

何だよ、その納得したような憐れむような気のない返事は。

「別に俺、自分のことは自分でやってたぞ」
「まだ俺は何も言ってないって」

「言わなくてもわかる、弟だから子どもっぽいとか思っただろ」
「それは自分がそう思ってるだけだろ、俺のせいにするな」
「……」

「それにすぐ怒ったり文句付けるのどうにかならないか?俺はお前と普通に会話してみたいだけなんだが」
「そんなの…俺だって怒りたいわけじゃねぇよ…」

「…聖衣のせいで、とんだ災難だったな…俺も喧嘩したかったわけじゃない、同じ歳の聖闘士に会えるのを楽しみにしていたくらいだったんだ」
「へぇ、俺なんかで残念だったな」

「残念じゃないぞ」

「はぁ?」

意外な答えに変な声が出てしまった。
ーつづくー

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2022
07,13
漫画は4頁の下書きまで。1日1頁ペース。

さて昨日のネタの続き。まだダラダラ続きます。考え無し!(・ゝ・)
でもサガの乱辺りで終わる予定ではいます。まだ子どもだしゴールインはしないけど、そこそこ良い感じになって終わらせたいところ。
七夕話以上に長くなってます。この話終わったら蟹誕フェア終わりそう。

ーーー

出発の日、小さな袋一つ持っただけのシュラが聖域の入り口で待っていた。

荷物あれだけとか信じられねぇ…

俺を見てシュラは先に歩き出したが、すぐに立ち止まってこちらを見ている。

「……何だよ、どうしたんだ?」
「別に」

俺の後ろに何かあるのかと振り返ったりしたがよくわからず、追いついたらまた歩き出した。
先方との待ち合わせの街まで、シュラは度々振り返ってはそのまま進んだり、立ち止まったりした。

「……なぁ、お前もしかして俺が付いてきてるか確認してるのか?」
「それくらいはコスモでわかる」
「じゃあ何を見てんだよ」
「……」

「わかんねぇの怖いんだけど。やめてくれ」
「…すまんな」

それからシュラが振り返ることは無くなったが、何か歩くのがゆっくりになった気がした。

「なぁ、もしかして俺が歩くの遅いのか?」
「……」

返事が無い時って、当たってるって事?わかんねぇ。俺に気ぃ遣ってんの?コイツがぁ?

「なぁ、遅れても俺テレポートできるから先に行っていいぞ」
「…せっかく教皇が組んでくれた2人任務だぞ」
「だからなに」

「…一緒に行けばいいだろ」
「……」

一緒に?まぁ一緒に行くは当然なんだが…

あれ?コイツは俺の事嫌じゃないのか?
…いや、意識してないならそもそも嫌とかそういう事自体考えないのか…

「お前が良くても俺が嫌だ」
「……まだそんな事を……」
「俺様は繊細なんだよ」
「……そのようだな」

「ちゃんと覚えとけ、俺のこと」
「そうする」

つい先日まで喧嘩ばかりしていたのに、今は妙に素直で調子が狂う。
そこからやっぱりシュラは俺に合わせてゆっくりめに歩き続けた。

ーーー

俺たちはまだ9歳と10歳ということで、もっとガキの多い聖域にいると感覚が狂うが世間から見れば立派な子どもだ。
依頼主と約束していた街で合流し、側から見れば保護者同伴という感じで目的地へ向かった。

仕事の内容は超簡単。

外交とは言え、良い所のお食事会にお呼ばれしているだけだ。
愛想良く振る舞って、食べて、寝て、帰る。それだけ。

しかも聖域や聖闘士について知っている者たちばかりなので、黄金聖闘士の俺たちは子どもとは言え超VIP待遇。
勝ち目なんて無いから下手に手を出してくる奴もいない。
戦う必要も無く、何て楽な仕事なのだろう。

ーーー

ビュッフェスタイルの食事会が始まり、俺の隣に付いた大人が欲しいものを盛り付けてくれる。
基本的には立食だが、子どもだからか俺たちには席が用意されていた。
テーブルにエスコートされると、シュラが既に座っている。

つい、盛り付けられたプレートを見比べてしまう。
あいつは実にバランスよく野菜やら肉やらペンネやらが並んでいるが、俺はどうだろう。
エビ、エビ、エビ…海老しか乗っていない。
何故か急に自分が子どもっぽく感じて恥ずかしくなってきた。
ドリンクを見ると俺はオレンジジュース。あいつは…

「……なぁ、お前のソレ、何?」
「アイスティーだが」

ICED TEA!!!!!!!

「え?お前そんなん飲めんの…?」
「飲めないのか?」
「……」

シュラがチラっと俺のドリンクを見る。

そして黙った。

「す、好きなもの飲んで悪いかよ!!」
「いや、俺はまだ何も言ってない」

「寧ろお前は何を急に焦っているんだ?」
「なんでもねぇよ!」

シュラは食べ方も意外と綺麗で、俺は手が震えてきた。

何でそんなサラッとできるんだ?!

「おい、食べないのか?好きな物なんだろ?」
「食べるよ!イチイチこっち見んな!」

「……気にしてるのはお前の方だろ」

なんか…知らないままの方が良かったかもしれない…こいつの事。
半年早いだけの同じ歳のくせにやたら余裕があって…自分との差を感じてやっぱりムカムカしてきた。

ーーー

食べるだけなのに余計な事に気を遣って疲れてしまった。
部屋を案内されれば子どもだからだろうか、2人部屋だった。

「……まぁ、寝るだけだから我慢しろ。それとも帰るか?」
「……ムリ、何かすげぇ疲れた……」

「お前、絶対に手ぇだすなよ!」
「出すわけないだろ」

窓際のベッドを選んでとりあえずドサっと横になる。

「せめて服を脱げ、皺になるだろ」
「うるせーなー!1人じゃないと、そういうのが嫌なんだよ!」

「服が大事ならお前が脱がせればいいじゃん!」
「はぁ?それは俺が手を出すことにならないのか?」

「……」

「…なる、だから何もすんな、黙ってろ、こっち見るな」

俺はシュラに背を向けてしばらく横になっていた。

…俺、もうずっと怒ってばっかだ
怒るかムカつくかしかしてない気がする

別に…
怒りたいわけじゃねぇのに…

そう思った瞬間、なぜか急に涙が出そうになって、ギュッと目を瞑った

ーつづくー

外国って食後にコーヒー紅茶が強制的に出てくるイメージですが、食事中に飲む人いるのだろうか…と、ふと思うた事。

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2022
07,12
蟹誕漫画は3頁目の下書きまで終了〜(゚∀゚)b
休憩多めののんびり気味で進めてます。

さて、結局昨日の話を続けてみました。結を考えていないのでダラダラです。
あとやっぱ会話がわかりにくいかも。そしてどこまで続くのか…。

ーーー

ある日、久しぶりにシュラと遭遇したが、幸い向こうは聖衣を着ていなかった。
お互いチラ見して、どこかホッとしてそのまますれ違おうとしたら。

「……おい」
「……なんだよ」

「お前、手を離せ」
「っ!なんっ…で!!」

俺は引き留めるようにシュラの腕を掴んでいた。

「何でこうなるんだ?!お前聖衣着て無ぇのに…!」
「わざとやってるのか?」
「違う!俺の意思じゃない!」
「ハァ…離してくれ、できないなら聖衣を脱げ」

「ぅぐぐぐ!」

溜め息混じりにそう言われて何かいつも以上にムカついた。

「クソったれぇ!!!」

気合いで聖衣を吹き飛ばして、それだけでは足りないから握っていたヘッドパーツを地面に叩き付ける。

「聖衣に当たっても仕方ないだろ」
「じゃあどうすりゃいいんだよ!いちいちムカつくんだよ!お前がぁ!!」

「俺はな、お前に極力会わねぇように普段わざわざ黄泉比良坂で過ごしてんだよ!」
「どんな場所か知らねぇだろ?!寒いのか暑いのかわかんねぇし、いるだけでコスモ吸い取られていくし!」
「もう嫌だ!蟹座辞めて俺は死ぬ!」

自分でも何を言っているのかよくわからなかったが、そう叫びながら教皇宮に向かって走った。

ーーー

教皇宮へ入るなり「蟹座辞めて死にたいです」と言い放った俺を、シオン様は上手いことなだめて私室に通された。

「相手が聖衣を着ていなくても惹き合うようになった…か」
「もう死にたいです」
「まぁまぁ…早まるな…」

「実はな、お前たちは2人とも前山羊座と蟹座にそっくりなんだ」
「はぁ?」
「生まれ変わりかと思った、本当にエルシドとマニゴルドに似ている」
「……絶対に死にたいです」
「待て待て」
「だって、それって聖衣が勘違いし始めてるって事じゃねぇの」
「……まぁ、そうかもな」
「本当に死にたいです」
「そう言うな…」

「俺、蟹座辞めて死ぬから次は前蟹座に似てない奴を選んでください」
「そうは言っても選ぶのはわしではないからな」

「とりあえず、しばらく2人は聖衣を着なくてもいいようにする」
「できるんですか」
「まぁ、そういう仕事を他の者に回すしかないが…その間に対策を考えるから早まるのはやめなさい」
「……」
「念のため聖衣を教皇宮で預かろう、持って来なさい」

そう言われて、アイツの前で脱ぎ捨てたままだった事を思い出した。

ーーー

聖衣を拾いに行くため教皇宮を出ようとしたら、下からあいつが登ってきて思わず後退りしてしまった。

「お前、大事なものを散らかしたまま行くな」

そう言って目の前まで来たシュラはドスン!と蟹座聖衣を地に置いた。

「…拾ってくれたのか…」

それにパンドラボックスは巨蟹宮に置いてあったはずだ。
わざわざ取りに行って回収してくれたのか…
ちょっと意外に思ったが、普段顔を合わせれば喧嘩ばかりであまりこいつの事を知らなかった。

「まぁ…ちょうど良かった、コレもう教皇に預けるんだ」
「は?…本当に蟹座を辞めるのか?!」

「辞めたいけどまだダメだってよ、それに聖衣を預けるのはお前もだ」
「当分、聖衣着なくて良くなったからな、もう俺に関わることも無いぞ」

「……そうか」
「俺はコレ預けてくるから、お前も早く取りに行って預けてくれ」

そう言って俺は教皇宮に戻り、念のため聖衣を持ったシュラとすれ違わないように裏道から巨蟹宮へ戻った。

これで当分あいつに会う事も無ければ、もし会ったとしても何も無いだろう。
何より黄泉比良坂で時間を潰さなくてもいい。
そう思えば、ついさっきまで死にたくて仕方なかったのは何だったのかというくらい気が軽くなって、いつも少しずつ食べていた好きなお菓子を取り出して大人食いしてしまった。

翌日、清々しい気分で目覚め部屋にいると、教皇からのお呼び出しがかかる。
スイスイ滑るように12宮を駆け上がり扉を開ければ、教皇とシュラがいた。

ーーー

「……すみません、今、なんと?」

教皇の言葉は聞こえていたが、つい聞き返してしまった。
そんな内容だったのだ。

「シュラとデスマスク2人に行ってほしい仕事がある」

「泊まりがけで?」
「泊まりがけだ」

「……宿代勿体ないでしょうから、テレポートで俺だけ帰ってきてもいいんですが」
「宿代は向こう持ちだ」

「当然1人部屋ですよね?俺、プライベートな時間を誰かと一緒になんて過ごせません」
「それはわからん」

「…やっぱ俺だけテレポートで帰りたい」
「まぁそこは任せるが、お前たち今まで聖衣のせいで喧嘩ばかりだっただろう?聖衣の影響を受けずにお互いの事を知る機会が必要だと思うてな」
「すごく余計なお世話ですね」

俺と教皇で会話が進んでいく中、シュラは黙ったまま突っ立っている。

「なぁ、お前も何か言って拒否しろよ!」
「仕事は仕事だ、俺は別に文句など無い」

「一緒に泊まらなきゃいけないかもしれないんだぞ!」
「だから何だ、風呂に入って寝るだけだろ」

「飯だって食わないと…!」
「…食べるだけだろう?嫌なら別々で構わない」

「……」

「お前、聖衣の事があったからって俺を意識し過ぎなんじゃないのか?」

言葉に詰まって黙った瞬間、向こうからとんでも無いことを言われた。

「は…はぁ?!」

「お前の事なんか1ミリも意識してねぇよ!!」

結局、聖衣が無くても喧嘩しかしなかった。
いや、まぁ、確かに俺が一方的に熱くなっていただけだ。

俺は元々人付き合いが好きじゃない、1人が好きなんだ。
あいつだから一緒にいるのか嫌だとかそういうわけじゃなくて、誰でも嫌なんだ。

それに聖衣の件があったから意識するって、そりゃ当然だろ!
意識してないとか言い返しちまったけど、身構えて当然だろ!

あー嫌だ…何で勢いで「ただの仕事だし受けてやるよ!」とか言って全部OKしちまったんだ…
俺はまた死にたい気持ちに苛まれながら、渋々荷造りを進めた。
ーつづくー?

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2022
07,11
蟹誕漫画ですが、ネームで頁数出したところ8頁になったので描き始めました。
とりあえず1頁ペン入れまで終わり。ただ今回は仕上げベタまでやろうと思う。かわりに背景描いていない…(゚∀゚`)7月中には出来そうな気がするけど無理かなぁ。
まぁ3週間もあればいけるのではと思います。

今日のネタはいつか描こうと思ってなかなか手が出せないシリーズ。
LCのエルシド&マニゴルドの愛が込もった聖衣を引き継いで着る山羊蟹が、まだ本人たちの気持ちに反して体だけ惹かれ合ってしまうという話。
適当に終わらせようと思いつつも続きそう。

ーーー

俺が初めて聖域に来て、黄金聖衣を着て教皇の間で他の黄金聖闘士と顔を合わせて…
まだ、射手座と双子座と山羊座と、獅子座の候補生らしいチビしかいなかったが…
事件はそこで起きた

射手座、双子座と会釈をして、山羊座の奴と向かい合った時
なぜか俺の足が動き出したんだ
そして山羊座の奴の目の前まで来たら、今度は勝手に手が動いて…

そいつに抱き付いていた

これは悪夢かな、と思った

すげぇドン引きされると思ったら、何故か山羊座の奴も俺の背中に手を添えて
まるでコレじゃぁ抱き締め合っているとしか思えない光景
どんな顔して抱き返してきやがったんだよと視線を上げれば
めちゃくちゃ顔を引き攣らせたそいつと目が合った

「……」
「……」

抱き締め合っている光景とは裏腹に物凄く重い空気が漂う
それを打ち消すように射手座の奴が声を上げた

「あれ?君たち知り合いだったのか?!」
「ち、違ぇーよ!!」

俺はやっと声が出せた

「な、何か勝手に体が動いて…!」
「俺もそうだ!こんな奴初めて会ったというのに…!」

"こんな奴"って言い方酷いなおい!

「離せよ!」
「お前こそ!」

抱き締め合いながら喧嘩を始めると、双子座の奴が教皇と相談し始めた
「……どういう事なんでしょうか…」
「……うむ、わしは前黄金聖闘士の山羊座と蟹座を知っているから何となくわかるのだが…」
「聖衣には過去の聖闘士の意思が宿ると言われている」
「おそらく、惹かれ合っていた前山羊座と蟹座の意思が聖衣に憑依していて、今再び惹き合っているのでは」

その会話が聴こえてきてゾッとした

「ハァ?!俺ら男同士だぞ!どうにかならないのか?!」
「前山羊座と蟹座も男同士だったぞ」

もっとゾッとした

「ハァァァァ?!ゲイかよ?!」

俺が叫ぶと同時に、山羊座の奴が聖衣を吹き飛ばして脱いだ
ついでに俺も吹き飛ばされた

「ぅぎゃ!!」

「いきなり何すんだよ!!」
「ずっとベタベタ抱き合っているよりマシだろう!」
「……」
まぁ、そうだけどよ…

「教皇、聖衣を着ていなければ惹き付け合わないのですね?」
「おそらくは…」

「おい蟹座、俺と会う可能性がある時は聖衣を着るな」

えらいデカい態度にイラっとした
「誰が着るか!せめてお前が女だったら良かったのによぉ!」

言った瞬間、鋭い空気の刃が飛んできて少しマントが切れてしまった

「っちょ、いきなり何すんだよ!!」

「お前の言い方が悪い」
「お前もだバカヤロー!!」

結局、挨拶どころではなくなってそのまま喧嘩別れした

それが山羊座のシュラと初めて会った時の話

その後どうなったかと言えば、何故かタイミング悪くお互い聖衣を着ている時に遭遇しては胸に飛び込んでしまったり手を繋ごうとしたり挙句アイツにキスされそうになったりして、その度に聖衣を脱いで「お前なんか好きじゃない!」と喧嘩を繰り返してもう散々
後から来た魚座には「いっそ付き合っちゃえば?」とか言われる始末
俺はなるべく聖域にいないように、黄泉比良坂で過ごす時間が増えていった

ーつづく?ーわからん。

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2022
07,10
何かもうラスボス戦1時間かけて長編RPGをクリアした気分です…1ヶ月くらい自分を褒め称えたい…(゚∀゚)
というわけで「名前を持たない男」約120頁終了!正確には118頁かな。
思いの外早く仕上がったので夕方には投稿できました(・∀・)b
夕方なんて忙しい時間に見る人いないだろうけど(笑)

次は蟹誕漫画のネームを一応描いてみて、頁数少ないならば描きます。何だそれって感じですけど(笑)長編は今は勘弁して!
でも描けたら描きたい七夕ネタ、今日で終わるんですがコレ全部で7000字です。単純計算でおおよそ70頁の可能性…あー悩むー。
小ネタもいっぱい貯まってるんだなぁ…。でも新刊を年内に出すならもう描き始めないと…。

(゚∀゚)b新刊、来年にするかぁ!!

…いや、自分に負けてはいけない…先ずは明日、ネームを描こう。

では以下、七夕ネタの続きです。今日で終わり。
(・ゝ・)ノシ

ーーー

ー聖域、聖闘士の墓地にてー

「今年はよりいっそう、星が輝いていますね」
「急に光が増したよな」
「おい、アフロディーテ、そんなに泣けるほど感動するのか?」

言われて気付いた。
私は涙が止まらなかった。

「違う…嬉しいのだ…」

「?なにが?」

自分の墓跡に腰掛けて、霞んだ瞳で隣に並ぶシュラとデスマスクの墓標を見る。
地上で死ななかった彼らは、ここにいない。
「アフロディーテよ、お前ならわかるのだな」
後ろからシオン様の声がかかった。

「……ぇえ、わかります」

何年も、何百年も離れていた2人が…今…

「これでもう、彼らも寂しくないだろう」
シャカが前に出て手を合わせた。

「君も、わかるのか…?」
「私は神に最も近いからな」

久しぶりに聞いた相変わらずの言葉に口元が緩んでしまう。
時折、デスマスクのコスモを宙に感じる事はあった。
でも直ぐに地の底へと消えた。

今回は、違う。

「何があったか知らないが、報われたのだな…」

きっと、とんでもない事を2人はやってのけたのだろう。

「いつか…聞かせてくれよ」

2人の墓標に目一杯の薔薇を捧げた。

ーーー

聖域に想いを馳せているとデスマスクが声を上げた。

「あ、もう1人いたの忘れてた!シチリア島」

「シチリア?…弟子か?」
「そうそう、どうなったか知らねぇけど。すげぇ年月経ってるからさすがに死んでるとは思うが」
「でも今も地球が平和そうって事は、あいつもやる事やったんだろうな」
そう言うとスッと目を目を細めて独り言のように呟く。

「そうだとしたら…死ねずにまだあそこにいるのかもな…」

エトナ山…

2人で静かにシチリア島を見つめた。


『ここからなら、きっとあなたの輝きも大切な人に届きますよ』
『見守り続けてあげてください』
『そして、あなた方のように離れ離れになった愛に苦しむ者がいれば、手を差し伸べてください』

『私たちもかつてはそうでした』

その言葉を聞いて確信したのはデスマスクも同じだったようだ。

「やっぱり、あんた達って…」
『シュラ、デスマスク』
『お幸せに』

デスマスクに最後まで言わせず、微笑んだ2人は光に包まれ流れていった。

「……」
「……」

「アジアの伝承にある、タナバタの…」
「……だよな」


「……お幸せに、か……」

「こんな所にいるのが幸せなのかわかんねぇけど」
「でも地獄よりはいいだろう?」
「んー…正確には、お前がいるならどこでも耐えられるよ、多分」
「……そうだな、俺もそうだ」

目の前に広がる星の海。
地上から見れば天の川だろうか。

「アイツら全員綺麗になっちゃって」
「俺たちも星に変えられなくて良かったな…」
「その分、仕事しろってことだろ?」
「それくらいいくらでもするさ」

「デス、もう一度やり直そう」

「ん?」

輝く星々に包まれて、今度は別れではなく始まりのキスを交わした。

「へへ、何ができるかわかんねぇけど、恩返ししていきますか」
「宇宙ゴミでも拾いに行くか?」
「えー?そういうのぉ?」

いつか宇宙が消滅するまで、こいつと一緒なら飽きないさ。

ーおわりー

拍手

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